最高なサイコパス映画『告白』主演:松たか子、監督:中島哲也、原作:湊かなえ3人の覚悟の結晶

映画「告白」 サイコパス
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映画『告白』は松たか子主演、中島哲也監督、原作は湊かなえによる学園サイコパス映画です。
公開は2010年、出演している子供達は中学生の設定ですが、R15指定がつく超危険な狂った作品です(サイコパスだから狂って上等、褒めてますよ)。

もう、8年前の作品ですが、今でも色褪せることのない強力な作品でした。

主演の松たか子の怪演がすごい作品です。
冒頭の「告白」シーンは松たか子が1人でずっと喋り続けますが、観るものを引き込みます。

この冒頭の告白は映画全体を支配し、全てのその他の告白を引き立てます。

そして、映画のラスト、松たか子が演じる森口先生はもう一度を行います。

ここまで観たとき観ていたストーリーの目方が変わります。
『あのときのあの告白は実は意味は違っていた』と。

是非観て欲しいサイコパス映画です。

それでは、映画『告白』を紹介します。

■松たか子主演、中島哲也監督作品の『来る』の紹介記事です

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映画「告白」YouTube予告動画

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映画「告白」あらすじ

映画「告白」より 松たか子が演じる、女性教諭 森口悠子先生

映画「告白」より
松たか子が演じる、女性教諭 森口悠子
(C)2010「告白」製作委員会

とある中学校の1年B組。3月25日の終業式後のホームルーム。
担任の女性教諭 森口悠子は3月で教員を辞めることを告げる。
そして、愛娘が学校のプールで死んだ事件は殺人事件だったと告白する。
その犯人はこのクラスの中に2人いると。

警察は事故として処理したため、今更蒸し返すつもりもないという。
犯人を少年A, Bと呼ぶ森口だが、彼女の告白により犯人が誰なのかクラス中に伝わる。
そして、森口は少年法で守られた 2人の少年に“ある仕掛け”を施して学校を去る。

クラス替えされず、そのまま進級し2年の春を迎える生徒たち。

そこには差別という新しい秩序がうまれていた。

残酷すぎる少年たちの新しい秩序が少年A, B の 2人を追い詰めるが・・・

監督 中島哲也
脚本 中島哲也
原作 湊かなえ
製作 島谷能成
百武弘二
出演者 松たか子
岡田将生
木村佳乃
主題歌 レディオヘッド
「ラスト・フラワーズ」
製作会社 東宝映像制作部
リクリ
配給 東宝
上映時間  106分
公開年 2010年
年齢制限 R-15指定(15歳未満禁止)

映画「告白」感想・レビュー

映画「告白」より 復讐を果した森口悠子(松たか子)

映画「告白」より
復讐を果した森口悠子(松たか子)。狂気に満ちた笑顔。
(C)2010「告白」製作委員会

めちゃくちゃ怖いです、この映画。

人間の怒り、悲しみ、苦しみ、戸惑い、そういった負の感情に真っ向から向き合い、表現した映画です。原作はまだ読んでいませんが、脚本が緻密に計算されつくされており、何度観てもスキがありません。

1週間に3回観ました。

あらすじと同じ話の繰り返しになるが、1年B組の女性教諭 森口悠子(松たか子)は幼い愛娘の愛美(芦田愛菜)が学校のプールで、遺体で発見された。
愛娘の死は、警察が事故として処理を終えていた。
しかし、森口先生が独自に調査した結果、「真犯人がクラスに2人いる」と、3月の終業式に告白する。
母親であり担任である森口悠子先生は、事件を蒸し返して警察に報告するようなことはしない、とクラス生徒全員の前で告げる。

理由は法律の手に委ねても、刑法41条により無罪になり、保護観察処分になるだけで意味がなくなるため。

引用元:刑法第41条 – Wikibooksより

刑法41条

十四歳に満たない者の行為は、罰しない。

本条は責任年齢についての規定である。これにより、14歳未満の者は刑法上責任能力がないものとして扱われる。

「誤った生徒を正しい道に導くその責任があります」と森口悠子先生は話しつづける。
でも、本当の理由は違いました。
その理由は映画を観終えると分かります。

愛娘を殺した事を全く悪びれる様子もなく自慢げに話す生徒や、人殺しの息子をかばい謝罪もしない保護者などに、どこにもぶつけられない憤りを感じた森口先生。

そして、今月で教員を辞めて学校を去るという森口先生。
実はこのとき復讐の狼煙(のろし)は上がっていたのです。
加害者の少年2人の命を守るはずの少年法を逆に利用したもっとも怖い復讐の狼煙が。

少年法の問題点を浮き彫りにする作品でもありますが、この作品はそんな枠には収まりきらない作品だと思います。

クラスが2年になってもクラス替えがなかったため、事件のことをみんな覚えている。

担任は新しく寺田 良輝先生(岡田将生)が担当するが、警察以上の事実は知らない。

森口先生は既に学校を去っているが、殺人に関わった生徒2人は次々とクラスの生徒たちの未熟で残酷な暴力に追い詰められていく。

最高にクールで怖い復讐のストーリーです。

中島哲也監督から振り返る映画「告白」

中島哲也監督を始めて知ったのは現在、公開中の映画「来る」でした。

代表作として「下妻物語」、「嫌われ松子の一生」、「パコと魔法の絵本」、「告白」、「渇き。」など有名な映画がたくさんありますが、ジャンル的に関心がなかったので、これまで観たことがありませんでした。

今回、映画「来る」は新機軸のホラーエンターテインメントとして最高に面白かったです。
岡田准一さんが主演されていますが、松たか子さんを初めとして出演者がみんなかっこよかった。
映画「来る」を観て、中島哲也監督の手法で目を見張ったのは、「人間」の表現の仕方でした。

人間の多面性の掘り下げ方、見せ方の両方がとても暴力的で、恐ろしかった。
ホラー映画をホラー映画たらしめている要素部分ももちろん怖いですが、それ以前に「人間も非常に怖い」と感じさせられました。

映画「告白」ですが、映画「来る」で表現された人間たちよりもものすごく人間が怖かったし、観ていて背筋が凍る思いをしました。
外面と本音の部分をうまくミスリードさせて、怖さを倍増させています。

復讐する森口先生も怖いですが、殺人を犯した少年 A, B、人殺しの息子をかばう母親、加害者の少年を集団でいじめる子どもたち全員が多面性を持っており非常に恐ろしい。

R-15指定(15歳未満禁止)の理由が分かります。

中島哲也監督のもう1つの映画「渇き。」には、映画「来る」に出演している妻夫木聡さんと、小松菜奈さんも出演しています。
この「渇き。」も人間の本質的な部分が見え隠れしていて怖かったです。

松たか子から振り返る映画「告白」

映画「告白」より 告白する森口悠子先生(松たか子)

映画「告白」より
告白する森口悠子先生(松たか子)
(C)2010「告白」製作委員会

松たか子主演の映画「告白」。

106分の作品ですが、冒頭の開始30分は松たか子さんが演じる「森口悠子先生」の告白から始まります。
この30分は長く感じません。
静かな語り口調ですが、ゆっくりと丁寧に力強く、怒りを抑えて語り続けていく姿には鳥肌がたちました。森口先生の覚悟をリアルに感じました。

終業式後のホームルームで滔々(とうとう)と語り続ける森口先生、しかし、明日から春休みで頭の中が一杯な生徒は話を聞かずに喋り続ける。

それでも御構い無しに喋り続ける森口先生は徐々に自分の身の上話を話はじめ、愛娘が学校のプールでなくなったこと、事故ではなく殺人事件であり犯人の少年A, Bがクラスにいること、少年2人にはある罠を施したことを話す。

この告白がこの映画の土台となり、一言一句聞き逃してはいけない。

この後、森口先生こと松たか子さんは画面から姿を消しますが、その存在感は残り続けます。
森口先生を理解している生徒、北原 美月(橋本愛)が森口先生に手紙を通じて語るという手法を用いることで、存在感が消えないのです。

2年に進級したクラスで起きる1つ1つの事件は全て森口先生が不在の状態で進行していくが、確実に少年A, Bを追い詰めていく。

そして、映画の77分過ぎ(残り26分)から松たか子が再登場してくる。
30分の冒頭シーンとはうって変わって感情をむき出しにして、元教え子北原 美月に復讐の手法を告白します。

法律を犯さず、少年法で守られた元教え子に復讐を果たす森口先生。

とにかく怖い。

怖い女性を演じた松たか子の演技が最強にすごかったです。

松たか子さんのファンになってしまったかもしれません。

  • 俳優 松たか子
  • 生年月日 1977年6月10日
  • 出生地 東京都
  • 主な映画出演作品
    • Last Letter (2019年公開予定、東宝)/主演 岸辺野裕里 役
    • 来る(2018)/比嘉琴子役
    • 泣き虫しょったんの奇跡(2018)/鹿島澤佳子 役

映画「告白」のキャスト

寺田 良輝(てらだ よしき)

映画「告白」より 岡田将生が演じる、寺田 良輝先生

映画「告白」より
岡田将生が演じる、寺田 良輝先生
(C)2010「告白」製作委員会

クラス替えなしで2年になった生徒たちの担任になった寺田良輝先生。
森口先生と違って熱血先生で、生徒に親身であろうと努力する姿が滑稽に見える。
愛称で自分を呼ぶことを生徒に求め、初対面の生徒たちを初日から下の名前で呼びかけ、フレンドリーさを必死に演出する。

  • 俳優 岡田 将生(おかだまさき)
  • 生年月日 1989年8月15日
  • 出身地 日本 東京都
  • 主な映画出演作品
    • そらのレストラン(2019年1月25日公開予定)/神戸 役
    • 家族のはなし(2018年)/主演・小林拓也 役
    • ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章(2017)/虹村形兆 役

少年Bのママ

映画「告白」より 木村佳乃が演じる、下村 優子

映画「告白」より
木村佳乃が演じる、少年Bのママ
(C)2010「告白」製作委員会

人殺しに関わった生徒の母親。

父親は仕事で不在がちで、長女は東京の大学に通っており、息子とほぼ2人暮らし。
息子を溺愛している。
自分の息子は主犯の少年Aにそそのかされた被害者だと思っており、罪の意識は皆無。

  • 俳優 木村佳乃
  • 生年月日 1976年4月10日
  • 国籍 日本(ロンドン生まれ)
  • 主な映画出演作品
    • パパはわるものチャンピオン(2018)/大村詩織 役
    • 嫌な女(2016)/小谷夏子 役
    • 星ガ丘ワンダーランド(2016)/清川爽子 役

北原 美月(きたはら みづき)

映画「告白」より 橋本愛が演じる、北原美月

映画「告白」より
橋本愛が演じる、北原美月
(C)2010「告白」製作委員会

森口悠子先生の教え子で、事件のあったクラスの委員長。
2年になって森口悠子先生がいなくなったクラスを客観的に観ており、クラスの異常性を不安視している。

  • 俳優 橋本 愛
  • 生年月日 1996年1月12日
  • 出生地  熊本県熊本市
  • 主な映画出演作品
    • オズランド 笑顔の魔法おしえます。(2018)/玉地弥生 役
    • ここは退屈迎えに来て(2018)/主演 私 役
    • 寄生獣 完結編(2015)/村野里美 役

最後に

松たか子さんが演じる森口悠子の残忍で狂気に満ちた復讐劇が見せ場ではあるが、演じきった演技力というか表現力に脱帽しました。

改めて俳優さんはすごいなと思います。

そして、俳優の魅力を引き出した中島哲也監督もすごい。

映画作りにはもちろん、製作や撮影、音楽・音響、ライト、衣装いろんな要素があって表現できるものだけど、最後にまとめた監督はやっぱり大事だと思うんですよ。

松たか子さん、中島哲也監督共にファンになりました。

映画「来る」もよかったですが、今後の作品にもすごく期待したいと思います。

以上、「サイコパスホラー映画『告白』主演:松たか子、監督:中島哲也、原作:湊かなえ3人の覚悟の結晶」でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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