映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』感想・レビュー(混沌から生み出す秩序と感動)

©2022 A24 Distribution, LLC. 映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』より バトルアクション
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2023年のアカデミー賞に輝いた映画のタイトルは、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(原題:Everything Everywhere All at Once)』という作品です。
この映画は、第95回アカデミー賞で作品賞、主演女優賞(ミシェル・ヨー)、助演男優賞(ジョナサン・キー)、助演女優賞(ジェームズ・ホン)、監督賞(ダニエルズ(ダニエル・クワンとダニエル・シャイナート))、脚本賞、編集賞の7部門を受賞しました。

中国系移民のお母さんである主人公のエヴリン・ワン(ミシェル・ヨー)がマルチバース(並行宇宙)をジャンプしながら悪に立ち向かうSFクンフー・コメディという異色の作品です(クンフーまたは、カンフーどちらも同じ意味です)。

エヴリンは、破産寸前のコインランドリーを経営し、トラブルだらけの家族と暮らしています。
ある日、彼女は自分の人生に不満を持つようになりますが、その時に夫と同じ顔を持つ謎の男からマルチバースの存在を知らされます。
彼女は自分と同じ姿をした別の世界の自分たちから力を借りて、全宇宙にカオスをもたらす強大な悪から娘や家族を救おうとします。

彼女が別世界に飛び込みながら見せるカッコいいクンフーアクションや笑えるドタバタ劇が見どころです。

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映画予告編

ギャガ公式チャンネルより引用

あらすじ

引用元:ABOUT THE MOVIE|映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』公式サイト

経営するコインランドリーの税金問題、父親の介護に反抗期の娘、優しいだけで頼りにならない夫と、
盛りだくさんのトラブルを抱えたエヴリン。そんな中、夫に乗り移った“別の宇宙の夫”から、
「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と世界の命運を託される。
まさかと驚くエヴリンだが、悪の手先に襲われマルチバースにジャンプ!
カンフーの達人の“別の宇宙のエヴリン”の力を得て、闘いに挑むのだが、
なんと、巨悪の正体は娘のジョイだった…!

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の基本情報

  • 原題: Everything Everywhere All at Once
  • 監督: ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート
  • 脚本: ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート
  • 製作:
    • ジョー・ルッソ
    • アンソニー・ルッソ
    • マイク・ラロッカ
  • 出演:
    • ミシェル・ヨー(エヴリン・ワン役)
    • キー・ホイ・クァン(ウェイモンド・ワン役)
    • ステファニー・スー(ジョイ・ワン/ジョブ・トゥバキ役)
    • ジェームズ・ホン(ゴンゴン役)
    • ジェイミー・リー・カーティス(ディアドラ・ボーベアドラ役)
  • 上映時間: 140分
  • 公開日: 2023年3月3日
  • Copyright: ©2022 A24 Distribution, LLC.

監督のダニエル・クワン、ダニエル・シャイナートについて

  • ダニエル・クワン(Daniel Kwan)
    • 1988年7月14日生まれ
  • ダニエル・シャイナート(Daniel Scheinert)
    • 1986年9月19日生まれ
  • 二人は「ダニエルズ」という監督コンビとして活動しており、映画代表作は以下の通り。
    • 『スイス・アーミー・マン』(2016年):ポール・ダノとダニエル・ラドクリフが主演する奇妙なサバイバルコメディ
    • 『DJ Snake ft. Lil Jon – Turn Down for What』(2014年):グラミー賞にノミネートされた人気曲の破天荒なミュージックビデオ
    • 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022年):時空を超えたアクションコメディで第95回アカデミー賞監督賞と脚本賞を受賞

製作のジョー・ルッソとアンソニー・ルッソ兄弟について

ジョー・ルッソとアンソニー・ルッソは、アメリカのテレビや映画の監督、プロデューサー、脚本家、俳優、編集技師の兄弟です。

オハイオ州出身で、『コミュニティ』や『アレステッド・ディベロプメント』などのコメディ番組を手がけた後、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』や『アベンジャーズ/エンドゲーム』などの大ヒット作品を監督しています。

感想・レビュー

見終わった直後の感想は「また、すごいものを見せられたな」というものでした。

スキルチェンジ&人格チェンジ、虚無世界の恐ろしさ、母娘の確執、LGBTへの偏見など、様々なテーマや価値観がごちゃ混ぜにされていますが、バトルは本格的なクンフーで展開されます。
これらが混ざり合って混沌とした作品になっていますが、無駄が省かれており、混沌としながらも秩序ある映画としてまとまっているように感じました。

これはダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート監督が映画『スイス・アーミー・マン』で使った監督らしい手法だったと思いました。

ダニエルズ監督コンビ(ダニエル・クワンとダニエル・シャイナート)の真骨頂は混沌から生み出す秩序と感動

何を言っているか分からないかもしれないので、例え話をしましょう。

映画『スイス・アーミー・マン』は無人、自殺、虚無、死体、様々なサバイバルスキル、恋愛、友人、偏見という複数のテーマを1つの映画の中で描いた作品でした。

その1つの結晶として生まれたのは、海を渡り、水を生み出し、会話もし、勃起もし、金槌にも、銃器にもなる完全死体と出会い、心を通わし生まれる『親愛』でした。

混沌の中から作り出す、秩序と感動。
これがダニエル両監督の真骨頂なのだと、今回の映画『エブリシング・エブリェア・オール・アット・ワンス』を観て感じました。

製作陣にMARVEL出身者あり

スキルチェンジをためのマルチバース(並行宇宙)の見せ方は、非常に斬新だった思います。
この当たりは MARVELで手腕を振るってきた、ルッソ兄弟が製作に居たから面白くできたのかもしれませんね。

映画のテーマや中身はよくあるモノかもしれませんが、端々で新しい息吹みたいなモノを感じました。

お陰で映画も面白かったし、満足できる作品でした。

役者紹介

ミシェル・ヨー(エヴリン・ワン役)

©2022 A24 Distribution, LLC.
ミシェル・ヨー(エヴリン・ワン役)

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中央:ミシェル・ヨー(エヴリン・ワン役)

  • ミシェル・ヨー (Michelle Yeoh)

    • 生年月日:1962年8月6日
    • 出生地:マレーシア イポー
    • 代表的な映画出演作:
      • グリーン・デスティニー (2000)
      • The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛 (2011)
      • シャン・チー/テン・リングスの伝説 (2021)

ステファニー・スー(ジョイ・ワン/ジョブ・トゥバキ役)

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ステファニー・スー(ジョイ・ワン/ジョブ・トゥバキ役)

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左:ステファニー・スー(ジョイ・ワン/ジョブ・トゥバキ役)

  • ステファニー・スー (Stephanie Hsu)

    • 生年月日:1990年11月25日
    • 出生地:アメリカ合衆国 ロサンゼルス郊外
    • 代表的な映画出演作:
      • エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス (2022)
      • The Marvelous Mrs. Maisel (2019-2020) ※TVドラマ
      • The Path (2017) ※TVドラマ

キー・ホイ・クァン(ウェイモンド・ワン役)

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キー・ホイ・クァン(ウェイモンド・ワン役)

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キー・ホイ・クァン(ウェイモンド・ワン役)

  • キー・ホイ・クァン (Ke Huy Quan)

    • 生年月日:1971年8月20日
    • 出生地:南ベトナム サイゴン(現在のベトナム ホーチミン市)
    • 代表的な映画出演作:
      • インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 (1984)
      • グーニーズ (1985)
      • ブレインストーム(2022)※復帰作

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