2000年にスタートし、アメコミ映画の人気火付け役となったMARVELの「X-MEN」シリーズの最終章が「X-MEN:ダーク・フェニックス」として公開されました。
シリーズ作品というのは過去作品との繋がりや、築いてきた歴史に敬意を払い新作を発表する必要があると思っています。
そして、観終わったときには作品中で描いた伏線を回収されてみんなが満足する必要があります。
次のシリーズがあったとして、基本1回ごとに解決させる必要があります。
まして、シリーズ最終作品と銘打って(めいうって)公開した作品であればシリーズ全体の伏線を回収してファンに物語の完結にふさわしい答えを提供する必要があります。
映画「X-MEN:ダーク・フェニックス」はどうだったのでしょうか?
映画を紹介しつつ答えをお見せしていきたいと思います。
映画「X-MEN: ダーク・フェニックス」予告編
20世紀フォックス映画公式チャンネルより
映画『X-MEN: ダーク・フェニックス』本予告【最後のX-MEN】編
映画「X-MEN: ダーク・フェニックス」ストーリー・あらすじ
引用元: 映画『X-MEN: ダーク・フェニックス』公式サイト 大ヒット上映中!
特殊能力を持つミュータントたちで結成されたX-MENは、人類と共存し平和を守っていた。
そんなある日、X-MEN最強メンバーのジーン・グレイ(ソフィー・ターナー)は、NASA乗組員救出の宇宙ミッション中の事故によって謎の熱放射を浴びてしまい、心の闇に潜んでいた彼女のもう1つの人格”ダーク・フェニックス”を覚醒させてしまう。
自身の持つテレパシーやサイコキネシスのパワーが増幅し、強大なパワーをもつことになったジーンを、親代わりのプロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)やジーンの恋人のサイクロプス(タイ・シェリンダ)らも制御できなくなってしまう。
彼女を救おうと仲間たちは手をさしのべるが、彼女の解き放ったパワーが思いがけない悲劇を引き起こす。
孤立するジーンのパワーを利用しようと謎の女(ジェシカ・チャステイン)が近いてくる。地上の全生命体を滅ぼしかねない<最大の脅威>となった”ダーク・フェニックス”の力は、ジーン自身にもコントロールできず暴走。
・・・中略・・・
世界の滅亡を回避するため、仲間だったジーンの暴走を止めるため彼女を抹殺するべきか否かで対立させるX-MENは、地上最大の脅威と化した最強の敵”ダーク・フェニックス”に立ち向かう術はあるのか—。
原題 | Dark Phoenix |
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監督 | サイモン・キンバーグ |
脚本 | サイモン・キンバーグ |
出演者 | ジーン・グレイ / ダーク・フェニックス(ソフィー・ターナー) チャールズ・エグゼビア / プロフェッサーX (ジェームズ・マカヴォイ) エリック・レーンシャー / マグニートー (マイケル・ファスベンダー) レイヴン・ダークホルム / ミスティーク(ジェニファー・ローレンス) その他 |
製作会社 | Twentieth Century Fox Film Corporation |
配給会社 | 米国 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ 日本 20世紀フォックス |
上映時間 | 120分 |
コピーライト | © 2019 Twentieth Century Fox Film |
映画「X-MEN: ダーク・フェニックス」の感想
1つの単体作品として観る映画作品としては最高に面白い作品だったと思います。
アメリカのスーパーヒーローとしての地位を確立した X-MEN たち。
X-MENメンバー内のジーン・グレイは能力の暴走が止められなくなり、X-MENの敵に回る物語。
チャールズもレイブン、エリックさえも誰も彼女を止められない。
旧作のX-MENにあった、「X-MEN: ファイナル ディシジョン(2006)」でもジーン・グレイが暴走しましたが、あの話と展開は異なります。
今回はなぜ、ジーンの中にダーク・フェニックスが存在していたのか!?その理由もしっかり描かれており、ファンも納得のストーリー展開でした。
しかし、シリーズ作品の最終作品としては過去に描かれてきた伏線に触れられないところが気にもなりました。
映画「X-MEN: ダーク・フェニックス」を楽しむ上での大事なポイント
X-MENのメンバーの能力と名前と顔は予習しておきましょう。
旧作における伏線はあまり重要ではありませんでした。
過去作をもし観ておくなら1つ前の作品「X-MEN: アポカリプス(2016)」だけ観ておけば十分楽しめる作品でした。
アポカリプスに出てきたメンバーが今回の「X-MEN:ダーク・フェニックス」で活躍します。
「X-MEN:ダーク・フェニックス」で登場するX-MENメンバーは次の記事で復習できます。
映画「X-MEN:ダーク・フェニックス」のまとめ
X-MENシリーズ初の女主人公ジーン・グレイ(ソフィー・ターナー)。
前回、「X-MEN:アポカリプス(2016)」では不安定な能力ながら、強大なテレパスとテレキネシスを見せつけてくれた新人X-MENでした。
ジーン・グレイは旧作3部策ではファムケ・ヤンセンが演じていました。
旧作でも能力が不安定でありつつも、強大な力を持っていた彼女は旧作2作目でメンバーを救うためにダムの決壊した水が襲ってくるときに、自分の体を犠牲にして仲間を逃しました。
そのため2作目が終わった時点で「ジーン・グレイは死んだ」と思われていましたが、3作目の「X-MEN: ファイナル ディシジョン」では能力により生き残っていたという設定でX-MENたちの前に姿を現しました。
このときもチャールズに閉じ込められていたダーク・フェニックスの人格が登場してX-MENたちを危険に巻き込みます。
主役がジーン・グレイという今回の作品でしたが、チャールズとレイブンの存在感が強くて、ジーンは本当に主役だったのか?と、勘ぐってしまう作品でもありました。
同じ MARVELでの今年公開の「キャプテン・マーベル(主演:ブリー・ラーソン)」とは違ったタイプの女性主役の起用だったので、新しい展開があっても面白かったかもしれませんね。
最強という点では、ジーン・グレイもキャプテン・マーベルも共通なんですが。
以上、『映画「X-MEN:ダーク・フェニックス」感想・レビュー(単体作品としてはいい点数ですが、シリーズ作品としては・・・)』でした。
ここから映画をレビュー(ネタバレ)
ここから下は映画レビューです。
レビューということは映画の推薦・見どころ・批評が入ります。
作中のネタに関する紹介も含まれます。
また、映画観てきたからネタ合わせしたい人向けの記事です。
ネタバレしても問題ない人が観てください。
ネタバレごめんっていう方はここから先へすすまないようにしてください。
それとかなり正直な感想を書きます。
映画観終わった直後は興奮しているので、「面白かった」と思っていました。
しかし、数時間経ってから思ったのは「何も解決されていない」「あの映画はなんだったんだ」でした。
確かにジーン・グレイを取り巻く騒ぎはおさまりました。
レイブンたちを巻き込み、騒ぎを大きくし、ジーン・グレイが主人公であり物語のコアでした。
映画の最後はX-MENたちは何事もなかったように日々の生活に戻りました。
地球の危機も救われてメデタシ、メデタシでした。
単体作品として終わり、次回作でシリーズ全体のテーマを作るなら問題のない作品でした。
しかし、この「X-MEN:ダーク・フェニックス」は最終作品です。
シリーズ全体のテーマや伏線は何も解決されていません。
「X-MEN: フューチャー&パスト(2014)」で時間軸をリセットし直して、描いた未来は?
「X-MEN:アポカリプス(2016)」で描いたエリックとクイックシルバーの関係性は?
今回の騒ぎで人類とX-MENの信頼関係が崩れたはずだが、「人類とX-MENの共存の未来」というシリーズを通して描かれた不変のテーマについては触れないで終わるの?
チャールズがX-MENを危険にさらしたことの責任として引退したのだとしたらその説明も必要だったのではないかと、思っています。
実はこの映画は肝心なことを何も解決していないんです。
シリーズ作品としては残念な終わり方でした。
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