映画『ゾンビ』が40周年を記念にして2019年11月29日より、全国の劇場で随時公開を開始しています。
公開されている劇場は次のリンクをクリックしてください。
ココをクリック→日本公開40周年!『ゾンビ ─日本初公開復元版─』公式サイト
これはただのリバイバル上映ではありません!
失われていた40年前の日本上映用の特別カット版に今回再編集されて、当時のスタイルで上映されるのです。
40年前の1979年(アメリカは1978年公開)、今の日本人の我々が知る『ゾンビ』のスタイルを定義した映画が国内に入ってきた。
その映画はリビングデッドシリーズの2作目だった。
映画のタイトルは『ゾンビ(原題: Dawn of the Dead, 国際題: Zombie)』
我々日本人が知る、いや今では世界共通となった『ゾンビの定義』がされた作品がこの映画『ゾンビ』。
そしてこの映画『ゾンビ』を生み出したのが、ジョージ・A・ロメロ監督。
【ゾンビの定義】
- 死者が蘇って生者の肉を喰らう
- 噛まれた者もまた、ゾンビになる
- 脳を破壊されるまで動き続ける
現在でも『バイオハザード』『ウォーキング・デッド』などのゾンビ映画、ゾンビゲーム、漫画、小説などに多大な影響を与え続けている。
ゾンビ映画はこの作品が発表された1978年以前にもいろいろありましたが、上記3つの定義がなされたのがこの作品世界で一番最初の元祖に当たります。
現在公開中の『日本初公開復元版』は今後のソフト化・TV放送なし! 劇場でしか観られない!という触れ込みです。
このバージョンを観るなら劇場に足を運ぶしかない。
詳しい情報は公式サイトを覗いて欲しいが、引用すると次のようなカットが過去に公開されている。
「米国劇場公開版」(127分)
北米で劇場公開されたバージョンで、1985年にCIC・ビクタービデオ(現NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)からのVHS・VHD化、パイオニアLDC(同)からのLD化によって日本初登場。音楽はロメロ監督自身によって選曲され、ドキュメンタリー・タッチのSFスリラーとしての編集、音響が施されている。「ダリオ・アルジェント監修版」(119分)
アジアやヨーロッパで劇場公開されたバージョンで、ヨーロッパの配給権を得た『サスペリア』のダリオ・アルジェント監督が監修を務めて再編集。音楽をイタリアのプログレッシブ・ロックバンド“ゴブリン”が担当し、SFサバイバル・アクション風味の仕上がりとなっている。「ディレクターズカット版」(139分)
劇場公開から15年を経た1994年に日本で世界初劇場公開となった、最も長尺のバージョン。ロメロ監督によるファーストカット版で、最も殺伐とし、作品本来のテーマがより明確になっていると評される。
映画「ゾンビ-日本初公開復元版-」本予告|2019/11/29(金)公開
YouTubeチャンネル:公式 zaziefilmsより
40年前、日本中を熱狂させた日本だけの”ゾンビ”が蘇る。
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1979年3月10日、ジョージ・A・ロメロ監督によるホラー映画の革命的アイコン「ゾンビ」が日本の劇場に上陸した。
それから40年の時を経て、長らく鑑賞不可能と言われていた日本初公開版を可能な限り復元!2019年6月にクラウドファンディングで劇場公開サポーターを募集し、開始わずか2週間で目標金額を達成。最終的には1000万円超えとなり、全国の『ゾンビ』ファンの熱狂が今も沸騰中であることを証明した。
まず、上記の予告編を観て欲しい。
観ていただけただろうか?
映像としては古臭いですが、現代のゾンビを定義した代表作として意識して観るとワクワクする。
顔を青く塗っただけか?と観る前は心配だったが、本編はそれだけではなかった。
VFXなどCGが登場する前の時代だが、特殊メイクなどは現在でも通用するできでした。
上記に3つゾンビの定義を提示したが、もう1つゾンビの定義があった。
それは『動きが緩慢である』ということだ。
この緩慢さが、忍び寄るゾンビと、死の恐怖を際立たせている。
映画『ゾンビ』リビングデッドシリーズあらすじ
引用元 : 日本公開40周年!『ゾンビ ─日本初公開復元版─』公式サイト
惑星から降り注いだ光線によって地球上の死者が“ゾンビ”として復活。
その群れは生者に襲いかかり、噛みつかれた者もまたゾンビへと変貌する。
生ける屍たちは瞬く間に世界を覆いつくした。テレビ局員のフラン(ゲイラン・ロス)と彼女の恋人でヘリコプター・パイロットのスティーヴン(デヴィッド・エムゲ)、そしてSWAT隊員のロジャー(スコット・H・ライニガー)とピーター(ケン・フォーリー)はヘリで脱出し、郊外の巨大ショッピングモールにたどり着く。
彼らはモール内のゾンビを排除し、何不自由の無い楽園を手に入れた。
だが彼らの前に物資を狙う暴走族の一団が現れ、扉をこじ開け乱入してきた。
ゾンビ、暴走族、フランたちの三つ巴の殺戮戦がはじまり、血しぶきが壁を染め、肉塊が床を埋めつくす。
夜明けとともに生き残るのは果たして……。
リビングデッドシリーズ一覧
リビングデッドシリーズは何作公開されており、リメイクも行われている。
原点となる作品は次の3つであり、第2作目の『ゾンビ』が『日本初公開復元版』としていま劇場公開されているというわけです。
この他にもリメイク版などもあるようですが、ジョージ・A・ロメロ監督は関わっていないようです。
公開順 | タイトル | 公開年 | 監督 |
---|---|---|---|
第1作目 | 『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』 (原題: Night of the Living Dead ) |
1968年 | ジョージ・A・ロメロ |
第2作目 | 『ゾンビ』 (原題: Dawn of the Dead, 国際題: Zombie) |
1978年 | ジョージ・A・ロメロ |
第3作目 | 『死霊のえじき』 (原題: Day of the Dead) |
1985年 | ジョージ・A・ロメロ |
映画『ゾンビ 』日本初公開復元版のまとめ
アメリカで公開された1978年の作品。
今から見る古臭い映像であることは否めないが、気にはならないレベルでした。
1978年のアメリカの映画につき、21世紀の現代に観賞すると問題となる人種差別や男尊女卑が描写されているシーンも若干があるが、それは映画の本質ではなので気にしなくてもいいだろう。
肝心の映画の本質の話をしよう。
40年愛され続けるゾンビの定義
関心したのは『ゾンビの定義』がしっかりしているという点がまずあげられる。
- 死者が蘇って生者の肉を喰らう
- 噛まれた者もまた、ゾンビになる
- 脳を破壊されるまで動き続ける
- 動きが緩慢(さっき追加した)
これらの定義がしっかりしていたことで、ブレの無い映画で観ていてグッっと引き込まれました。
演出の段階でもし、この定義が曖昧だったりすると映画の面白さも半減していたことでしょう。
この定義が活きているからこそ、40年経った今でもゾンビ映画作られ続けられて多くの人を惹きつけているのだと思います。
死体への尊厳
また、死体への尊厳、倫理観という問題点をゾンビ映画で観たのは初めてでした。
特に『死体を破壊するべきか、破壊しないべきか』で揺れ動く人間たちのシーンが冒頭に何回か出てくるが、確かにそこを考えなくしてゾンビと戦えないと思いました。
安っぽいゾンビ映画だと『やらないと殺される』と、次のシーンではあっさり殺したりするが、人間が人間を殺し直すわけだから葛藤が無い方がおかしい。
クオリティーは決して低くない
映画のクオリティーは非常に高い。
現代でも十分通用する見せ方、脚本と演出でした。
例えば、1974年にスティーブン・スピルバーグが監督した『ジョーズ』はサメ映画の金字塔であり、今だこのサメ映画を超える作品はないと私は思っています。
今回初めて『ゾンビ』を観て思ったのは、この作品を観ずにゾンビ映画を楽しんでいたことが多くのことを損していたと感じたことです。
この『ゾンビ』多くのゾンビ映画の手本となる作品であるだろうし、超えられない何かがあるような奥深さを感じました。
これは観ていない人にはネタバレになるか分からないが、『子どものゾンビ』が襲いかかってきたらあなたはゾンビの脳みそを破壊することをためらわずにおこえますか?
そう言えば『ウォーキング・デッド』の第1話に子どものゾンビが出てきましたね。
恐らく『ゾンビ』を意識しているんでしょうね。
年の瀬に過去の作品とは言え、この『ゾンビ』という名のゾンビ映画に出会えたことに感謝します。
以上、「映画『ゾンビ 』日本初公開復元版『劇場限定公開中!!』リビングデッドシリーズ」でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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