映画「X-MEN: ファイナル ディシジョン(2006)」初期シリーズ完結編

X-MEN:ファイナル ディシジョン MARVEL
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こんにちは映画ファン宮川(@miyakawa2449)です。

今日は「X-MEN(2000)」、「X-MEN2(2003)」の完結編、「X-MEN: ファイナル ディシジョン(原題: X-Men: The Last Stand)(2006)」のレビューを書きたいと思います。

1作目、2作目の監督を務めたブライアン・シンガーさんが、他の作品を監督するため降板しており、代わりにブレット・ラトナーさんが本作の監督を務めています。

監督が変わると同じ映画でも描写の仕方が変わりますね。

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映画「X-MEN: ファイナル ディシジョン」予告編

監督 Brett Ratner(ブレット・ラトナー)
脚本 Zak Penn(ザック・ペン)
Simon Kinberg(サイモン・キンバーグ)
製作 אבי ארד(アヴィ・アラッド)
Lauren Shuler Donner(ローレン・シュラー・ドナー)
Ralph Winter(ラルフ・ウィンター)
出演 Sir Patrick Stewart(パトリック・スチュワート)
Hugh Michael Jackman(ヒュー・ジャックマン)
Sir Ian McKellen(イアン・マッケラン)
音楽 John Powell(ジョン・パウエル)
制作会社 Twentieth Century Fox Film Corporation
Marvel Entertainment, LLC
配給 Twentieth Century Fox Film Corporation
公開 米国 2006年5月/日本 2006年9月
上映時間 105分
製作国 アメリカ合衆国

映画「X-MEN: ファイナル ディシジョン」あらすじ

前作でスタンリー大佐によるミュータント抹消計画および、マグニートーによる人類抹消事件を寸前で食い止めたX-MENたち。

ミュータント省にミュータントであるマッコイ長官が就任するなど、一見体制側からのミュータントへの歩み寄りがみられていた。

ブラザーフッドの生き残りミスティークは捕まっていたが、マグニートーはアメリカ政府に追われて逃亡生活をしている。

「恵まれし子らの学園」の生徒たちも一部は戦闘訓練をしているが、差し迫った危機はなくなり、そんな一見平穏な生活を謳歌していた。

しかし、そんなる日、ミュータントたちの尊厳に関わる重大な発表がアメリカ政府から行われた。

「ミュータント能力を無効化する“キュア”」と呼ばれる薬品の発表である。

「キュア」の発表に危機感を感じたマグニートーはミュータントたちの不安を煽り、大勢の仲間を作り、「キュア」と「キュアの根本」を破壊するための作戦行動にでる。

そのとき X-MEN は「ジーン」復活と、「ジーン」の逃亡に翻弄されていた。

X-MEN は今回も1枚岩とはなれないのか!?

映画「X-MEN: ファイナル ディシジョン」の感想

面白かったか?と聞かれれば、面白いのだけれど、完結編のわりに余韻を残しているので続きがすごく気になる。

「キュア」は望んだミュータントが摂取する薬という形で発表されたにも関わらず、武器化されていたことでミュータントたちの反感を買ってしまった。
そのミュータントの心情をうまく利用して先導したマグニートーの作戦は見事だった。
マグニートーの作戦は「キュア」の破壊と、「キュアのもととなるミュータント」の抹殺だった。

対する X-MEN たちの戦う理由はなんだったのだろうか?
彼らは今回、体制側のミュータントとして描写されがちではあった。
X-MENたちの作戦は政府の発表を尊重しつつ、「キュア」の元となったミュータントを救出することと、マグニートー側についた、ジーンを取り戻すことだった。

個人的な意見で恐縮だけれど、客観的にみた場合におそらく、マグニートーたちの方に正義があるように感じるのは僕だけだろうか。
皮肉なものだが、革命を起こすには時には血も必要なのかもしれない。

今回の映画で未知数だったのが「ジーン」の存在だった。

ジーンを「怪物」にした男はプロフェッサーだった。
幼い頃のジーンの中に強大なミュータントの力を感じたプロフェッサーは彼女の意思を無視して、自分の能力でジーンの中の強大な力を封じ込め続けていたのだ。
ジーンにとって「恵まれし子らの学園」は救いの場であったのと同時に、心の牢獄だったのかもしれない。
ジーンのその力をプロフェッサーが封じ込め続けた結果、ジーンは二重人格となってしまい普段のジーンと、心の牢獄に閉じ込められた「フェニックス」という人格が存在することになった。

その事実をローガンは後々知ることになる。

今回、その抑圧され続けたジーンの力、フェニックスが暴走して新たな悲劇が生まれるのだ。

ローガンに非難を受けたプロフェッサーは「フェニックスの恐ろしさを知らないからだ」とローガンに言い訳するが、そのセリフが虚しく響いた。

「人を育てる」場合、抑圧した指導をすれば人間は反発してきます。

ジーンはプロフェッサーによって、「フェニックス」という本能の赴くまま生き、欲望や喜び、怒りに従う人格を作られてしまった。
そして、最後はジーンとローガンは戦い合う運命になってしまい、とても悲しい終わり方でした。

続きのエピソードがあるなら、早く次の作品をみたいです。

公開年の順番でいえば、次の作品は「ウルヴァリン: X-MEN ZERO(2009)」なのでそれをみてみようと思います。

映画「X-MEN: ファイナル ディシジョン」をキャストで振り返る

Logan ローガン(Wolverine ウルヴァリン)

映画「X-MEN:ファイナルディシジョン」より ヒュー・ジャックマン演じる、ローガン

映画「X-MEN:ファイナルディシジョン」より
ヒュー・ジャックマン演じる、ローガン
© 2006 – 20th Century Fox – All Rights Reserved.

X-MENメンバーの1人。

骨格に全てアダマンチウムと呼ばれる特殊な金属を組み込まれた男。
ミュータント能力(超能力)は、怪力、鋭敏な聴覚、超高速な治癒能力(頭を銃で射たれても生きている)、アダマンチウムの爪を伸ばし攻撃できる殺傷能力を持つ。

前作で死んだと思われていたジーンが復活し、調査に行ったローガンとストームは、アルカリ湖で彼女を発見する。残されたスコットのサングラスとともに。
ジーンを「恵まれし子らの学園」に連れ帰るが、彼女の中に眠る凶悪なもう1つの人格「フェニックス」が姿を表す。

しかも、ジーンは自分の意思で「恵まれし子らの学園」を去り、マグニートーの元へ行ってしまう。
ローガンは単身マグニートーからジーンを連れ戻しに赴くが、彼女は帰ることを承諾せず、マグニートーに追い返されて結局失敗する。

X-MENとブラザーフッドとの最終決戦の際、ローガンとジーンは対峙することになる。
ローガンはジーンを救うことができるのか。

X-MENとは

X-MENとはプロフェッサーがリーダーを務める、ミュータント(超能力者)が集まったチーム。
ミュータントが関わる事件や事故の解決に務めている。

  • Hugh Michael Jackman(ヒュー・ジャックマン)
  • 生年月日 1968年10月12日
  • 出生地 シドニー
  • 国籍 オーストラリア
  • 主な出演作品
    • グレイテスト・ショーマン(2017)/P・T・バーナム役
    • LOGAN(2017)/ローガン役
    • レ・ミゼラブル(2012)/ジャン・バルジャン役

Charles Xavier チャールズ・エグゼビア(Professor プロフェッサー)

映画「X-MEN:ファイナルディシジョン」より 車椅子の男: パトリック・スチュワートが演じる、プロフェッサー

映画「X-MEN:ファイナルディシジョン」より
車椅子の男: パトリック・スチュワートが演じる、プロフェッサー
© 2006 – 20th Century Fox – All Rights Reserved.

「恵まれし子らの学園」の学院長であり、X-MENのリーダー。
「ミュータントたちの明るい未来ある社会」を目指して話し合いによる解決を考えている。

プロフェッサーの能力は、他人の心をコントロールするマインドコントロールや読心術が使えること。

ジーンの強力な能力を恐れて、長きに渡り彼女には無断で彼女の能力を彼の能力で封じていた。
その抑圧が結果的にジーンの暴走、フェニックスという凶暴な人格を生み出してしまった。

他人の生き方や考え方に干渉し、人格や性格を矯正しようとすることは決して認められないというエピソードである。

「恵まれし子らの学園」とは

「恵まれし子らの学園」とはミュータントの能力の発症により、世間から迫害されている子どもたちを集めて育てている学園。能力の正しい使い方を指導している。

  • Sir Patrick Stewart(パトリック・スチュワート)
  • 生年月日 1940年7月13日
  • 国籍 イギリス
  • 主な出演作品
    • スタートレックシリーズ
    • LOGAN(2017)/プロフェッサーX

Eric Lensherr エリック・レーンシャー(Magneto マグニートー)

映画「X-MEN:ファイナルディシジョン」より イアン・マッケラン演じる、マグニートー

映画「X-MEN:ファイナルディシジョン」より
イアン・マッケラン演じる、マグニートー
© 2006 – 20th Century Fox – All Rights Reserved.

プロフェッサーのかつての盟友であり、現在は敵対しているがライバルでもある。

マグニートーの能力は磁場をコントロールし、金属製の物質を自由に操れること。

プロフェッサーが率いるX-MENに対して、マグニートーは自分のチームを「ブラザーフッド」と名乗っている。

「ミュータントたちの明るい未来ある社会」を目指して体制側と力で戦っている。
目的のためには手段を選ばず、ときには血を流すことも厭(いと)わない過激派。
手段は異なるがプロフェッサーたちと目指している未来は同じである。

ジーン(フェニックス)の強大な力を手に入れて政府に戦い挑む。

  • Sir Ian McKellen(イアン・マッケラン)
  • 生年月日 1939年5月25日
  • 出生地 イングランド ランカシャー・バーンリー
  • 国籍  イギリス
  • 主な出演映画作品
    • Beauty and the Beast(美女と野獣)(2017)/コグスワース
    • The Hobbit(ホビット)(2012・2013・2014)/ガンダルフ役
    • The Lord of the Rings(ロード・オブ・ザ・リング)(2001・2002・2003)/ガンダルフ役

イアン・マッケラン、キリストのタブーに触れた話題作「ダ・ヴィンチ・コード」でも魅力的な役として出演しています。

Jean Grey (ドクター・ジーン・グレイ)

映画「X-MEN:ファイナルディシジョン」より ファムケ・ヤンセン演じる、ドクター・ジーン・グレイ

映画「X-MEN:ファイナルディシジョン」より
ファムケ・ヤンセン演じる、ドクター・ジーン・グレイ
© 2006 – 20th Century Fox – All Rights Reserved.

前作、アルカリ湖付近でダムの決壊に巻き込まれて死んだと思われていた。
スコットがアルカリ湖で傷心に浸っていたときジーンは復活したが、ジーンは誤ってスコットを殺してしまった。

ジーンの能力は物に触れずに動かすサイコキネシスや、テレパシーである。

このときのジーンは正常ではなく、フェニックスと呼ばれるもう1つの人格が覚醒していたと思われる。

フェニックスは、プロフェッサーの能力により抑圧されていたジーンが生み出してしまった凶悪な人格。ある意味ジーンはプロフェッサーの被害者である。

フェニックスは自分の欲望のまま強大な力を振るう。自分に攻撃するものはもちろん、矯正しようとする考えをみせた人間にも敵意をむき出しにする。

最後にローガンと戦っていたのはジーンの人格だった。
ジーンはこのときフェニックスの存在と、スコットを自身で殺めてしまったことを悔いており、これ以上愛する人を殺したくないという気持ちから、ローガンに「私を殺して」と懇願した。

  • Famke Janssen(ファムケ・ヤンセン)
  • 生年月日 1964年11月5日
  • 出生地 アムステルフェーン
  • 国籍  オランダ
  • 主な出演映画作品
    • Taken(96時間)(2008〜)/レノーア役
    • Deep Rising(ザ・グリード)(1998)/トリリアン・セント・ジェームズ役
    • GoldenEye(007 ゴールデンアイ)(1995)/ゼニア・オナトップ役

映画「X-MEN :ファイナル ディシジョン」のそのほかのポイント

ジーンを中心としたX-MENとブラザーフッドの戦いがメインの映画ですが、ミュータントたちの心の苦悩や争いも見どころの1つでした。

ミュータント省長官とキュア

映画「X-MEN:ファイナルディシジョン」より ケルシー・グラマーが演じる、ミュータント省長官のヘンリー“ハンク”・マッコイ(ビースト)

映画「X-MEN:ファイナルディシジョン」より
ケルシー・グラマーが演じる、ミュータント省長官のヘンリー“ハンク”・マッコイ(ビースト)
© 2006 – 20th Century Fox – All Rights Reserved.

政府の閣僚にミュータント省長官として、ミュータントのマッコイが就任。
政府はミュータント能力を無力化できる薬「キュア」を普及させるために、マッコイを長官として就任させていた。
しかし、マッコイを裏切る形で「キュア」を武器化したことがきっかけで、マッコイはX-MEN側につくことになる。

「恵まれし子らの学園」出身の「アイスマン(ボビー) VS パイロ」

映画「X-MEN:ファイナルディシジョン」より<br /> 左:ショーン・アシュモア演じる、ボビー・ドレイク(アイスマン)<br> アーロン・スタンフォード演じる、パイロ<br>

映画「X-MEN:ファイナルディシジョン」より
左:ショーン・アシュモア演じる、ボビー・ドレイク(アイスマン)
アーロン・スタンフォード演じる、パイロ
© 2006 – 20th Century Fox – All Rights Reserved.

アイスマン(ボビー)、パイロの2人は「恵まれし子らの学園」の生徒同士だった。
ボビーは強力な冷気を発する能力を持っており、パイロは炎を自在に操る能力を持つ。
「X-MEN2」でパイロはマグニートー側に寝返っており、今作ではX-MENと敵対する側にいる。

好戦的なパイロに対して、ボビーは普段は穏和な性格。
戦場でパイロに再会したとき、ボビーは意を決してかつての友人と戦う道を選んだ。

能力者故に触れ合えないローグとボビーの苦悩

映画「X-MEN:ファイナルディシジョン」より 左:アンナ・パキン演じる、ローグ 右:ショーン・アシュモア演じる、ボビー・ドレイク

映画「X-MEN:ファイナルディシジョン」より
左:アンナ・パキン演じる、ローグ
右:ショーン・アシュモア演じる、ボビー・ドレイク
© 2006 – 20th Century Fox – All Rights Reserved.

X-MEN2より愛し合っているローグとボビー。

ローグも「恵まれし子らの学園」の生徒であり、能力者である。
ローグの能力は肌が触れた相手の生命力を奪うと同時に、相手の能力をコピーしてしまうこと。
戦闘能力として非常に強力な力を持つローグ。
しかし、ローグは以前に自分の能力で、付き合っていた男の子を誤って意識不明に陥らせた過去がある。

それゆえにボビーとの交際に慎重になっており、ローグは自分の能力を「キュア」で消し去ることを考える。

最後に

感想にも書いたように、含みのある終わり方をされており、完結編でありながらも続きが気になる終わり方でした。

プロフェッサーだけでなく、ともすればジーンも今後出てくるのかもしれません。
こればかりは次回作以降もみていなくては納得できません(笑)

私は先月12日にお亡くなりになった、Stan Lee(スタン・リー)さんの訃報のニュースを聞いてから、MARVELコミックの映画を見始めたため、全てが初見です。

現在、公開されている X-MENの関連シリーズは以下の通りです。

  1. 「X-MEN」(2000年)
  2. 「X-MEN2」(2003年)
  3. 「X-MEN: ファイナル ディシジョン」(2006年)
  4. 「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」(2009年)
  5. 「X-MEN: ファースト・ジェネレーション」(2011年)
  6. 「ウルヴァリン: SAMURAI」(2013年)
  7. 「X-MEN: フューチャー&パスト」 (2014年)
  8. 「デッドプール」(2016年)
  9. 「X-MEN: アポカリプス」 (2016年)
  10. 「LOGAN/ローガン」 (2017年)
  11. 「デッドプール2」 (2018年)

来年以降も関連作品の発表が予定されており、「X-MEN: ダーク・フェニックス」の予告がすでに映画館の劇場で流れていました。来年公開だそうです。

次は「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」(2009年)でも観ようかな?

または、MARVELコミックの別の作品を観るのもありですね。

以上、『映画「X-MEN: ファイナル ディシジョン(2006)」初期シリーズ完結編』でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

宮川(@miyakawa2449)でした。

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