こんにちは映画ファン宮川(@miyakawa2449)です。
今日は映画「ダ・ヴィンチ・コード」の続編となる、映画「天使と悪魔(公開:2009年/原題:Angels & Demons)」を紹介します。
ハーバード大学教授、宗教象徴学者のロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)が宗教の歴史とタブーに迫り、謎のシンボルをヒントに秘密結社の謎に迫り、核エネルギーをも凌ぐ反物質の爆発の危機に迫られているバチカン市国を救う物語です。
ロバート・ラングドン教授の活躍を今回も楽しませていただきました。
映画「天使と悪魔」予告(YouTube)
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映画「天使と悪魔」あらすじ
カトリック教会の最高指導者であるローマ教皇が死去し、次の新しい教皇を選出するためのコンクラーベ開催が迫るバチカン。
時同じくして世界最高峰の技術と技術者が集まるスイスのある研究施設で現在の技術水準をはるかに凌ぐ新しいエネルギー源「反物質」が生まれたが、何者かに盗み出されてしまった。
犯人はバチカンで新しい教皇候補者の4人の枢機卿たちを誘拐し、強力な破壊力「反物質」を使いバチカンを消し去る計画を立てていた(1gの反物質で広島に投下された原爆並みの破壊力)。
ハーバード大学教授、宗教象徴学者のロバート・ラングドン教授は、バチカン警察より依頼を受けて調査を進めるが、かつてカトリック教会より迫害を受けて消滅したとされていた秘密結社イルミナティとの関連性に気がつく。
そして、犯人から「今夜8時から1時間ごとに枢機卿を公開処刑に処す」という脅迫状が届く。
監督 | Ron Howard(ロン・ハワード) |
脚本 | David Koepp(デヴィッド・コープ) Akiva Goldsman(アキヴァ・ゴールズマン) |
原作 | Dan Brown(ダン・ブラウン) 「天使と悪魔」(Angels & Demons) |
製作 | Brian Grazer(ブライアン・グレイザー) |
出演 | Tom Hanks(トム・ハンクス) Ayelet Zurer(アイェレット・ゾラー) Ewan McGregor(ユアン・マクレガー) Stellan Skarsgård(ステラン・スカルスガルド) |
音楽 | Hans Zimmer(ハンス・ジマー) |
製作会社 | Imagine Entertainment |
配給 | Sony Pictures Entertainment Inc. |
公開 | 2009年 |
上映時間 | 138分(劇場公開版) 146分(エクステンデッド版) |
製作国 | アメリカ合衆国 |
映画「天使と悪魔」感想
今回もロバート・ラングドン教授の宗教象徴学者の知識と経験を元にした推理が冴え渡りました。
膨大な量の原作「天使と悪魔」を見事コンパクトにまとめており、脚本づくりは苦労されたろうなと思います。
そのため原作とは異なる描写が多々あるので、原作読まれた方も楽しめる作りになっていました。
ロバート・ラングドン教授はただただ純粋に目の前にある事象を観察し、謎の文章に意味を見つけローマ中を走り回ります。
ときにはすんでのところで間に合わないこともありますが、謎の紋章や、謎の暗殺者が彼らの前に姿を見せます。
人類が作り出した究極の科学力が神の領域に達した時、謎の歯車が動き出し、ロバート・ラングドン教授が事件全容の真理に到達するまでの2時間は飽きさせない作りになっています。
映画を語ろうとすると本質、脚本、伏線に触れなくてはならなくなるため難しい。
バチカン警察から協力要請を受けてバチカンまで連れてこられても、前作「ダ・ヴィンチ・コード」の出来事の印象が悪いためか、なぜか全面的に信用されていないロバート・ラングドン教授。
それでもめげない彼の宗教象徴学者としての情熱は凄まじい物を感じました。
ロバート・ラングドン教授は秘密結社イルミナティが示した脅迫文を解読し、どうにかして新教皇候補の枢機卿4人を救おうとしますが、時間がないこととスイス衛兵隊の協力がなかなか得られず限られた人員の中で奮闘する。
ロバート・ラングドン教授今回は走り回り、命も狙われますが、最後の最後には真理に到達しました。
前作の「ダ・ヴィンチ・コード」といい、カトリック教会のタブーに触れる映画なので娯楽映画として観ないとダメだと思います。
全てが解決したと思われた瞬間の大どんでん返しには驚きました。
これは説明を聞くより、実際に自分で観て楽しんで欲しい作品です。
バチカン市国とカトリック教会
キリスト教徒においては常識の話になりますが、日本人には馴染みがない人が多いので一般的な情報を整理しておきます。
カトリック教会はローマ教皇を頂点とした組織形態をとっており、バチカン市国に本部があります。
上記写真は「サンピエトロ大聖堂 メインドーム バチカン市国」Adobe Stock 素材よりライセンス取得済み
バチカン市国はイタリアはローマの中にある世界最小の国 約 0.44 平方キロメートルにして、首都がない都市国家です。
キリスト教のカトリック教会の本拠地である「ローマ教皇庁」や「サン・ピエトロ大聖堂」「バチカン宮殿」があります。
ローマ教皇はカトリック教会の最高位聖職者であり、国家のトップです。
カトリック教会では教皇の下に司教、神父などが連なるピラミッド型の組織形態をとっています。
今回のロバート・ラングドン教授シリーズ2作目「天使と悪魔」では、カトリック教会のトップであるローマ教皇選出のためのコンクラーベが開催され、有力な候補者(枢機卿)が誘拐され殺人ゲームに巻き込まれます。
秘密結社イルミナティ
(原作より要約)
秘密結社イルミナティは中世ヨーロッパの歴史の中で、宗教が科学を迫害していた時代に生まれたものである。
16世紀ヨーロッパで最高の頭脳、科学的な真実の探求を捧げた人たちが集まった科学のシンクタンクがイルミナティの前身とされている。
当時のヨーロッパでは物理学、天文学はまだ今ほど発達しておらず、天動説が有力な時代であった。
当時のイルミナティの中でもっとも尊敬されていた会員の1人ガリレオ・ガリレイは「地動説」を唱えて、カトリック教会から逮捕され迫害をうけた1人とされている。
ガリレオ・ガリレイが逮捕された際にいくつかの過ちが重なり、身元が割れた会員が4人拷問にあい、生きながらにして焼き印を押されている。胸に十字の紋章を・・・
実際に宗教が科学を迫害していたか、いなかったのかは解釈の仕方により意見が分かれているようです。
映画の脚本は「科学はカトリック教会より迫害されていた」そのために「イルミナティ」がより深く潜り、現代まで生き残った秘密結社になったという説をとっています。
なお、地動説が現代のように不動の地位を確立するのは、ガリレオ・ガレイの逮捕からサー・アイザック・ニュートンが唱える「万有引力発表」までおよそ50年待つことになります。
1616年 | ガリレオ裁判後、バチカンより、コペルニクスの地動説を禁ずる布告が出され、コペルニクスの『天球の回転について』は1616年から1835年まで閲覧禁止の措置が取られる。 |
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1665年 | サー・アイザック・ニュートンは地上の引力が月などに対しても同様に働いている可能性があることに気付く。 ガリレオ・ガリレイも証明できなかった慣性を定式化したサー・アイザック・ニュートン。 慣性を定式化することにより、地球の自転により鳥が飛ばされないこと、地球が止まらずに動き続けることの理由を証明できた。 このことも地動説を裏付ける重要な要素になっていた。 |
映画「天使と悪魔」
ロバート・ラングドン教授(Robert Langdon)
ハーバード大学教授、宗教象徴学者のロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)。
バチカン警察が100年前に消滅した秘密結社イルミナティのシンボルを持って、ロバート・ラングドン教授を訪ねてくる。
ローマ教皇の死の直後にイルミナティ復活の疑いが発生し、新ローマ教皇候補の枢機卿4名が数時間前に誘拐、スイス衛兵隊の元へ脅迫状が届いている。
宗教象徴学者としての知識と、前作の事件「ダ・ヴィンチ・コード」で功績を認められ彼はバチカンに事件解決のために招かれる。
- Tom Hanks(トム・ハンクス)
- 生年月日 1956年7月9日)
- 出生地 アメリカ合衆国カリフォルニア州コンコード
- 主な映画出演作品
- ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(原題:The Post)(2017)/ベン・ブラッドリー 役
- インフェルノ(原題:Inferno)(2016)/ロバート・ラングドン教授 役
- ハドソン川の奇跡(原題:Sully)(2016)/チェスリー・”サリー”・サレンバーガー 役
- ダ・ヴィンチ・コード(原題:The Da Vinci Code)(2006)/ロバート・ラングドン教授 役
パトリック・マッケンナ(Camerlengo Patrick McKenna)
教皇が亡くなられ次の教皇が選出されるまでの間、教皇の権限を与えられるカメルレンゴ(教皇の侍従)であるパトリック・マッケンナ(ユアン・マクレガー)。
バチカン警察、ロバート・ラングドン教授たちが興奮していても常に冷静で落ち着いた雰囲気でいる。その佇まいはまさに聖職者の様である。
爆発の危険が迫っていてもサン・ピエトロ広場に集まるカトリック教たちの安全を、信仰心よりも最優先に考える良識を持つ。
- Ewan McGregor
- 生年月日 1971年3月31日
- 国籍 イギリス
- 主な映画出演作品
- Christopher Robin(プーと大人になった僕・2018)/主演 クリストファー・ロビン 役
- The Ghost Writer(2010)/主演 ゴーストライター
- Star Wars Episode I, II, III(1999, 2002, 2005)/オビ=ワン・ケノービ 役
■ユアン・マクレガーの主演作品
ヴィットリア・ヴェトラ(Vittoria Vetra)
反物質を開発した研究施設の研究員の1人ヴィットリア・ヴェトラ博士(アイェレット・ゾラー)。
「反物質」が盗まれた現場の第一発見者として調査に協力し、ロバート・ラングドン教授たちと行動を共にする。
- Ayelet Zurer(アイェレット・ゾラー)
- 生年月日 1969年6月28日
- 出身地 イスラエル
- イスラエルの女優
リヒター(Commander Richter)
スイス衛兵隊の隊長を務めるリヒター(ステラン・スカルスガルド)。
教皇の身辺警護と執務室の警備はスイス衛兵隊の領域になる。
本事件の調査を取り仕切る中心人物。部下以外には警戒心を決して解かず、秘密裏に行動することもある。
ロバート・ラングドン教授、パトリック・マッケンナに警戒し、1つも心は許さない。
- Stellan Skarsgård(ステラン・スカルスガルド)
- 生年月日 1951年6月13日
- 出生地 スウェーデン
- 主な映画出演作品
- Mamma Mia! Here We Go Again(マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー・2018)/ビル 役
- The Avengers: Age of Ultron(アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン・2015)/エリック・セルヴィグ教授 役
- Pirates of the Caribbean: Dead Man’s Chest(パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト・2006)/ビル・ターナー 役
オリヴェッティ警部(Inspector Olivetti)
バチカン警察のオリヴェッティ刑事(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)。
ロバート・ラングドン教授には好意的で全面的に協力してくれる。
警察はバチカン内部全ての警備に責任を持っているが、教皇および執務室の警備権限は持たされていない。立場的にスイス衛兵隊よりも弱いように見える。
- Pierfrancesco Favino(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)
- 生年月日 1969年8月24日
- 出身地 イタリア・ローマ
- イタリアの俳優
映画「天使と悪魔」振り返り(ネタバレあり)
映画「天使と悪魔」は科学が神の領域に踏み込む作品でした。
スイスの研究機関が作り出した「反物質(神の素粒子)」と呼ばれるもので、莫大なエネルギーを蓄えており、世界のエネルギー問題を一挙に解決できるほどの特質を持っていた。
ローマ教皇(カトリック教会の最高位権力者)が「宗教と科学」の共存として認めた「神の素粒子」ではあったが、黒幕のある人物は「科学」が到達した真理によって「科学が宗教を破壊する(超える)」と考えたため、あろうことかローマ教皇を殺害し、100年前に消滅し現在は実在しない秘密結社イルミナティの仕業に仕立ててしまった。
大まかにまとめるとことのあらすじはこういうことでした。
原作本を読むと分かりやすいですが、科学が証明できない不可思議な現象を宗教という神のフィルターを通じて信仰心に繋げていた。かつて「太陽が地球の周りを回っている」という天動説を頑なに守り続け、地動説を迫害してきたことが原作の中で解説されています(物語はフィクションです)。
正確に語ろうとすれば難しい映画ですが、神の域に到達した科学を否定するために、犯人は「反物質」を奪い「宗教」こそが世界の真理であるということを示そうとした。
そのためには自分が「ローマ教皇」の立場につく必要があったと。
そのために起きたいくつもの悲しい事件。
ローマ教皇の毒殺から始まり、科学者の殺害、幾人かの枢機卿の公開処刑。
一言でいえば、難しい映画でした。
面白いと言えば、面白いですが、宗教と科学の論争などに関する内容をしっかり理解しようとすると難しい。
原作本は非常にボリュームがあるため、なかなか読みきれませんが、時間をかけて読んでみようと思います。
最後に
12月末に映画「天使と悪魔」を観ていたのですが、ブログにまとめるのに時間がかかりました。
12月末から生活習慣が大きく変わり、なかなか記事をかけなかったということもありますが、この作品は紹介するのが難しいですね。
ロバート・ラングドン教授の歴史と宗教に関する膨大な知識が事件解決に役立つわけですが、フィクションとわかっていても、まことしやかに語られているカトリック教会のタブーや、誰もが知っているガリレオ・ガリレイや天動説、地動説といった科学などのテーマが題材なため人の興味を引きやすい作りになっています。
映画「天使と悪魔」は観ている人間を巧みにミスリードさせて、視聴者が黒幕にたどり着けないような作りになっていました。
あの人怪しそうだけど、本当に怪しいのか?
この人、人は良さそうだけど、本当にいい人なのか?
まだ、観ていない人はぜひ、黒幕を当ててみてください。
以上、『映画「天使と悪魔(2009)」ロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)シリーズ第2段』でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
宮川(@miyakawa2449)でした。
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