映画『スケアリーストーリーズ 怖い本』が、2020年2月28日(金)より全国一斉公開されています。
監督はホラー映画『ジェーン・ドゥの解剖』を撮ったノルウェー人監督のアンドレ・ウーヴレダル。
原案・製作は『シェイプ・オブ・ウォーター』などを監督した、ギレルモ・デル・トロ。
ギレルモ・デル・トロはクリーチャーの作成でも有名な監督であり、今回非常に楽しみでした。
たくさんのクリーチャーが出てきたので、それだけでもいい見どころでした。
ガツって襲ってくるクリーチャーもいれば、じわじわ攻めてくるクリーチャーなど満載でした。
宣伝にでてきた次のメッセージ
『全米に恐怖とトラウマをあたえ、学校図書館に置くことを禁止された!ベストセラー“怖い本”』
話半分に映画を観に行っても確かに怖くて楽しめる映画でした。
どんな映画だったかは、この後の『感想・レビュー・まとめ』などでご確認ください。
まずは予告編、あらすじを楽しみください。
ホラー映画『スケアリーストーリーズ 怖い本』予告編
YouTube : Klockworx VOD 公式チャンネルより
『スケアリーストーリーズ 怖い本』予告編 2/28(金)公開
全米No.1!
アカデミー賞®監督 ギレルモ・デル・トロの原点
全米の子供たちにトラウマをあたえ図書館に置くことを禁止されたベストセラー“怖い本”の映画化
まず予告編をご覧ください。
ご覧になりましたか?
テンポよくまとまっていて怖さが伝わってきますよね。
そして、次に思うことはみなさん一緒だと思いますが『この映画、本当に怖いのかよ!』です。
怖さは人それぞれの基準があります。
怖さ慣れしてる人が期待しすぎて観に行くと、期待したほど怖くないと思います。
しかし、『学校の児童書』のホラーをベースにしていると考えれば、めちゃくちゃよくできた怖い映画でした。
ホラー慣れしてる人が評価すれば辛口になるかもしれませんが、ターゲットである中高生が観れば怖さは間違いなく★★★★☆(星4つ)はいけると思います。
ターゲットとしている世代の人たちには十分訴求できる予告編として合格な作り方だと思います。
例えば、日本の怪談にも番町皿屋敷や山姥がありますが、たくさんのお化けが一同に出てくる怪奇ホラーをギレルモ・デル・トロがクリーチャーにした映画を作ってくれたら面白そうではないでしょうか?(話がそれました)
ホラー映画『スケアリーストーリーズ 怖い本』あらすじ
引用元 : 映画「スケアリーストーリーズ 怖い本」公式サイト 2020年2/28公開より
ハロウィンの夜、町外れの幽霊屋敷に忍び込んだステラたちは地下室で一冊の本を見つける。
ページを開くとそこには噂に聞いた怖い話の数々が綴られていた。作家志望のステラはこっそり本を持ち帰るが、翌日から仲間がひとり、またひとりと消えていく。
のどかな町で起きた不可解な失踪事件。彼らの身を案じていたステラたちは、本の余白ページにひとりでに文字が浮き出て、新たな物語が書かれていくのを見てしまう。しかも主人公は消えた仲間たちで、それぞれが“いちばん怖い”ものに襲われる物語がそこにあった。
毎夜新たに綴られる怖い話―。
彼らはどこへ消えたのか?
次の主人公は誰なのか?
“怖い本”からはだれひとり逃げられない─
『作家志望のステラはこっそり本を持ち帰るが、翌日から仲間がひとり、またひとりと消えていく。』
このくだりですが、予告編にも出ていましたね。
まず、トミーが行方不明になり、次のターゲットがオーガスト(オギー)と言っていました。
主役の作家志望のステラ(ゾーイ・コレッティ)がこっそり呪われた本を持ち帰ってしまっために起きた連続怪奇現象です。
次々と順番に6人の子どもたちが襲われて行きます。
考えただけでゾッとしますよね。
ホラー映画『スケアリーストーリーズ 怖い本』基本情報
- キャスト
- ステラ役(ゾーイ・コレッティ)
- ラモン役(マイケル・ガーザ)
- オギー役(ガブリエル・ラッシュ)
- チャック役(オースティン・ザユル)
- トミー役(オースティン・エイブラムズ)
- ルース役(ナタリー・ガンツホーン)
- 監督:アンドレ・ウーヴレダル
- 原作:アルビン・シュワルツ
- 原案・プロデューサー:ギレルモ・デル・トロ
- 脚本:ダン&ケヴィン・ヘイグマン
- 撮影監督:ロマン・オーシン
- 音楽:マルコ・ベルトラミ
- 製作
- ギレルモ・デル・トロ
- ショーン・ダニエル
- ジェイソン・F・ブラウン
- J・マイルズ・デイル
- エリザベス・グレイブ
- 上映時間:108分
- 著作権:(C)2019 CBS FILMS INC. ALL RIGHT RESERVED.
ホラー映画『スケアリーストーリーズ 怖い本』感想・レビュー
今年、見た中で中で最高に楽しくて怖い怪奇ホラーでした。
現在、公開中の『ミッドサマー』や『エスケープ・ルーム』とは違うタイプのホラー作品(モンスターやお化けは出てこない)なので、これら2つが劣っているわけでも、怖くないわけでもありませんでした。
『スケアリーストーリーズ 怖い本』は系統としては『死霊館』シリーズや『IT』のような化け物や幽霊が出てくる怪奇ホラーとして、最高の怖さでした。
とは言っても原作がアメリカの児童ホラー書なので、映画も子どもが活躍する楽しい作りになっていました。
ただし、全年齢対象な時点で最恐の恐怖体験を期待してはいけません。
それでも久しぶりに心から怖い、ワクワク、ドキドキする怪奇ホラーでした。
ホラー映画が苦手な人にはわからないかもしれませんが、怖さが楽しいんです。
個人的にはホラー映画の中で一番好きなのは『怪奇ホラー』なんです。
『ミッドサマー』のカルトホラー(フォークホラー)や『エスケープ・ルーム』の命がけの脱出を繰り広げる心理ホラーも悪くないんですが、怪奇ホラーは全く違う魅力に溢れており楽しいです。
怪奇ホラーの何が楽しいって、『お化け』『クリーチャー』『化け物』などの怪談性、怪奇性からくる神秘性と精神的にじわじわ襲ってくる怖さが大好きなんです。
『スケアリーストーリーズ 怖い本』は私の大好きな『怪奇ホラー』の好奇心を全て満足させてくれました。
『お化け屋敷』は自分で入って体験するから楽しいように、ホラー映画は映画館で観てこそ一番楽しめる作品です。
『スケアリーストーリーズ 怖い本』の特徴
「怖い本」その本はひとりでに物語を書く。名前が刻まれたら“死”を意味します。
この呪われた本を深い眠りから呼び覚ましてしまう、6人のティーンエイジャーたちの物語です。
非常に分かりやすく、シンプルな展開の中、6人分のホラー・ストーリーが自然と描写されていきます。
次は誰が「怖い本」の主人公になるのか、戦々恐々です。
「怖い本」の主人公に選ばれたら、それはつまり“死”を意味します。
6人のティーンエイジャーにはそれぞれ異なるホラー・ストーリーと、モンスターが登場します。
1つとして似たようなモンスターが出てこず、モンスター・ボックスのような映画でした。
次から次と恐ろしい新しいモンスターが登場します。
モンスターの特徴もさることながら、呪われ方もみんな違うのです。
“「怖い本」が呪う”という点では共通であっても、1つ1つの呪いが違うためストーリーの異常性が高まり、恐怖が倍増する。
観ている側に予測するスキを与えない作りは、最高に恐怖を掻き立ててくれますし、満足度も高くなりました。
原作は6人の登場人物がそれぞれ襲われる短編集ですが、この映画は主人公の女の子を1人軸にしてオムニバス形式にならないように制作されています。
原作通りのオムニバス形式にしないで正解だったと思います。
もし、オムニバス形式にすると1話終わるごとに緊張感が途切れて、百物語みたいになってしまいます。
ホラー映画好きとしては、緊張の糸がずっと続くホラー映画って最高だと思います。
例えば、『アナベル』や『死霊館』『インシディアス』のようなホラー映画は緊張がずっと続きます。
こういう緊張と怖さが続くけど、楽しいホラー映画はほんと好きです。
映画『スケアリーストーリーズ 怖い本』キャストで振り返る
ステラ役(ゾーイ・マーガレット・コレッティ)
作家を夢見る少女。
ホラー映画、ホラー小説が大好き。
必ずホラー映画に出てくる好奇心が強すぎる女の子。
- Zoe Margaret Colletti(ゾーイ・マーガレット・コレッティ)
- 生年月日 2001年11月27日
- 主な映画出演作品
- Scary Stories to Tell in the Dark(スケアリーストーリーズ 怖い本・2019) / 主演 ステラ 役
- Annie (ANNIE / アニー・2014) / Tessie(テシー)役
Instagramのアカウントを見つけたので1つリンクを埋め込んでみました。
映画では鈍臭い女の子役でしたが、物凄い美少女でもありました。
レア・セドゥにもどことなく似ており、ホラー映画でもしっかり演技していたので将来が楽しみな女優さんになりました。
ラモン役(マイケル・ガーザ)
旅の途中に町に立ち寄った通りすがりのラモン。
イケメンなポジション。
- Michael Garza(マイケル・ガーザ)
- 生年月日 2000年2月1日
- 主な映画出演作品
- Scary Stories to Tell in the Dark(スケアリーストーリーズ 怖い本・2019) / 主演 ラモン 役
オギー役(ガブリエル・ラッシュ)
見た目と思考は普通だけど、年頃の男の子と同じで異性に興味津々(きょうみしんしん)。
チャックとは仲良しだが、彼のイタズラに手を焼いている。
- Gabriel Rush(ガブリエル・ラッシュ)
- 生まれ 1998年
- 主な映画出演作品
- Scary Stories to Tell in the Dark(スケアリーストーリーズ 怖い本・2019) / 主演 オギー 役
- The Grand Budapest Hotel(グランド・ブダペスト・ホテル・2014) / オットー 役
チャック役(オースティン・ザユル)
ルースの弟。
オギーと違って、女の子よりイタズラが楽しいお年頃。
たちの悪いイタズラが大好き。
- Austin Zajur(オースティン・ザユル)
- 1995年生まれ
- 主な映画出演作品
- Scary Stories to Tell in the Dark(スケアリーストーリーズ 怖い本・2019) / 主演 チャック 役
トミー役(オースティン・エイブラムズ)
ガキ大将タイプでチャックたちをイジメることがストレス発散。
チャックたちも黙ってやられているだけではない。
- Austin Abrams(オースティン・エイブラムズ)
- 生年月日 1996年9月2日
- 主な映画出演作品
- Scary Stories to Tell in the Dark(スケアリーストーリーズ 怖い本・2019) / 主演 トミー 役
ルース役(ナタリー・ガンツホーン)
チャックの姉。
弟想いの優しいお姉さんだが、ニキビに悩むお年頃。
- Natalie Ganzhorn(ナタリー・ガンツホーン)
- 1998年生まれ
- 主な映画出演作品
- Scary Stories to Tell in the Dark(スケアリーストーリーズ 怖い本・2019) / 主演 ルース 役
映画『スケアリーストーリーズ 怖い本』のまとめ
100分前後のホラー映画は恐怖体験を詰め込んで、緊張が途切れないように作ってあるものが多いと私は思っています。
この映画『スケアリーストーリーズ 怖い本』は上映時間は108分です。
120時間を切っているので長尺映画には含まれていません。
なので、観に行く前から『ずっと怖い話が続くかな?』と期待して行きましたが、ほぼ当たりでした。
冒頭だけ状況説明やキャラクター説明の時間がありましたが、それもものの十数分だったと思います。
怖い話に出てくる幽霊屋敷が出てきてからは怖さが途切れることはなくなりました。
児童書がベースで全年齢対象のホラー映画ですから、絶叫系の『超怖い』は期待しない方がいいかもしれませんが、映画の作りとしては最高に楽しいホラー映画(怖いホラー映画)でした。
子どもたちが出てきて襲われるので、『IT それが見えたら終わり』と比較する人もいるかもしれませんが、『IT』とは違ってこの映画には文脈の中にわりと分かりやすくメッセージ性が含まれていました。
そのメッセージ性とは『嘘は人を傷つける』というものです。
詳しくは見てからのお楽しみですが、『フェイクニュース』『メディアの偏重報道』など、嘘も吐き続ければ真実になるし、人を傷つけてしまう、そんな現代への警鐘にも感じ取れる作品でした。
ときどきモヤモヤが残るホラー映画もありますが、映画の終わりはスッキリと終わったのがとてもよかったです。
以上、「怪奇ホラー映画『スケアリーストーリーズ 怖い本』感想・レビュー(古典ホラーの現代版!)」でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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