映画『500ページの夢の束(原題:Please Stand By)』はダコタ・ファニング主演、ベン・リューイン監督の2017年に公開された作品です。
自閉症の少女ウェンディ(ダコタ・ファニング)が映画『スタートレック』の脚本コンテストに参加するために誰にも相談せずロサンゼルスを目指し、幾多の困難を乗り越えながら数百キロを旅するロードムービーです。
主演のダコタ・ファニングは9年前の『アイ・アム・サム(2001年)』で一躍有名となり、当時天才子役の代名詞となりました。
その後、『マイ・ボディーガード(2004)』、『宇宙戦争(2005)』と数々のキャリアを積み重ね続けました。
大人になったダコタ・ファニングが主演を演じた『500ページの夢の束』では、彼女の活躍と演技からは確固たる魅力を感じる作品でした。
映画『500ページの夢の束』予告編&あらすじ
あらすじ
『スター・トレック』が大好きで、その知識では誰にも負けないウェンディの趣味は、自分なりの『スター・トレック』の脚本を書くこと。
自閉症を抱える彼女は、ワケあって唯一の肉親である姉と離れて暮らしている。
ある日、『スター・トレック』脚本コンテストが開催されることを知った彼女は、渾身の作を書き上げるが、もう郵送では締切に間に合わないと気付き、愛犬 ピートと一緒にハリウッドまで数百キロの旅に出ることを決意する。
500ページの脚本と、胸に秘めた“ある願い”を携えて―
映画『500ページの夢の束』基本情報
- 原題 Please Stand By
- 監督 ベン・リューイン
- 脚本 マイケル・ゴラムコ
- 原作
- マイケル・ゴラムコ『Please Stand By』
- 製作
- ララ・アラメディン
- ダニエル・ダビッキ
- トッド・ワグナー
- ベン・コスグローヴ
- 製作総指揮
- マーク・キューバン
- ティム・クレイン
- 出演者
- ダコタ・ファニング
- トニ・コレット
- アリス・イヴ
- 音楽
- ヘイター・ペレイラ
- リンダ・コーエン(音楽監修)
- 上映時間
- 93分
- Copyright © 2016 PSB Film LLC
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映画『500ページの夢の束』感想・レビュー
自閉症の少女を演じたダコタ・ファニング。
彼女が演じたキャラクターのパワーにたくさんの元気をもらえた素晴らしい作品でした。
彼女の演技力はまさに天性のものと思うほど素晴らしかった。
自閉症という個性を持ち、日々の暮らしを規則正しく生活するウェンディ。
曜日ごとに決まった色の服を着て、お仕事にも通い、決まった時間にテレビを見る。
決まった地域内で生活し、地域外には決して出ず、ルール通りの日常を暮らす。
自閉症患者と言っても一括りにはできず、患者ごとに個性もあり、症状も違う。
ダコタ・ファニングが演じた自閉症の少女は、彼女だけの魅力が光るユニークな個性でした。
まだ若い女優さんではありますが、唯一無二の演技力は光るものを感じます。
諦めない力に勇気をもらいました
ダコタ・ファニングが演じた自閉症の少女ウェンディは、370km以上も離れたロサンゼルスまで旅をしました。
彼女の勇気は我々も見習いたいものです。
本来、ルールに沿って生活することがウェンディの処世術(しょせいじゅつ)でした。
ルーティンを守り、ただ日々を繰り返していた彼女はそうすることで自分の心の平穏(安定)を保っていたはずです。
その彼女が自分自身の願望のためにルールを破って旅を決行するわけですが、観ていてとてもワクワクしました。
自閉症の彼女がバスのチケットを購入したり、他人に騙されたり、事故に合いながらの道中は決して平坦ではありませんでした。
まさにロードムービー。
ルールが全ての世界だった彼女にとって、ロサンゼルスへの数百キロの旅はルールがそもそも存在せず、一大決心だったはずです。
しかしながら、『脚本を届けたい』という自分の決意が新しいルールとなり彼女を突き動かしていました。
我々健常者(差別的で使いたい言葉ではないが)でも問題が発生したとき、諦めることが多い。
その問題が困難であれば困難であるほどです。
それでもウェンディは一切あきらめず、最後まで目的を達した姿は眩しかったです。
映画『500ページの夢の束』のウェンディ(ダコタ・ファニング)
訳あって家族と離れて施設に暮らす少女ウェンディを見事に演じたダコタ・ファニングでした。
私の主観で恐縮ですが、比較する対象ではないかもしれないが、癖のあるキャラクターを演じるといえばホアキン・フェニックスに通じるものがあるかもしれませんね。
まだ20代で若い女優さんですが、演技力が非常に高いので将来が楽しみです。
妹のエル・ファニングも女優をしているので、姉妹で映画界を沸かせてくれると期待しています。
- Dakota Fanning(ダコタ・ファニング)
- 生年月日 1994年2月23日
- 出生地 アメリカ合衆国ジョージア州コンヤーズ
- 主な映画出演作品
- Once Upon a Time in Hollywood(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド・2019) / リネット・フラム 役
- Please Stand By(500ページの夢の束・2017) / 主演 ウェンディ 役
- War of the Worlds(宇宙戦争・2005) / レイチェル・フェリエ 役
- I Am Sam(アイ・アム・サム・2001) / ルーシー・ダイヤモンド・ドーソン 役
主演ダコタ・ファニングに迫る
映画『500ページの夢の束』で見事に自閉症少女を演じたダコタ・ファニングですが、彼女の映画のキャリアは2001年まで遡ります。
数々の映画で個性的なキャラクターを演じているダコタ・ファニングを少し観ていきたいと思います。
映画『アイ・アム・サム』
ダコタ・ファニングが一番最初に最も脚光を浴び天才子役といわしめた作品です。
知的障害のある父親がやり手女弁護士の手を借りて、娘ルーシー(ダコタ・ファニング)の養育権を自分の手に取り戻そうと奮闘する感動作品です。
ショーン・ペン(写真右)とミシェル・ファイファーの大物俳優の演技も見物です。
映画『宇宙戦争』
映画『宇宙戦争』は『アイ・アム・サム』より4年後に発表されたSF作品です。
ここでダコタ・ファニングはトム・クルーズの娘役としても、ストーリーを進めてく上でも、重要な役割を果たして行きます。
映画のストーリーや感想については次のリンク記事にて紹介しています。
是非、ご覧ください。
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
昨年、日本でも公開となり話題となった『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。
アカデミー賞でも10部門にノミネートされ、助演男優賞(ブラッド・ピット)と美術賞に輝いた作品です。
その昔、ハリウッドで実際に起きた凶悪な殺人事件を掘り起こし、名匠クエンティン・タランティーノ監督が独自解釈で『こうであって欲しかった』という被害者シャロン・テートへ向けたラブレター(御伽噺)。
ダコタ・ファニングはメインどころの役割ではないが、とても印象強い役で登場しています。
『500ページの夢の束』で自閉症の少女を演じた同じ女優とは思えない演技に注目して観て欲しいです。
映画『500ページの夢の束』まとめ
目的を見失ったとき、モヤモヤしたときに観て欲しい
この映画『500ページの夢の束』は目的を見失ったとき、モヤモヤしたときに観ると勇気が湧いてくるはずです。
『できるわけがない』『無理だろう』『できない理由がこうだから』とネガティブな思考は日常の中でもたくさん出てきます。
しかし、ポジティブな目線で見つめ直せば実は解決できる糸口があるはずです。
この映画はそれを教えてくれています。
主人公のウェンディは『諦める』という思考がなかった。
『達成する』という思考が中心でした。
我々もウェンディと同じ境遇に立たされたときに『ネガティブ思考』で考えるか、『ポジティブ思考』で考えるかで出す結論が変わることは経験済だと思います。
同じ生きるなら、自分のやりたいことを目標に楽しく生きていきたい。
諦めない強いハートを持ちたいと思いましたし、そう思わせてくれる映画でした。
仕事のことや勉強、恋愛、私生活、なんでも言えることですが、少々の障害が立ち塞がっても、どんなに絶望的な状態にあっても『成功する自分を信じる』ことが人を幸せにするのだと思いました。
以上、「映画『500ページの夢の束』感想・レビュー(ダコタ・ファニング主演:成功を信じる心)」でした。
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