映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」感想・レビュー(フィクションと実話殺人事件が絡み合う、歴史を変えたおとぎ話に)

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」 映画
スポンサーリンク

クエンティン・タランティーノ監督の9作目の作品「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(Once Upon a Time in Hollywood)」が2019年8月30日、日本で劇場公開されました。

わざわざ9作目と紹介したのには理由があり、クエンティン・タランティーノ監督は以前から、映画作りは10本でやめると宣言していました。

クエンティン・タランティーノ監督といえばバイオレンス映画のイメージが強いですが、9作目の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」はバイオレンス部分は控えめでした。

バイオレンスももちろんありますが、メインではありません。

かつては売れっ子テレビ俳優だった落ち目のリック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と、リックのスタントマン(付き合いの長いスタトマン兼付き人であり、親友の間柄でもある)のクリフ・ブース(ブラッド・ピット)の2人の物語が主軸の映画です。
リックは映画界に進出して返り咲こうとあがき、クリフは自分が蒔いた種で仕事が見つからずもやもやします。

しかし、この映画は2人の男の物語だけではありません。
女優シャロン・テート(マーゴット・ロビー)の実在した事件のことを知っていないとこの映画の奥深さは理解できないでしょう。

このブログでも後ほど簡単に触れますが、シャロン・テートのことを知っているか、知らないかで映画の見方が大きく変わってきます。

それでは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を紹介します。

スポンサーリンク

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」予告編動画

公式:SonyPicturesJapanの YouTube チャンネルより

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』8月30日(金)公開!
クエンティン・タランティーノ第9回監督作品
レオナルド・ディカプリオ × ブラッド・ピット初共演

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」あらすじ

引用元: 映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ

映画史を変えるのはーこの二人

リック・ダルトン (レオナルド・ディカプリオ)はピークを過ぎた TV 俳 優。
映画スターへの道がなかなか拓けず焦る日々が続いていた。

そんな リックを支えるクリフ・ブース(ブラッド・ピット)は彼に雇われた付き人でスタントマン、そして親友でもある。
目まぐるしく変化するエンタ テインメント業界で生き抜くことに精神をすり減らし情緒不安定なリッ クとは対照的に、いつも自分らしさを失わないクリフ。

この二人の関係は、ビジネスでもプライベートでもまさにパーフェクト。
しかし、時代は徐々に彼らを必要とはしなくなっていた。

そんなある日、リックの隣に 時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と新進の女優シャロン・デート(マーゴット・ロビー)夫妻が越してくる。

落ちぶれつつある二人とは対照的な輝きを放つ二人。

この明暗こそハリウッド。

リックは再び俳優としての光明を求め、イタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演する決意をするが――。

そして、1969年8月9日―それぞれの人生を巻き込み映画史を塗り替える【事件】は起こる。

監督 クエンティン・タランティーノ
脚本 クエンティン・タランティーノ
製作 クエンティン・タランティーノ
クエンティン・タランティーノ
デヴィッド・ハイマン
シャノン・マッキントッシュ
製作総指揮 ジョージア・カカンデス
ユ・ドン
ジェフリー・チャン
出演 レオナルド・ディカプリオ
ブラッド・ピット
マーゴット・ロビー
製作会社 Heyday Films
Sony Pictures Entertainment Inc.
配給 Columbia Pictures Industries, Inc.
Sony Pictures Entertainment  lnc.
公開 アメリカ合衆国 イギリス 2019年7月26日
日本 2019年8月30日
上映時間 161分
著作権 © 2019 CTMG. All Rights Reserved.

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」感想・レビュー

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」より 2人でリックが出演しているテレビドラマをリックの家で観ている 左:ブラッド・ピットが演じる、クリフ 右:レオナルド・ディカプリオが演じる、リック

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」より
2人でリックが出演しているテレビドラマをリックの家で観ている
左:ブラッド・ピットが演じる、クリフ
右:レオナルド・ディカプリオが演じる、リック
© 2019 CTMG. All Rights Reserved.

レオナルド・ディカプリオが演じる落ち目のテレビ俳優リック・ダルトンと、ブラッド・ピットが演じるリックの親友でありスタントマンであるクリフ・ブース。

この2人がかっこいい。

特にブラッド・ピットが危険な香り満載でいい男全開です。

レオナルド・ディカプリオは落ち目でちょっとダサい男を演じていますが、やるときはきっちり決めることができるのでやっぱりかっこいい。

2人の男の友情と信頼の物語、そして、それぞれのポジションや仕事での葛藤が描かれます。

雇い主のリックと雇われスタントマンのクリフですが、2人の男の奇妙な友情や信頼関係も素敵ですよ。

とにかく初共演の2人の作品ですから最高です。

しかし、この映画はこの男たちの物語だけが主軸ではありません。

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」より マーゴット・ロビーが演じる、女優シャロン・テート

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」より
マーゴット・ロビーが演じる、女優シャロン・テート
© 2019 CTMG. All Rights Reserved.

肝心なのは1969年8月9日起きた実際の事件である、ハリウッド史に残る「シャロン・テート殺人事件」で亡くなった、女優シャロン・テートの物語でもあるということ。

史実上ではシャロン・テートが襲われたその前日から翌日への物語がこの映画の最大の見せ場である。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」というタイトルの「Once Upon a Time」には「昔むかし」という意味があり、おとぎ話の冒頭の決まり文句である。

この物語はハリウッドのおとぎ話なのだ。

クエンティン・タランティーノ監督の「こうあって欲しかった」という願いが込められたこの作品。
事件を知らなくても楽しめますが、シャロン・テートという女優さんについて調べておくと物語の理解がより深まります。

初共演を果たしたレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの映像はどこのカットを取り出してもかっこいい。
特にラストシーンに向けてのエピソードは最大の見せ場になる。

面白く楽しめました。

クエンティン・タランティーノ監督について

クエンティン・タランティーノ監督代表作

クエンティン・タランティーノ監督は日本でも有名な監督だと思います。

映画に詳しくない人も名前ぐらいは聞いたことはないでしょうか?

代表的な作品として次のものがあります。

公開年 邦題 原題
1992年 レザボア・ドッグス Reservoir Dogs
1994年 パルプ・フィクション Pulp Fiction
1997年 ジャッキー・ブラウン Jackie Brown
2003年 キル・ビル Vol.1 Kill Bill: Vol. 1
2004年 キル・ビル Vol.2 Kill Bill: Vol. 2
2007年 デス・プルーフ in グラインドハウス Death Proof
2009年 イングロリアス・バスターズ Inglorious Bastards
2012年 ジャンゴ 繋がれざる者 Django Unchained
2015年 ヘイトフル・エイト The Hateful Eight
2019年 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド Once Upon a Time in Hollywood

パルプ・フィクションやキル・ビルは日本でも大変有名な作品だと思います。
(「キル・ビル Vol.1」と「キル・ビル Vol.2」は元々は1つの作品の予定で製作がスタートしましたが、公開時は2つに分けらました)

犯罪(クライム)と暴力(バイオレンス)が特徴のクエンティン・タランティーノ監督ですが、今回は暴力メインではありません。

テレビでは若手にスターの座を取られ落ち目になってきたため、映画俳優になってスターに返り咲こうと奮闘する物語です。
2人の男たちの男の奮闘物語がメインのため暴力シーンは少なめですが、見せ場はバッチリあります。
そこは期待してくだい。
盛り上がります。

1969年のハリウッドにタイムスリップ

CGを使わない撮影でも有名なクエンティン・タランティーノ監督ですが、ハリウッドの町を3ブロック貸し切って、1969年のハリウッドの町並みを、行き交う人々や車、看板に到るまで全てが見事に再現されていました。

1969年のハリウッドにタイムスリップしたような映画です。

本当に2019年の今、公開された映画なのか?と疑いたくなるような映画ですが、これが現実です。

CGで作っても観ている側には分からないかもしれませんが、スクリーンに写っている映像は本物のカメラで撮影された映像であることには違いありません。

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」をキャストで振り返る

リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」より レオナルド・ディカプリオが演じる、リック

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」より
レオナルド・ディカプリオが演じる、リック
© 2019 CTMG. All Rights Reserved.

50年代に人気を博していたテレビ俳優のリック。
そろそろ人気の陰りが見え隠れし始め、焦り始めている。

  • レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)
  • 生年月日 1974年11月11日
  • 出生地 カリフォルニア州ロサンゼルス
  • 主な映画出演作品
    • The Revenant(レヴェナント: 蘇えりし者・2015) / 主演 ヒュー・グラス 役 / アカデミー主演男優賞受賞・英国アカデミー賞 主演男優賞受賞 その他多数
    • The Wolf of Wall Street(ウルフ・オブ・ウォールストリート・2013) / 主演 ジョーダン・ベルフォート 役 / アカデミー主演男優賞ノミネート
    • The Great Gatsby(華麗なるギャツビー・2013)/ 主演 ジェイ・ギャツビー 役

クリフ・ブース(ブラッド・ピット)

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」より ブラッド・ピットが演じる、クリフ

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」より
ブラッド・ピットが演じる、クリフ
© 2019 CTMG. All Rights Reserved.

リックのスタントマンであり、付き人であり、親友であるクリフ。
形上はリックに雇われているが、リックの仕事が減り始めていることと、個人のいざこざで仕事が減り始めて焦っている。
戦争の英雄

  • ブラッド・ピット(Brad Pitt)
  • 生年月日 1963年12月18日
  • 出生地 アメリカ合衆国オクラホマ州シャウニー
  • 主な映画出演作品
    • The Big Short(マネー・ショート 華麗なる大逆転・2015)/ ベン・リカート 役
    • Moneyball(マネーボール・2011)/ 主演 ビリー・ビーン 役 / アカデミー主演男優賞ノミネート・英国アカデミー賞 主演男優賞ノミネート
    • The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford(ジェシー・ジェームズの暗殺・2007)/ 主演 ジェシー・ジェームズ 役 / ヴェネツィア国際映画祭 男優賞受賞

シャロン・テート(マーゴット・ロビー)

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」より マーゴット・ロビーが演じる、女優シャロン・テート

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」より
マーゴット・ロビーが演じる、女優シャロン・テート
© 2019 CTMG. All Rights Reserved.

映画監督のロマン・ポランスキーと結婚して、妊娠8ヶ月、幸せの絶頂である。
パーティーに参加したり、買い物したり、自身が出演している映画を映画館で鑑賞して観客の反応を観たりするのが大好き。

  • マーゴット・ロビー(Margot Robbie)
  • 生年月日 1990年7月2日
  • 出生地 オーストラリアクイーンズランド州ゴールド・コースト
  • 主な映画出演作品
    • Mary Queen of Scots(ふたりの女王 メアリーとエリザベス・2018)/ エリザベス1世 役
    • I, Tonya(アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル・2017)/ トーニャ・ハーディング 役 / アカデミー主演女優賞ノミネート・ゴールデングローブ賞主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門)ノミネート
    • Suicide Squad(スーサイド・スクワッド・2016) / ハーリーン・クインゼル博士 / ハーレイ・クイン 役

まとめと実話「シャロン・テート殺人事件」

シャロン・テートはアメリカの女優。
映画監督のロマン・ポランスキーと1968年に結婚。
しかし、よく年1969年8月9日、狂信的カルト指導者チャールズ・マンソンの信奉者達の一人、スーザン・アトキンスら3人組によって、自宅にて殺害されています。

詳しくはネットで調べていただければわかりますが、不運な偶然がたび重なり、ただの人違いでシャロン・テートとその日同席していた友人たち3人と、通りがかって犯行グループに声をかけた1人が殺されました。
ご主人のロマン・ポランスキーはたまたま不在で難を逃れています。

この事件は実際に起きた事件であり、テート殺害実行犯の主犯スーザン・アトキンスは、2009年9月24日にカリフォルニア州の刑務所で脳腫瘍のため獄中死。
マンソンはその後も服役したが、2017年11月19日に死亡しています。

シャロン・テート殺人事件をもし知っていれば、この映画はシャロン・テートにたむけられた作品でもあるということも理解ができます。

この映画は3人の主人公が存在したのです。

マーゴット・ロビーが演じる、シャロン・テートがどんなに可愛い女優だったのか、こうであって欲しかったというクエンティン・タランティーノの気持ちが垣間見れる作品だと思います。

落ちぶれつつある2人の男たちが映画の最後には思いっきり決めてくれます。

以上、『映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」感想・レビュー(フィクションと実話殺人事件が絡み合う、歴史を変えたおとぎ話に)』でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

コメント

  1. […] Miyakawa Blog映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」感想・… Miyakawa […]

  2. […] 映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」感想・レビュー(フィクションと実話殺人事件が絡み合う、歴史を変えたおとぎ話に) │ Miyakawa Blog より: 2020年1月16日 7:28 P […]

タイトルとURLをコピーしました