映画『閃光のハサウェイ』感想・レビュー(シャアの理想と、アムロの情熱を受け継いだハサウェイ)

映画『閃光のハサウェイ』より SF
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映画『閃光のハサウェイ』は2021年6月11日より全国ロードショーを開始しました。

有名なロボットアニメ「機動戦士ガンダム」の40周年プロジェクトの映画作品にあたります。
一年戦争で活躍したホワイトベース艦長ブライト・ノアとミライ・ヤシマの間に生まれたハサウェイ・ノアが主人公として活躍する作品です。

原作は富野由悠季の小説作品『閃光のハサウェイ(1989 - 1990年角川スニーカー文庫)』の上巻となっています(上・中・下の三巻構成)。

なお、本作はアニメ映画『逆襲のシャア』の続編として作成されています。
『逆襲のシャア』ではティーンエイジャーのハサウェイが登場しています。
『逆襲のシャア』のストーリーでは、本作映画『閃光のハサウェイ』に関連するストーリーも含まれています。

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映画『閃光のハサウェイ』予告編(ロングPV 1分40秒)&ストーリー

引用元:ガンダムチャンネル YouTube 公式チャンネルより

<あざやかな閃光 新たな世界の始まり――>
【 STORY】
第二次ネオ・ジオン戦争(シャアの反乱)から12年。
U.C.0105——。地球連邦政府の腐敗は地球の汚染を加速させ、強制的に民間人を宇宙へと連行する非人道的な政策「人狩り」も行っていた。
そんな連邦政府高官を暗殺するという苛烈な行為で抵抗を開始したのが、反地球連邦政府運動「マフティー」だ。リーダーの名は「マフティー・ナビーユ・エリン」。その正体は、一年戦争も戦った連邦軍大佐ブライト・ノアの息子「ハサウェイ」であった。
アムロ・レイとシャア・アズナブルの理念と理想、意志を宿した戦士として道を切り拓こうとするハサウェイだが、連邦軍大佐ケネス・スレッグと謎の美少女ギギ・アンダルシアとの出会いがその運命を大きく変えていく。

映画『閃光のハサウェイ」の映画冒頭15分53秒の先行公開もYouTubeで無料公開されています。
起承転結がしっかりしており、この映像作品だけでも納得できるクオリティーです。
これを観てしまったら劇場作品を観たくなる作りだったのはさすがだと思います。

映画『閃光のハサウェイ』の基本情報

  • 企画・製作:サンライズ
  • 原作:富野由悠季、矢立 肇
  • 監督:村瀬修功
  • 脚本:むとうやすゆき
  • キャラクターデザイン:pablo uchida、恩田尚之、工原しげき
  • キャラクターデザイン原案:美樹本晴彦
  • メカニカルデザイン:カトキハジメ、山根公利、中谷誠一、玄馬宣彦
  • メカニカルデザイン原案:森木靖泰
  • 色彩設計:すずきたかこ
  • CGディレクター:増尾隆幸、藤江智洋
  • 音楽:澤野弘之
  • キャスト
    • ハサウェイ・ノア(小野賢章)
    • ギギ・アンダルシア(上田麗奈)
    • ケネス・スレッグ(諏訪部順一)
    • レーン・エイム(斉藤壮馬)
    • アムロ・レイ 古谷 徹
    • ガウマン・ノビル(津田健次郎)
    • エメラルダ・ズービン(石川由依)
    • レイモンド・ケイン(落合福嗣)
    • イラム・マサム(武内駿輔)
    • ミヘッシャ・ヘンス(松岡美里)
    • ミツダ・ケンジ(沢城千春)
    • メイス・フラゥワー(種﨑敦美)
    • ハンドリー・ヨクサン(山寺宏一)
  • 配給:松竹ODS事業室
  • 上映時間:110分
  • © 創通・サンライズ

映画『閃光のハサウェイ』を観る前に知っておきたい

ハサウェイ・ノア

ハサウェイ・ノアは映画『閃光のハサウェイ』が初登場というわけではなく、Zガンダムの頃からちょくちょく登場していました。

ハサウェイ・ノアは地球連邦軍大佐ブライト・ノアの1人息子であり、アムロサイドの人間でした。
地球出身のアースノイドです。

映画『閃光のハサウェイ』を観るにあたっては『逆襲のシャア』に出てくる少年ハサウェイ・ノアは外せません。

『逆襲のシャア』のハサウェイ・ノア(当時13歳)は初めての宇宙体験をしており、宇宙船で出会ったクェス・パラヤという少女と運命的な出会いを果たします。

ハサウェイ・ノアはクェスに好意を向け親睦を深めようとします。
しかし、クェスは感が鋭い少女で相手の考えを見透かす能力に長けており、シャア・アズナブルの真意を感じたことでシャアと行動を共にすることになりました。

『逆襲のシャア』の戦闘中、ネオ・ジオンのモビルスーツで戦場に参加したクェスは、地球連邦軍のチェーンが操縦するモビルスーツにより撃墜されます。
クェスを説得しようとしていたハサウェイ・ノアは、目の前でクェスが戦死したため逆上し、地球連邦軍のモビルスーツでチェーンを殺してしまうのです。

因みに映画『閃光のハサウェイ』でのハサウェイ・ノアは25歳です。

シャア・アズナブルとアムロ・レイ

映画『逆襲のシャア』でシャア・アズナブルはネオ・ジオンの総帥としてアースノイドを粛清し、地球を人類から解放し、スペースノイドの自治権の確立を目指します。
対するアムロ・レイはアースノイドの可能性を信じ、アースノイドもスペースノイドも救いたいと足掻くのです。
お互いに目指すところは似ていなくもないが、手段が違いすぎ対立する両陣営。

映画『逆襲のシャア』にていよいよシャア・アズナブルとアムロ・レイの長きにわたる戦いに終止符が打たれました。

映画『閃光のハサウェイ』のキャッチコピーに「シャアの理想とアムロの情熱 2人の意志を継ぐ者」となっているが、ハサウェイ・ノアはまさに2人の意志を継ぐ者であるとういことを感じさせてくれる作品だと思いました。

映画『閃光のハサウェイ』感想・レビュー

主人公が大人という時点で新鮮で、ハサウェイ・ノアが好青年で頭もよく安心して見れる映画でした。

映画『逆襲のシャア』を除けば、ガンダムの主人公といえば、ファースト・ガンダムのアムロ・レイもZガンダムのカミーユ・ビダンも当時は少年なので青臭く、女々しいところがたくさんありました。

大人な主人公のアダルティーなガンダムアニメは新鮮でとても楽しめました。

全編通して明るい雰囲気で映画『逆襲のシャア』やファーストガンダムのような重々しい雰囲気は比較的少なかったと思います。

むしろ、ミッションを1つ1つこなしていくアクション・スパイ映画(ミッション・イン・ポッシブル)のようなノリで楽しめました。

小説『閃光のハサウェイ』の1冊分しかまだ映像化されていないのが残念なくらい、続きが気になる作品でした。

のこり2冊分の映像化も楽しみです。

映画『閃光のハサウェイ』キャスト

ハサウェイ・ノア(小野賢章)

映画『閃光のハサウェイ』より 主人公のハサウェイ・ノア、声優は小野賢章が務めています。

映画『閃光のハサウェイ』より
主人公のハサウェイ・ノア、声優は小野賢章が務めています。
© 創通・サンライズ

権力者をくじき、庶民の味方として広く知られている人気のあるテロリスト、反地球連邦政府運動マフティーのリーダー、マフティー・ナビーユ・エリンその人。

少年時代に『逆襲のシャア』でシャアの反乱をくぐり抜けたハサウェイは、シャアとアムロの影響を強く受けたことはいうまでもない。

暗殺対象である地球連邦政府の閣僚たちが乗り合わせるバウンゼン356便に彼も搭乗するが、マフティーを名乗るハイジャックに遭遇する。

  • 小野賢章
  • 生年月日 1989年10月5日
  • 出身地 福岡県
  • 主なアニメ映画出演作品
    • 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021) / ハサウェイ・ノア 役
    • 映画 プリキュアスーパースターズ!(2018) / クローバー 役
    • 文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(2018) / 芥川龍之介 役
    • 劇場版 黒子のバスケ LAST GAME(2017) / 黒子テツヤ 役
    • 映画 聲の形(2016) / 永束友宏 役

ギギ・アンダルシア(上田麗奈)

映画『閃光のハサウェイ』より 謎の女性ギギ・アンダルシア、声優は上田麗奈が務めています。

映画『閃光のハサウェイ』より
謎の女性ギギ・アンダルシア、声優は上田麗奈が務めています。
© 創通・サンライズ

容姿端麗な少女ギギ・アンダルシアは、ホンコンへ向かうシャトル、バウンゼン356に乗り合わせる男性たちを魅了する。
自分の容姿の美しさと色気を理解しつつ、その色気をうまく使い男性をコントロールしようとする。

人の些細な嘘を見抜く、鋭い感性も持つ。

  • 上田麗奈
  • 生年月日 1994年1月17日
  • 出身地 富山県富山市
  • 主なアニメ映画出演作品
    • 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021) / ギギ・アンダルシア 役
    • 劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal(2021) / セレセレ 役
    • モンスターストライク THE MOVIE ルシファー 絶望の夜明け(2020) / ラミエル 役

ケネス・スレッグ(諏訪部順一)

映画『閃光のハサウェイ』より 地球連邦軍将校ケネス・スレッグ大佐、声優は諏訪部順一が務めています。

映画『閃光のハサウェイ』より
地球連邦軍将校ケネス・スレッグ大佐、声優は諏訪部順一が務めています。
© 創通・サンライズ

地球連邦軍将校、ケネス・スレッグ大佐。
反地球連邦政府運動マフティーの殲滅のために、マフティー殲滅部隊の司令として、太平洋を管区とするダバオ空軍基地に赴任するためにハウンゼン356便に搭乗する。

  • 諏訪部順一
  • 生年月日 1972年3月29日
  • 出身地 東京都
  • 主なアニメ映画出演作品
    • 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021) / ケネス・スレッグ 役
    • PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR(2020) / 入江一途 役
    • Gのレコンギスタ I・II(2019 – 202) / ジュガン・マインストロン、副長 役
    • 劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEシリーズ(2019) / 神宮寺レン 役……その他多数

映画『閃光のハサウェイ』見どころ

作品中の見どころを小説の章タイトルに合わせて整理しています。

ハイジャック(映画冒頭15分は無料先行配信部分)

映画『閃光のハサウェイ』より マフティ・ナビーユ・エリンを騙るテロリスト

映画『閃光のハサウェイ』より
マフティ・ナビーユ・エリンを騙るテロリスト
© 創通・サンライズ

映画冒頭15分は無料先行配信されており、7月15日現在もYouTubeで見ることができます。

反地球連邦政府運動「マフティー」の偽物が登場する。
マフティーのリーダー「マフティー・ナビーユ・エリン」を騙る男も現れる。
しかし、本物の「マフティー・ナビーユ・エリン」はハサウェイ・ノアである。

偽物の「マフティー・ナビーユ・エリン」がすることといえば、人質を盾にとった身代金目的のただのハイジャックだった。
思想も何も持たないテロリストは、ハサウェイ・ノアにとって『マフティー』の名前を汚す存在でしかなかった。

偽物を前に静観するハサウェイ・ノアだったが、謎の美少女ギギ・アンダルシアのテレパシー(ニュータイプ的な)による呼びかけで大胆な行動にでる。

ウィズ・ギギ

映画『閃光のハサウェイ』より 右:マフティ・ナビーユ・エリンの正体について仮説をハサウェイ・ノアに語るギギ・アンダルシア

映画『閃光のハサウェイ』より
右:マフティ・ナビーユ・エリンの正体について仮説をハサウェイ・ノアに語るギギ・アンダルシア
© 創通・サンライズ

マフティーを名乗るテロリストとを無力化したハサウェイ・ノアは乗客からヒーローとして扱われている。

ハサウェイ・ノアを観察していたギギ・アンダルシアはハサウェイ・ノアの正体が本物の「マフティー・ナビーユ・エリン」であると見抜く。
一旦、否定するハサウェイ・ノアだったが、ギギ・アンダルシアの勘の鋭さにただならぬモノを感じたハサウェイはそれを否定し切ることができないでいた。

ハサウェイ・ノアの正体を見抜いたギギ・アンダルシア、そして、ハウンゼンに乗りわせていた地球連邦軍将校ケネス・スレッグ大佐の奇妙な人間関係(三角関係)がスタートする。

ミノフスキー・フライト

映画『閃光のハサウェイ』より マフティーと地球連邦軍の市街地戦に巻き込まれて逃げ惑う、ハサウェイ・ノアとギギ・アンダルシア

映画『閃光のハサウェイ』より
マフティーと地球連邦軍の市街地戦に巻き込まれて逃げ惑う、ハサウェイ・ノアとギギ・アンダルシア
© 創通・サンライズ

地球連邦政府の閣僚暗殺のためのマフティー(こちらは本物)の作戦行動が行われる。
ハサウェイ・ノアはハウンゼン356便でできた奇妙な人間関係のせいでギギ・アンダルシアを1人にし、マフティーと合流することができないでいた。

ハサウェイ・ノアは決めかねている。
ギギ・アンダルシを敵に回せば厄介だが、そうといって仲間にすることもできない。

ハサウェイ・ノアは危険な匂いのするギギ・アンダルシアの扱いに困りながら、迫り狂う戦火の中で彼女を守りながら逃げ回ることとなる。

市街地戦の中、モビルスーツの足元を逃げ惑う人々とハサウェイたちの姿が生々しく戦争の恐ろしさを伝えてくる。

テイクオフとショーダウン

映画『閃光のハサウェイ』より 左:クスイガンダム(マフティー:ハサウェイ・ノア) 右:ペーネロペー(地球連邦軍:レーン・エイム)

映画『閃光のハサウェイ』より
左:クスイガンダム(マフティー:ハサウェイ・ノア)
右:ペーネロペー(地球連邦軍:レーン・エイム)
© 創通・サンライズ

マフティーがΞクスィーガンダムを空中受領するシーンは、地球連邦軍からの横槍が入り非常にスリリングなシーンに仕上がっている。

Ξクスィーガンダムの回収と同時に地球連邦軍のペーネロペー ガンダムとの激しい戦いに突入し、映画のフィナーレに向かっていく。

映画『閃光のハサウェイ』最後に

原作通りの終わり方だったとはいえ、早くも2作目の映像作品が見たいと思わせてくれる終わり方でした。

キャラクターの線の柔らかさはガンダムらしさを個人的には感じました。
また、モビルスーツの重厚さはまさにガンダム作品でした。
モビルスーツの戦いに巻き込まれていく人々が逃げ惑うシーンや、モビルスーツ同士が戦うシーンなども容赦はなく、これぞガンダムだったと思います。

ハサウェイ・ノア、ギギ・アンダルシア、ケネス・スレッグの3人が今後どんな関わり方をするのか、非常に興味が湧きました。

ハサウェイ・ノアはシャアとアムロが成し得なかった究極の目的『地球とアースノイド、そして、スペースノイドの全てを救う』ことができるのでしょうか。

映像化される前にまずは原作本を読んで映画の余韻を噛み締めたいと思います。

以上、「映画『閃光のハサウェイ』感想・レビュー(シャアの理想と、アムロの情熱を受け継いだハサウェイ)」でした。

最後までお読みいただきございました。

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