ノーマークの映画でした。
まさかエミリー・ブラントさんが主演しているとは気づいていませんでした。
過去に映画「クワイエット・プレイス」の紹介記事を書いた時に、エミリー・ブラントの主な映画出演作品として「ボーダーライン」を紹介していましたが忘れていました。
映画「ボーダーライン(原題:Sicario)」は2015年の作品で、「クワイエット・プレイス」は2018年の作品です。
因みに「ボーダーライン」のスピンオフ作品として、「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」が2018年に公開されました。この作品にはエミリー・ブラントは残念ながら出演していません。
麻薬犯罪捜査が絡んだ映画ですが、様々な思惑が入り乱れており、ドロドロした映画です。
なお、原題の「Sicario」を調べてみると、スペイン語で「ヒットマン」、いわゆる殺し屋という意味になります。
それでは「ボーダーライン」を紹介します。
映画「ボーダーライン」予告編
映画「ボーダーライン」あらすじ
FBI捜査官のケイト・メイサーと彼女のチームは誘拐犯の容疑者を1名射殺し、誘拐被害者の遺体を発見した。
中庭の物置を調査中に爆弾が爆発し、チームの仲間が2人が犠牲になった。
被害は発生したが、彼女の優れた洞察力・観察眼は折り紙つきで、ケイトの上司の推薦で国防総省のマット・グレイヴァーが率いるチームに入り、麻薬カルテル(麻薬の製造・売買に関する活動を行う組織)の親玉マニュエル・ディアスの捜査にFBIとして参加する。
ディアスは誘拐事件の主犯であり、元をたつ絶好のチャンスだった。
マットたちと行動を共にするにつれ、国防総省だというマットと、マットが紹介したアレハンドロの正体に疑問を持つケイト。
暴力、麻薬、死が日常と隣合わせに存在する無法地帯において何が秩序で、何が悪なのか、ケイトは悩み苦しむことになる。
映画「ボーダーライン」基本情報
監督 |
Denis Villeneuve(ドゥニ・ヴィルヌーヴ)
|
---|---|
脚本 | Taylor Sheridan(テイラー・シェリダン) |
製作 | Basil Iwanyk(バジル・イワニク) Thad Luckinbill(サディ・ラッキンビル) Thad Luckinbill(トレント・ラッキンビル) Edward L. McDonnell(エドワード・L・マクドネル) Molly Smith(モリー・スミス) |
製作総指揮 | Erica Lee(エリカ・リー) Ellen H. Schwartz(エレン・H・シュワルツ) John H. Starke(ジョン・H・スターク) |
出演 | Emily Blunt(エミリー・ブラント) Benicio del Toro(ベニチオ・デル・トロ) Josh Brolin(ジョシュ・ブローリン) Daniel Kaluuya(ダニエル・カルーヤ) |
音楽 | Jóhann Jóhannsson(ヨハン・ヨハンソン) |
配給 | アメリカ合衆国: Lions Gate Entertainment/日本: KADOKAWA |
公開 | アメリカ合衆国: 2015年9月18日/ 2016年4月9日 |
上映時間 | 121分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 映画/スペイン語 |
コピーライト | © 2015 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved. |
映画「ボーダーライン」感想・レビュー
エミリー・ブラントとベニチオ・デル・トロ、そして、ジョシュ・ブローリン
エミリー・ブラントとベニチオ・デル・トロがただただカッコいい!!
もちろん、ジョシュ・ブローリンも!!
この3人は映画の中で会話以上の濃いコミュニケーションをしているんですよ。
ただただ、カッコいい。
エミリー・ブラントは男前な女性(褒めています)。
FBIでは部隊長であり、部下を引き連れる頼れる上官ケイト・メイサー。しかし、ある事件で部下を2人殺させてしまう。
法と正義と秩序を重視しており、一本気なところがあり、女を捨てたような様子も見せるが、それでもときに女らしい一面がいじらしいかったりしています。
- Emily Blunt(エミリー・ブラント)
- 生年月日 1983年2月23日
- 出生地 イングランド、ロンドン
- 主な映画出演作品
- Mary Poppins Returns(メリー・ポピンズ リターンズ・2019年2月1日日本公開)/主演 メリー・ポピンズ 役
- A Quiet Place(クワイエット・プレイス・2018)/主演 イヴリン・アボット 役
- Edge of Tomorrow(オール・ユー・ニード・イズ・キル・2014)/リタ・ヴラタスキ 役
■エミリー・ブラントが出演している作品
ベニチオ・デル・トロがとにかく渋い。
謎が多い男であり、悲しい過去を背負い、しかし、顔には出さず、ただただプロフェッショナルに徹する男アレハンドロ。法と秩序が無視される世界で、彼は暴力で全てを支配しようとする。
例え味方でも信念に背くものには容赦なく銃口を向ける鋭い目は狼のような男。
- Benicio del Toro(ベニチオ・デル・トロ)
- 生年月日 1967年2月19日
- 出生地 プエルトリコ、サン・ヘルマン
- 国籍 アメリカ合衆国・スペイン
- 主な映画出演作品
- Sicario: Day of the Soldado(ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ・2018)/アレハンドロ 役
- Avengers: Infinity War(アベンジャーズ インフィニティ・ウォー・2018)/タニリーア・ティヴァン / コレクター 役
- Traffic(トラフィック・2000)/ハビエル・ロドリゲス=ロドリゲス 役/アカデミー助演男優賞・ゴールデングローブ賞 助演男優賞・ベルリン国際映画祭 男優賞 受賞その他多数受賞
とにかくこのエミリー・ブラントとベニチオ・デル・トロの芝居を観て欲しい。
それだけでもこの映画は価値があります。
そして、自称『国防総省』の人間だという、マット・グレイヴァーを演じた『ジョシュ・ブローリン』も渋い。
国防総省の人間だと自称している。
ケイト・メイサー(エミリー・ブラント)の腕前を買ってチームに引き入れる。
この男も謎めいている。
- Josh Brolin(ジョシュ・ブローリン)
- 生年月日 1968年2月12日
- 出生地 アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロサンゼルス
- 主な出演映画作品
- Avengers End Game(アベンジャーズ/エンドゲーム・2019) / サノス 役
- Sicario: Day of the Soldado(ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ・2018)/ マット・グレイヴァー 役
- Avengers: Infinity War(アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー・2018) / サノス 役
- Men in Black III(メン・イン・ブラック3・2012) / ヤング・エージェントK 役
メキシコ麻薬戦争を舞台としたスリラー映画
これはアメリカ合衆国とメキシコの麻薬戦争を舞台としたスリラー映画(緊張感や不安感を煽る映画)です。
アメリカ合衆国とメキシコの麻薬戦争の歴史と、地理的な位置関係を頭に入れておくことをお勧めします。
なぜアメリカがメキシコの麻薬組織に捜査の手を伸ばすのか?
昔からメキシコで生成された麻薬が大量にアメリカ合衆国に密輸されて犯罪の原因となり続けているからです。
現在、メキシコの麻薬カルテルはアメリカの多くの都市にも存在しています。
また、麻薬が絡んだ犯罪や事件が後を立たないため、アメリカ合衆国政府としてもそれを食い止めたいというのが本音です。
麻薬の供給ルートの打破と合わせて、需要をたつための防止、治療、教育計画も重要視されています。
アメリカ人にとっても、アメリカ政府にとってもメキシコとの麻薬戦争は重要な課題なのです。
歴史的に観ても舞台となったメキシコの都市は無政府状態になったこともあるほど、麻薬カルテルが蔓延しており危険な都市と言われています。
今はだいぶ改善されているようですが。
法も秩序も役に立たない無法地帯でどうやって麻薬カルテルを捜査し、どう逮捕するのか。
合法・非合法のラインが変わる中で揺れるケイトと、ブレない男アレハンドロは本当にカッコいいです。
映画「ボーダーライン」の舞台とメキシコ麻薬戦争について
舞台エル・パソとシウダード・ファレス
舞台となった隣接するエル・パソとシウダード・ファレス(字幕版映画ではフアレス)のGoogle Map を埋め込みました。
エル・パソはケイトたちが最初移動する目的地で、アメリカ合衆国テキサス州にあります。
メキシコとの国境に隣接する都市です。
ケイトたちはその後、ある目的で国境を越えてメキシコ(都市シウダード・ファレス)に入り、もう一度国境越えしてエル・パソに戻ります。
なお、メキシコの事実上の公用語はスペイン語になります。
引用元 : シウダード・ファレス – Wikipediaより
2008年頃から麻薬密売組織(カルテル)の抗争激化、メキシコ政府の取り締まりも強化しているにも関わらず、市内では白昼に銃撃戦が発生するほど治安が急速に悪化した。同市では、2008年を通じて1,600人が麻薬がらみの事件で死亡。抗争はそれでも収まらず2009年には、2,575件の殺人事件が発生した。
メキシコ麻薬戦争
メキシコの麻薬戦争は現在進行形で長く世間を騒がせ続けている。
麻薬カルテルの影響として汚職警官問題や裁判官への脅迫なども問題となるそうです。
しかし、メキシコ麻薬戦争はメキシコ内では終わらず、彼らの供給先はアメリカ合衆国が主要ターゲットになっており、アメリカ合衆国政府はメキシコの麻薬カルテルを無視することはできないでいます。
実際、アメリカ内に数百といった規模でメキシコ麻薬カルテルが存在するという話もありました。
引用元 : メキシコ麻薬戦争 – Wikipediaより
メキシコ麻薬戦争(メキシコまやくせんそう)は、麻薬組織(カルテル)同士の縄張り争い、および麻薬密売の取締を推進するメキシコ政府と麻薬カルテルとの間で進行中の武力紛争のことを指す。メキシコ検察当局の発表によれば、2011年9月までのおよそ5年間に麻薬組織による犯罪や抗争に巻き込まれるなどして4万7515人が殺害されている
・・・中略・・・
アメリカ合衆国
アメリカの司法省は、メキシコの麻薬カルテルがアメリカへの最も大きく脅威的な犯罪組織であると考えている。カルデロン大統領就任からの初めの18カ月にメキシコ政府は麻薬戦争において70億ドルを費やした。
最後に
自分の住む国に麻薬カルテルがあり、日常的に麻薬戦争が身近で繰り広げられるようなところだったらどう感じるだろうか。
メキシコまたは、アメリカ合衆国という国において麻薬は身近な社会問題になっている。
日本人の私にとって「ボーダーライン」は娯楽映画であるかもしれないが、アメリカ人にとっては娯楽映画というよりは社会問題を掘り下げたスリラー映画なのでしょう。
アメリカ合衆国アリゾナ州エル・パソと、メキシコ合衆国シウダード・ファレスを中心とした命の取り合いに巻き込まれたFBI捜査官 ケイト・メイサーは最後、どのような気持ちだったのでしょう。
お互い深くは語り合わなかったですが、ケイトとアレハンドロたちのお互いを思う気持ちを知りたくなる終わり方でした。
男はあくまで冷徹に、女はあるいは気持ちが揺らいでいたようにみえました。
以上、『映画「ボーダーライン(2015)」メキシコ麻薬戦争をテーマにしたスリラー映画(主演:エミリー・ブラント)』でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
宮川(@miyakawa2449)でした。
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