X-MENは2000年に最初の作品が公開されました。
X-MENは『突然変異で誕生した超能力を持つミュータントたちが己の力と向き合い、ミュータントたちが平穏に暮らせる未来を目指す』という物語でした。
X-MENの初期3部作ではミュータントの二大勢力の争いを描いています。
第一勢力は人類との共存を目指す穏健派プロフェッサーX(チャールズ)が率いるX-MEN。
第二勢力は人類を敵としてみなし人類一掃を目指す強硬派マグニートー(エリック)が率いるブラザーフットでした。
X-MENもブラザーフットもミュータントの平穏な未来を目指しているという点では共通の目標を掲げている。
しかし、手段が違うためにX-MENとブラザーフットは対立している。
X-MENの初期3部作ではミュータントのローガンがX-MENに入り、ローガンの視点で物語は進んでいきました。
個人的にはチャールズよりも、エリックが私は好きです。
初期3部作
- X-MEN(2000)・・・監督(Bryan Singer ブライアン・シンガー)
- X-MEN2(2003)・・・監督(Bryan Singer ブライアン・シンガー)
- X-MEN: ファイナル ディシジョン(2006)・・・監督(Brett Ratner ブレット・ラトナー)
なお、この初期3部作では、マグニートー率いるブラザーフットはミュータントたちだけの未来の世界を描こうと、何度となく人類を滅亡の危機に陥れます。
X-MENがそれを何度と阻止します。
初期3部作の最終章「X-MEN: ファイナル ディシジョン」ではX-MENに属していたジーン(強大なテレパスであり、テレキネシス(念動力)の持ち主)が自分の力をコントロールできず暴走し、エリックに利用されてローガンと戦うことになります。
そして、戦った結果ローガンを含めたその他のX-MENたちの心に、深い傷が残されて完結します。
新章4部作
新しく作られたシリーズは過去にさかのぼった物語です。
3作が既に公開済みで、最終章になる4作目は来月6月21日に公開されます。
新シリーズでは、チャールズ、エリック、レイブンの最初の出会いと、後のX-MEN成立の起源から順に描かれていきます。
- X-MEN: ファースト・ジェネレーション(2011)・・・監督(Matthew Vaughn マシュー・ヴォーン)
- X-MEN: フューチャー&パスト(2014)・・・監督(Bryan Singer ブライアン・シンガー)
- X-MEN: アポカリプス(2016)・・・監督(Bryan Singer ブライアン・シンガー)
- X-MEN: ダーク・フェニックス(2019)・・・監督(Simon Kinberg サイモン・キンバーグ)
映画「X-MEN: ダーク・フェニックス」の公開が1ヶ月後の2019.6.21に迫ってきましたので、新章を順番に振り返ってみたいと思います。
この記事では映画「X-MEN: ファースト・ジェネレーション(2011)」を振り返ります。
次回作「X-MEN: フューチャー&パスト」の記事はこちら
スピンオフ作品の「ローガン」「デッドプール」については機会があれば改めて紹介します。
映画「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」紹介映像
20世紀フォックス ホーム エンターテイメントの公式YouTube動画より
映画「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」ストーリー
引用元: X-MEN:ファースト・ジェネレーション | DHD, BD, DVD | 20th Century Fox JPより
国際情勢が緊迫する1960年代、強力なテレパシー能力を持つ青年チャールズが、金属を自在に操れるエリックとめぐり合う。
ミュータントとして人類と闘うべきか共存すべきか、異なる信念を抱きながらも友情を深めたふたりは、世界各地のミュータントを仲間に迎え入れていく。
しかし戦時中にエリックの母親を殺した元ナチスの科学者セバスチャンが、ミュータント集団“ヘルファイアークラブ”を結成。
やがてセバスチャンが悪魔のごとき計画を実行に移したとき、チャールズとエリックはその野望の阻止に挑むが、過酷な運命は彼らの絆を引き裂き、人類との“共存”か“支配”か、という正反対の道へと導いていくのだった……。
映画「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」スタッフ&キャスト
原題 | X: First Class |
---|---|
監督 | Matthew Vaughn(マシュー・ヴォーン) |
脚本 | Zack Stentz(ザック・ステンツ) Ashley Miller(アシュリー・ミラー) Jane Goldman(ジェーン・ゴールドマン) Matthew Vaughn(マシュー・ヴォーン) |
製作 | Gregory Goodman(グレゴリー・グッドマン) Simon Kinberg(サイモン・キンバーグ) Lauren Shuler Donner(ローレン・シュラー・ドナー) Bryan Singer(ブライアン・シンガー) |
製作総指揮 | Tarquin Pack(タルキン・パック) Stan Lee(スタン・リー) Josh McLaglen(ジョシュ・マクラグレン) |
出演者 | James McAvoy(ジェームズ・マカヴォイ)/ チャールズ・エグゼビア Michael Fassbender(マイケル・ファスベンダー) / エリック・レーンシャー Kevin Bacon(ケヴィン・ベーコン)/ クラウス・シュミット |
製作会社 | Twentieth Century Fox Film Corporation MARVEL Entertainment, LLC |
配給 | Twentieth Century Fox Film Corporation |
公開 | 2011年6月 |
上映時間 | 131分 |
コピーライト | ™ and © 2011 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. © Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved. |
映画「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」の見どころ
チャールズとレイブン
初期3部作では敵対していたチャールズとレイブンの子ども時代の出会いが描かれます。
チャールズとレイブンは子ども時代を共に穏やかに過ごし成長します。
成長したレイブンを女優ジェニファー・ローレンスが演じています。
ジェニファー・ローレンスは少女から大人になりかけている微妙な女心を繊細に演じ分けていて可愛いと素直に思います。
ミュータント同士であり、共に成長したチャールズに特別な感情を隠さないレイブンがとても可愛い。
しかし、チャールズから子ども扱いされることにイライラが隠せないでいるレイブン。
ミュータントであることに自信を持てないでいるレイブンと、ミュータントであることに自信と誇りを持っているチャールズのすれ違いが「X-MEN: フューチャー&パスト(2014)」で悲しく暗い未来を引き起こしています。
エリックの過去と目的
初期3部作では3話通じて常に人類の敵として戦っていたエリック。
エリックがなぜ、人類を敵としてみなすことになった理由がわかるエピソードも描かれました。
幼きころアウシュビッツの収容所でナチス士官のクラウス・シュミット(俳優:ケヴィン・ベーコン)に苦しめられた記憶が人類を憎む原因となっていました。
戦争が終わり大人になったエリックは復讐のためにクラウス・シュミットを追いかけて行きますが、その過程でチャールズと出会うことに。
■マイケル・ファスベンダーの主演作品の紹介記事
ミュータント研究者とCIA
CIAの捜査官モイラ・マクタガート(ローズ・バーン)は犯罪捜査中にミュータントに遭遇し、チャールズに協力を要請することになる。
好奇心旺盛なモイラは進んでチャールズたちを受け入れて共に行動をするようになり、CIAにチャールズとレイブンを招聘するが、ミュータントを理解できない上官はチャールズたちを疑ってかかることに。
幸い長年ミュータントを研究していたCIAの担当者に認められて、CIAのミュータント研究の部署を手伝い、ミュータントの仲間を探すことになります。
ミュータントの能力育成
チャールズとエリックは自分たちと同じミュータントを探し出し仲間にするが、敵のミュータントに襲われてしまう。
集まったミュータントの仲間たちが自分で自分の身を守れるようにするため、チャールズとエリックは特訓することを決意する。
エリック・レーンシャー / マグニートー(マイケル・ファスベンダー)
エリックは磁力で金属等を操るミュータント。操れる金属の大きさも限られており、より強大なモノを操れるように集中力の鍛錬に勤しむ。
レイヴン・ダークホルム / ミスティーク(ジェニファー・ローレンス)
他人に変身できる能力があり、声紋、指紋まで寸分違わず真似ることができる。
能力センスは優れているが、精神的に不安定で能力を消したいと悩んでいる。
ハンク・マッコイ / ビースト(ニコラス・ホルト)
15歳でマサチューセッツ工科大学を卒業するほどの優秀な頭脳を持ち、獣の足を持ち常人ではできない走りや動きができる。
獣の足の力をうまく発揮できるように訓練を積み重ねる。
ミュータントを発見するセレブロの開発者でもある。
足が異常に大きいという身体的能力(ミュータントの特性)にコンプレックスがある。
レイブンの血液から開発した血清で常人の体に戻ろうとするが、副作用で潜在能力が開花してしまい、怪力を持つ全身青毛で覆われる体となった。
アレックス・サマーズ / ハヴォック(ルーカス・ティル)
初期3部作で登場したスコット・サマーズの兄。
能力は赤い破壊光線を飛ばすことだが、コントロールがうまくできないため訓練する。
ショーン・キャシディ / バンシー(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)
口から高振動波を発して衝撃を与えることができるミュータント。
ハンクが開発した特殊ウェアと高振動波を利用して空を飛べるようにトレーニングを行う。
チャールズとエリック、CIAが追いかけるヘルファイア・クラブ
ヘルファイア・クラブはセバスチャン・ショウ( ケヴィン・ベーコン)をリーダーとした組織。
米国、ソ連を裏で操り、キューバ危機を引き起こし、核戦争の勃発を画策する。
また、セバスチャン・ショウは以前はクラウス・シュミットと名乗っており、エリックの仇でもある。
以下はベルファイア・クラブメンバーの能力
クラウス・シュミット/ セバスチャン・ショウ( ケヴィン・ベーコン)
あらゆるエネルギーを体内に蓄積することが可能で、吸収したエネルギーを利用した攻撃も可能。
エネルギーを蓄積することで若さを維持することもできる。
ヤーノシュ・クエステッド / リップタイド(アレックス・ゴンザレス)
手から竜巻を引き起こすことができる。
アザゼル(ジェイソン・フレミング)
悪魔のような外見をしており、テレポート能力を持つ。
エマ・フロスト / ホワイト・クイーン(ジャニュアリー・ジョーンズ)
ブロンドの美女。テレパシー能力と肉体をダイヤモンドの状態に硬化させることができる。
映画「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」のまとめ
ミュータントたちのほとんどが人間社会の中のマイノリティーとして思い悩み苦しんでおり、己の能力を隠し人間社会で目立たぬように暮らしていた。
そんな時代の中でもチャールズやエリックといった自分の能力に誇りをもったミュータントも一部存在していた。
多くのミュータントが苦しまず、平穏に暮らせる世界を目指すチャールズとエリックだが、考え方が違うため同じ道をたどることはできなかった。
エリック・レーンシャーはクラウス・シュミットへの復讐を果たすが、人間たちとミュータントが分かり合えないと考えるエリックはチャールズと袂を分かつことになる。
チャールズとエリックの間で揺れていたレイブンは、自分の本当の姿を美しいと認めてくれるエリックと行動を共にすることになる。
この映画はX-MENの主要人物、チャールズ・エグゼビア / プロフェッサーX、エリック・レーンシャー / マグニートー、レイヴン・ダークホルム / ミスティークの物語でした。
次回作「X-MEN: フューチャー&パスト(2014)」では、近未来のX-MENが最大のピンチに陥り、戦いが始まる前の時代にタイムスリップし、戦いが始まる理由となるある出来事を防ごうとローガンが活躍する物語です。
以上、『映画「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」復習とまとめ(チャールズ、エリック、レイブンの物語)』でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
映画ライター宮川(@miyakawa2449)でした。
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追記:差別ある社会へのアンチテーゼ
「人と肌の色が違う」というだけで社会に受け入れてもらえない。そのような、多様性のない社会に対して何ができるのか、訴えているのが原作公開当時のX-MENのテーマです。
X-MENの原作が誕生した1960年代当時のアメリカは、アフリカ系アメリカ人公民権運動が活発化していました。
アフリカ系アメリカ人の公民権(政治に参加するための選挙権・被選挙権のことで、参政権・市民権ともいう)と人種差別の解消のために行われた大衆運動です。
黒人の権利として公民権を勝ち取るため、人種差別のない世界を目指すための指導者として有名な人物がキング牧師と、マルコムXです。
キング牧師は「非暴力の抵抗」を貫き、白人との融和を目指します。
マルコムXは「暴力を否定しない人種差別撤廃運動」を主張します。
このキング牧師とマルコムXがチャールズとエリックのモデルと言われています。
詳しくは次の記事の最後、「まとめ(プロフェッサーXとマグニートーのモデル)」で記事を書いています。
よかったらお読みください。
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