映画『エンド・オブ』シリーズの最新作、『エンド・オブ・ステイツ(原題: Angel Has Fallen)』が日本でも11月15日(金)から公開されました。
『エンド・オブ・ホワイツ(原題 : Olympus Has Fallen・2013年)』『エンド・オブ・キングダム(原題 : London Has Fallen・2016年』と幾度となくアメリカとアメリカ大統領を守ってきたマイク・バニング(ジェラルド・バトラー)が、何者かにハメられアメリカ大統領の暗殺未遂罪とその他の殺人罪で逮捕されます。
あらゆる物的証拠が全てマイク・バニングが犯人であることを示しており、このままでは有罪になり、真犯人が野放しになってしまう。
わずかな隙をついて逃げ出したマイク・バニングは、大統領の安全を守るため、真犯人を見つけるために走り出す。
マイク・バニングをはめた犯罪者集団と、FBI両方から終われることになったマイク。
走り続けたマイクは世界を危険に巻き込む陰謀がひそめられていることに気づく。
アクション映画俳優ジェラルド・バトラーが演じるマイク・バニングの無双ぶりは毎度の見せ場です。
今回はマイクの父親クレイ・バニング(ニック・ノルティ)が初登場しますが、クレイのインパクトも楽しんで欲しい。
シークレット・サービスを長く続けてきたことで身体にガタがきて後遺症に悩んでいるマイクだったが、渾身万力(こんしんまんりき)で全てを守ります。
アメリカ大統領、アメリカ合衆国、世界平和、そして、家族を。
それでは『エンド・オブ・ステイツ』を紹介します。
映画『エンド・オブ・ステイツ』の予告編
映画『エンド・オブ・ステイツ』あらすじ
引用元 : 映画「エンド・オブ・ステイツ」公式サイト 2019年11/15公開
かつてたった一人で世界を未曾有のテロ事件から救った英雄マイク・バニング(ジェラルド・バトラー)。
今もシークレット・サービスのエージェントとしてアメリカ合衆国大統領トランブル(モーガン・フリーマン)から絶大な信頼を得ている彼だったが、長年の激務と歴戦の負傷は彼の体を激しく蝕んでいた。
引退の二文字が度々頭をよぎるようになったある日、休暇中の大統領の元に突然空から大量のドローン爆弾が襲いかかる。
決死の覚悟で身を挺して大統領を守るマイク。
しかし激しい攻撃の中意識を失い、目を覚ますと彼は大統領暗殺を企てた容疑者として拘束され、FBIの執拗な尋問を受けていた。全く身に覚えのない濡れ衣、しかし何者かが周到に用意した証拠はすべてマイクが犯人であることを示していた。なんとか隙を突いて逃げ出したマイクは、自らの無実を証明するため真実を明らかにするため、ボロボロの体にムチを打って走り出す。
やがて明らかになる陰謀、それは世界を破滅へと導く恐るべきものだった。
傷だらけの英雄マイク・バニング最後の戦いが今始まる――。
映画『エンド・オブ・ステイツ』基本情報
邦題 | エンド・オブ・ステイツ |
---|---|
原題 | Angel Has Fallen |
監督 | リック・ローマン・ウォー |
脚本 | リック・ローマン・ウォー ロバート・マーク・ケイメン マット・クック |
原案・原作 | カトリン・ベネディクト クレイトン・ローゼンバーガー |
製作 | ジェラルド・バトラー マーク・ギル マット・オトゥール マシュー・オトゥール アラン・シーゲル ジョン・トンプソン レス・ウェルドン |
製作総指揮 | デヴィッド・ベルナルディ クリスタ・キャンベル ボアズ・デヴィッドソン オードリー・ゲオルギエフ ジェフリー・グリーンスタイン ラティ・グロブマン アヴィ・ラーナー ハイディ・ジョー・マーケル クリスティーン・オタール トレヴァー・ショート エミリオ・トレス ジョナサン・ヤンガー |
出演者 | マイク・バニング(ジェラルド・バトラー) アラン・トランブル大統領(モーガン・フリーマン) ヘレン・トンプソン捜査官(ジェイダ・ピンケット=スミス) デヴィッド・ジェントリー(ランス・レディック) カービィ副大統領(ティム・ブレイク・ネルソン) リア・バニング(パイパー・ペラーボ) クレイ・バニング(ニック・ノルティ) ウェイド・ジェニングス(ダニー・ヒューストン) |
音楽 | デヴィッド・バックリー |
製作会社 | G-BASE ミレニアム・メディア CBフィルムズ エクレクティック・ピクチャーズ |
配給 | ライオンズゲート クロックワークス |
公開 | アメリカ合衆国 2019年8月23日 日本 2019年11月15日 |
上映時間 | 121分 |
著作権 | © 2019 Falion Productions, Inc. |
映画『エンド・オブ・ステイツ』感想・レビュー
過去の2作は『アクション中心』で、人間性はそれほど表現されない作品でした。
今回はマイク・バニングの人間性がより魅力的に見える物語でした。
もちろん、アクションに隙はありません。
アクションも最高の仕上がりだったと思います。
長く続けてきたシークレット・サービスの仕事により蓄積されてきた身体へのダメージ。
そのダメージによる後遺症により、シークレット・サービス引退が頭を過ぎるが、そのことを誰にも相談できずにいるマイク。
娘が生まれ、人の父親になったことで守るものが増えたマイク。
自分を陥れた犯罪者とFBIに追われることになり逃げ場がなくなったマイク。
どのように逆境に陥ろうとも諦めず、正義を貫きとうそうとするところは今まで通りのマイクでした。
シリーズの魅力
このシリーズの魅力は何と言っても、ジェラルド・バトラーが演じる、マイク・バニングの戦いぶりが斜め上をいっていることだと思います。
『ナイフで喉や顔を刺す』、『銃を乱発して一斉に大量虐殺』などテロリストや犯罪者がする殺し方、マイク・バニングは平気に行いますし、街中でも身を守るためになんでも利用し、ときには被害が拡大する。
容赦ない彼の戦い方は初めて見る人は刺激が強くひいてしまうかもしれませんが、見慣れると癖になります。
テロリストたちにより、これまで通り、罪のない人たちが死んでいく。
ここはテロの恐ろしさが描かれているわけですが、不謹慎にも映画が盛り上がるポイントの1つになっています。
不謹慎かもしれませんが、あまりにも当たり前に一般人が殺されていくシーンがはっきり描写されているので、観ていてドキドキします。
観てていいのか?と。
犯罪心理のスペシャリスト
マイクは犯罪者たちの思考を理解しているので、この流れでは人質の命は間に合わないかも!という瞬間にも間に合ってしまう。
かと思えば、警察の手の内も理解しているので、警察の手の裏を掻くのもお手の物。
人道的な心が強いマイクだからこそ、常に前を見て良い心を忘れずにテロと戦い続けられる。
犯罪者のまさにスペシャリスト的なところもこの映画の魅力です。
映画の中で、濡れ衣を着せられて犯罪者としてマイクが報道されてるシーンでは、まさに犯罪心理のスペシャリストが闇堕ちしたような形の報道でした。
ミイラ取りがミイラになったような報道ということです。
報道後、社会全体が彼の敵に回った恐ろしい描写は見ていても怖かったです。
映画『エンド・オブ・ステイツ』をキャストで振り返る
マイク・バニング 役(ジェラルド・バトラー)
無敵無双のシークレット・サービスのマイク・バニング。
歴戦の戦いで身体に蓄積されたダメージと後遺症に悩む男。
大統領に後遺症のことを相談しようと悩んでいたときに大統領が襲われる。
とっさの機転でアメリカ大統領を救うが、爆発に巻き込まれ2人とも大きな怪我を負う。
そして、アメリカ大統領は昏睡状態に。
気が付いたときFBIに拘束され、身動きができない状態だった。
執拗な尋問を受けるマイクだが、全ての証拠が彼を犯人だと断定していた。
絶体絶命のマイクがどのように第一の危機を乗り越えるのか?
そして、犯罪者とFBI両方に追われる立場となったマイクはどうしたのか?
- Gerard Butler(ジェラルド・バトラー)
- 生年月日 1969年11月13日
- 出生地 スコットランド・グラスゴー
- 国籍 イギリス
- 主な映画出演作品
- Hunter Killer(ハンターキラー 潜航せよ・2018) / ジョー・グラス艦長 役
- 300 〈スリーハンドレッド〉/レオニダス 役
- The Phantom of the Opera(オペラ座の怪人・2004)/ ファントム 役
- Lara Croft Tomb Raider: The Cradle of Life(トゥームレイダー2・2003)/ テリー・シェリダン 役
■ジェラルド・バトラー主演の潜水艦映画『ハンターキラー 潜航せよ』。
潜水艦同士の駆け引きはもちろん、陸上戦などもあり、渋い大人の映画でした。
アラン・トランブル大統領 役(モーガン・フリーマン)
『エンド・オブ・ホワイトハウス』では下院議長、『エンド・オブ・キングダム』では副大統領としてアッシャー前大統領を支えてきたアラン・トランブル大統領。
テロリストたちと単身戦うマイク・バニングを後方から支え、常に彼の行動を見守ってきた。
そして、大統領とマイクの間には親子のような固い絆が結ばれていた。
しかし、今回は大統領はマイクをかばおうにも、昏睡状態に陥っており、どうすることもできない。
昏睡状態の大統領は果たして一命を取り止めるのか?
または、2度命が狙われるのか?
- Morgan Freeman(モーガン・フリーマン )
- 生年月日 1937年6月1日
- 国籍 アメリカ
- 主な映画出演作品
- Now You See Me(グランド・イリュージョン・2013) / サディアス・ブラッドリー 役)
- Batman Begins(バットマン ビギンズ・2005) / ルーシャス・フォックス 役(The Dark Knight / ダークナイト 2008)(The Dark Knight Rises / ダークナイト ライジング 2012)
- The Shawshank Redemption(ショーシャンクの空に・1994) / エリス・ボイド・“レッド”・レディング 役 / アカデミー賞主演男優賞ノミネート
■バットマンシリーズ(クリスチャン・ベール主演)では、ブルース・ウェインを技術面で支えるルーシャス・フォックスを熱演しました。
FBI捜査官・トンプソン役(ジェイダ・ピンケット=スミス)
マイク・バニングを逮捕し、起訴を宣告したFBI捜査官・トンプソン(ジェイダ・ピンケット=スミス)。
隙をついて逃げ出した、マイク・バニングを執拗に追いかけるが、捜査線上である疑問が彼女の脳裏をよぎる。
映画『逃亡者(原題: he Fugitive、ハリソン・フォード主演)』のような展開になるかと思ったが、バッサリいい方向に裏切られる演出だった。
それでこそ『エンド・オブ』シリーズと思う瞬間でした。
- Jada Pinkett Smith(ジェイダ・ピンケット・スミス)
- 生年月日 1971年9月18日
- 出生地 アメリカ合衆国 メリーランド州ボルティモア
- 主な映画出演作品
- Collateral(コラテラル・2004) / アニー 役
- The Matrix Revolutions(マトリックス レボリューションズ・2003)/ ナイオビ 役
- The Matrix Reloaded(マトリックス リローデッド・2003)/ ナイオビ 役
クレイ・バニング 役(ニック・ノルティ)
シリーズ中初登場のマイク・バニングの父親、クレイ・バニング(ニック・ノルティ)。
帰還兵でありPTSD(心的外傷後ストレス障害)により、1人山奥で暮らしていたクレイがマイクと再会しますが、ここでのシーンは大変盛り上がります。
クレイには見せ場が2つ?いや、3つかな、あるので期待してください。
かつてのアクション俳優であり、アクション以外もいける名優ニック・ノルティ、とてもお茶目なお爺ちゃんでした。
- Nick Nolte(ニック・ノルティ)
- 生年月日 1941年2月8日
- 出身地 アメリカ合衆国 ネブラスカ州オマハ
- 主な出演作品
- Affliction(白い刻印・1998年) / 主演 ウェイド・ホワイトハウス 役 / ニューヨーク映画批評家協会賞 主演男優賞 受賞
- The Prince of Tides(サウス・キャロライナ/愛と追憶の彼方・1991) / 主演トム・ウィンゴ 役 / ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ドラマ部門) 受賞・ロサンゼルス映画批評家協会賞 主演男優賞 受賞
- Another 48 Hrs.(48時間PART2/帰って来たふたり・1990) / 主演 ジャック・ケイツ 役
- 48 Hours(48時間・1982) / 主演 ジャック・ケイツ 役
まとめ
戦争のリアルがそこには描かれている。
予告編で描かれている大量ドローンによる爆撃は、実際に今年9月サウジアラビアで行われた攻撃と似ている。
その事件の考察記事は次の『POINT』で示した外部リンク先の通りだ。
何千億ドルとするミサイルよりも、1万5000ドル程度のドローン兵器による空爆が平気で行われるようになっている。
引用元 : サウジ石油施設攻撃で判った爆撃用ドローンの破壊力東アジア「深層取材ノート」(第4回)
2019.9.22(日) 近藤 大介 著
・・・中略・・・
サウジアラビアは88基のパトリオット・ミサイルを配備した。うち52基が最新型だった。
ところが、わずか1万5000ドルの武器が、1100億ドルの備えをする国を、いとも簡単に突き破ってしまったのである。これこそまさに、人類の戦争史に残る「兵器革命」ではないか。しかも、「真犯人」がどこの国の誰かも知れない「匿名性」を保っているので、攻撃する側としては、報復されるリスクも減らせる。
プログラミングされた数万ドルのドローン兵器は破壊されても命は失わないが、襲われた側は殺されてしまう。
しかも、正体不明といった状態で。
この映画には民間軍事会社が登場するが、これも今現在のアメリカの戦争の仕方を象徴しているものである。
兵士の死が考えられる危険な作戦には民間軍事会社が利用されるのだ。
そして、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩む軍人や帰還兵の実情も描かれている。
この映画では3人のPTSD者が出てくる。
マイク、マイクの父クレイ、そして、マイクの友人ウェイド・ジェニングス(ダニー・ヒューストン)。
それぞれに症状は異なるが、戦争というのは人の心に傷を刻むということを示している。
この映画は決してオーバーに(たぶん)表現しているわけではない。
もちろん、『エンド・オブ』シリーズはアクション映画ではあるが、限りなく戦争映画に近いアクション映画である。
そして、今回の新作はアクションだけではなく、マイク・バニングを取り巻く『人間関係』の良い面と悪い面が描かれた作品でした。
どのような『人間関係』が描かれていたのかは、作品をみて確かめて欲しい。
そして、どんな逆境であっても、『アメリカ大統領』の命を守る!というマイクの人道主義を貫く良心の強さが、彼のピンチを乗り越えさせる、見せ場でした。
マイク・バニングが、ピンチに助けを求めた父親クレイ・バニングは反則なぐらいインパクトがあり、大好きなサブキャラでした。
これまでのシリーズで誰かの助けを借りることはありましたが、あの山のシーンはズルいぐらいインパクトがあり、ちょっと笑えました。
『エンド・オブ』シリーズファンならぜひ、劇場に足を運んで確かめて欲しいぐらいです。
そうでない人もシリーズ作品とは言っても1話完結のシリーズなので、初見でも十分楽しめる作品です。
以上、「映画『エンド・オブ・ステイツ』感想・レビュー(なかなか死なない英雄マイクの魅力は?)」でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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