映画『ジョジョ・ラビット』
第92回アカデミー賞® 6部問でノミネート!!
【作品賞】【脚色賞】【助演女優賞】【美術賞】【編集賞】【衣裳デザイン賞】
【作品賞】の受賞も期待されていましたが、2月10日の発表式では、【脚色賞】に輝きました。
(2020年2月10日にリライト)
第二次世界大戦末期、ナチスに多大な忠誠を誓う主人公10歳の少年ジョジョを演じるのはスクリーンデビュー初のローマン・グリフィン・デイビス(2007年3月5日生まれの現在12歳)。
ユダヤ人でありながらジョジョの自宅の隠し部屋で匿われているエルサをトーマサイン・マッケンジー(2000年7月26日生まれの現在19歳)が演じます。
若い才能を活かすために脇を固める俳優陣は鉄壁のメンバー。
- 13年の芸歴で、Cats にも出演する、女優でコメディアンのレベル・ウィルソン(映画デビュー13年目、39歳)
- アカデミー助演男優賞を受賞したことがあるアカデミー俳優、サム・ロックウェル(映画デビュー35年目、51歳)
- 今年度の第92回アカデミー賞では映画『マリッジ・ストーリー』では主演女優賞、本作『ジョジョ・ラビット』では助演女優賞のダブルノミネートの実力派スカーレット・ヨハンソン(映画デビュー26年目、35歳)
映画『ジョジョ・ラビット』予告編
絶賛上映中!『ジョジョ・ラビット』予告編(アカデミー賞®️ノミネート)
YouTube : フォックス・サーチライト・ピクチャーズ公式チャンネルより
第92回アカデミー賞®️ 6部門ノミネート!
作品賞・助演女優賞(スカーレット・ヨハンソン)ほか
この予告編はよくできています。
ときどき予告編の内容が本編と違っていたり、内容がわからない物がありますが、この予告編は本編のあらすじ全体をしっかり観せてくれています。
それでいて核心となる部分はうまい具合に隠しつつ、映画の魅力を伝えてくれています。
10歳でナチスの狂信的信者のジョジョと、ユダヤ人の少女エルサの運命的な出会いがこの映画の重要なストーリーの1つですが、それだけではない大人たちの魅力も伝わってきます。
もし、あなたが劇場で『ジョジョ・ラビット』を観てきたらこの予告をもう一度観て欲しい。
絶対、2回目観にいきたくなるに違いありません。
1度観た映画が恋しくなる、そんな予告でもあります。
映画『ジョジョ・ラビット』あらすじ
引用元: STORY | 映画『ジョジョ・ラビット』公式サイト
10歳のジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)は、ひどく緊張していた。今日から青少年集団ヒトラーユーゲントの合宿に参加するのだが、“空想上の友達”アドルフ(タイカ・ワイティティ)に、「僕にはムリかも」と弱音を吐いてしまう。
アドルフから「お前はひ弱で人気もない。だが、ナチスへの忠誠心はピカイチだ」と励まされたジョジョは、気を取り直して家を出る。時は第二次世界大戦下、ドイツ。ジョジョたち青少年を待っていたのは、戦いで片目を失ったクレンツェンドルフ大尉(サム・ロックウェル)や、教官のミス・ラーム(レベル・ウィルソン)らの指導によるハードな戦闘訓練だった。
何とか1日目を終えたもののヘトヘトになったジョジョは、唯一の“実在の友達”で気のいいヨーキーとテントで眠りにつくのだった。ところが、2日目に命令通りウサギを殺せなかったジョジョは、教官から父親と同じ臆病者だとバカにされる。2年間も音信不通のジョジョの父親を、ナチスの党員たちは脱走したと決めつけていた。
さらに、〈ジョジョ・ラビット〉という不名誉なあだ名をつけられ、森の奥へと逃げ出し泣いていたジョジョは、またしてもアドルフから「ウサギは勇敢でずる賢く強い」と激励される。元気を取り戻したジョジョは、張り切って手榴弾の投てき訓練に飛び込むのだが、失敗して大ケガを負ってしまう。以下省略、、、続きは引用元を参照してください。
映画『ジョジョ・ラビット』基本情報
邦題 | ジョジョ・ラビット |
原題 | Jojo Rabbit |
キャスト | ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス) エルサ(トーマシン・マッケンジー) ミス・ラーム(レベル・ウィルソン) ディエルツ大尉(スティーブン・マーチャント) フィンケル(アルフィー・アレン) クレンツェンドルフ大尉(サム・ロックウェル) ロージー(スカーレット・ヨハンソン) |
監督 | タイカ・ワイティティ |
脚本 | タイカ・ワイティティ |
原作 | 「CAGING SKIES」 クリスティン・ルーネンズ |
製作 | カーシュー・ニール タイカ・ワイティティ チェルシー・ウィンスタンリー |
製作総指揮 | ケヴァン・ヴァン・トンプソン |
撮影監督 | ミハイ・マライメア・Jr |
美術 | ラ・ヴィンセント |
公開年 | 2019年 |
上映時間 | 109分 |
著作権 | ©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation and TSG Entertainment Finance LLC |
映画『ジョジョ・ラビット』の魅力・見どころ
映画『ジョジョ・ラビット』はポップな配色とテンポで進む映画で、主人公のジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)はどこへ行こうとしているのか、最初はよくわかりませんでした。
というのはテンションがあまりにもハイテンションだったからです。
『振り切った勢い』と言った方がいいのかも。
映画の前半は、映画のテンションに振り落とされないようについていけば楽しめます。
なんなら2回目を劇場で鑑賞するとより楽しめる作品です。
ジョジョは強がりで、ナチスへの忠誠心は強く、ユダヤ人を憎むドイツ人として理想的な10代の男の子。
映画の中で彼は成長して大人に近づきます。
最後は心がポカポカする映画でした。
- 幼いゆえの不注意
- 憧れのあまり本質を見抜けない若さ
- 大切なものを失う悲しさ
- 見えないが最も大切な心
- 彼を実は支えていた数々の大人たち
- 束縛は間違いだと気づく愛情
彼は映画の中でこういった経験をしていきます。
強がりだけど気が弱く不器用な彼が、成長していく過程は観ていて可愛かったし、最後にはちょっぴりたくましくなっていた。
好みで言えば大好きな分類に入る映画でした。
例えば、ジブリ『天空の城ラピュタ』のパズーは女の子1人助けられない、何もできない自分の情けなさに気がつき、彼は自分の弱さと力が足りないことを認め、その上で女の子を助けるために空賊に力を借り、最後には女の子を助けます。
少年が無力さを知り、解決手段をみつけ男になる物語です。
ところが『ジョジョ・ラビット』のジョジョはまだそのレベルに達していません。
彼はまだ、自分の価値観を持たず、大人たちが与えた価値観の世界で生きているのです。
自分が何者なのか、本当は何をしたいのか?何をするべきなのか、わからない。
ナチスに憧れ、アドルフ・ヒトラーに憧れ、憧れたナチスが絶対の正義だと頑なに信じ、疑うことを知らない。
まだ、周りの大人たちが手をかけないとどんな答えも導き出せない、そんな幼さが残る子どもです。
ジョジョの靴紐をいつも結んでくれる母親ロージー、彼が大きな失敗をしても決して怒らずそれでいて一人前の男として見守ってくれるミスターKことクレンツェンドルフ大尉、いつも距離をとって見守っているだけのミス・ラーム。
この映画の中では、そんな彼らはジョジョに余計なことは言いません。
必要なときに必要なことだけを語り、そして命をかけて彼を愛してくれます。
子どもは放っておいても成長する、道を踏み外しそうなときだけ心をかけてくれるます。
ジョジョを信じてくれる大人たちがいるから、ジョジョも彼らを信じ、愛することができたわけです。
この映画『ジョジョ・ラビット』には愛おしい子どもと、カッコいい大人たちがたくさん出てきます。
運命の出会い
そして、ジョジョが運命的な出会いを果たすユダヤ人のエルサ(トーマシン・マッケンジー)。
第二次世界大戦時代のドイツではユダヤ人は人間ではない劣等な生物、悪魔だと教えられていました。
熱狂的なナチス信者であるジョジョはもちろん、エルサに警戒します。
エルサは人間ではない下等な生物で危険な存在だと教えられているからです。
今見ればあまりにも滑稽な言い草ですが、ユダヤ人迫害は歴史がそれを証明しています。
ジョジョはエルサと出会い、彼女との会話を通じて『間違った大人たち(ナチス)が与えた価値観』を通して観ていた物を、ジョジョは自分の目(価値観)を通してエルサを少しずつ理解し、彼女を観ていくことになります。
カッコいい大人たちがいて、怖いドイツ警察、戦争があって、それでナチスを信じて育った少年がいろんなことに気づいて大人に近づく物語です。
事故、警戒、自己中心から他人への興味、恋、戦争、死、友情、迫害、自由の獲得、束縛から愛を理解する。
前半の陽気なハイテンションからクライマックスは想像できない展開になります。
かっこいい大人たちが子どもたちのために未来を切り開いてくれる希望が見え隠れしており、映画を引き立ててくれています。
映画『ジョジョ・ラビット』のキャストの魅力に迫ります
ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)
ジョジョはナチス信者。
青少年集団ヒトラーユーゲントの合宿に参加することになる。
ジョジョが不安になるといつも現れる空想上のアドルフに「僕は無理かも」と呟くと、アドルフに「お前はひ弱で人気もない。だが、ナチスへの忠誠心はピカイチだ」と励まされる。
ナチス信者であることを除けば、お母さんに甘えるどこにでもいるひ弱な少年。それがジョジョ。
- Roman Griffin Davis(ローマン・グリフィン・デイビス)
- 生年月日 2007年3月5日
- 出身地 イングランド・ロンドン
- 主な映画出演作品
- Jojo Rabbit(ジョジョ・ラビット・2019) / 主演 ジョジョ 役
エルサ(トーマシン・マッケンジー)
帰宅したある日、亡くなった姉のインゲの部屋で隠し扉を発見する。
隠し部屋から現れたユダヤ人少女がエルサ。
「通報すれば?あんたもお母さんも協力者だと言うわ。全員死刑よ」とエルサに脅されるジョジョ。
- Thomasin McKenzie(トーマシン・マッケンジー)
- 生年月日 2000年7月26日
- 出身地 ニュージーランド・ウェリントン
- 主な映画出演作品
- Jojo Rabbit(ジョジョ・ラビット・2019) / 主演 エルサ 役
ロージー(スカーレット・ヨハンソン)
ジョジョの母親ロージー。
利発で自分の意思を貫き通す芯の強い大人の女性。
戦争や争いよりも平和と愛を信条としている。
ジョジョを誰よりも愛している。
- Scarlett Johansson(スカーレット・ヨハンソン)
- 生年月日 1984年11月22日
- 出身地 アメリカ合衆国ニューヨーク
- 主な映画出演作品
- Jojo Rabbit(ジョジョ・ラビット・2019) / ロージー 役
- Marriage Story(マリッジ・ストーリー・2019) / ニコール・バーバー 役
- Avengers: Endgame(アベンジャーズ/エンドゲーム・2019) / ナターシャ・ロマノフ(ブラック・ウィドウ) 役
ミス・ラーム(レベル・ウィルソン)
ナチスの女性兵士ミス・ラーム。
青少年集団ヒトラーユーゲントに入隊した子どもたちの世話係り。
そして、子どもたちのお姉さん的な役割をしてくれる。
言葉にはしないが、子どもたちへの愛情が行動から伝わってくる。
- Rebel Wilson(レベル・ウィルソン)
- 生年月日 1980年3月2日
- 出身地 オーストラリア・シドニー
- 主な映画出演作品
- Cats(キャッツ・2019) / ジェニエニドッツ 役
- Jojo Rabbit(ジョジョ・ラビット・2019) / ミス・ラーム 役
- Night at the Museum: Secret of the Tomb(ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密・2014) / ティリー 役
- Pitch Perfect(ピッチ・パーフェクト・2012) / ファット・エイミー 役 / MTVムービー・アワード: 新人賞 (2013)・ティーン・チョイス・アワード 映画部門: コメディ女優賞 (2013) など
クレンツェンドルフ大尉(サム・ロックウェル)
青少年集団ヒトラーユーゲントの子どもたちの教育担当。
銃の扱いは超一流。
多くを語らないが周りをしっかり観察し、必要なことだけを的確に子どもたちに教える。
失敗した子どもをしかりはせず、暖かく見守ってくれ、理想の父親のような行動を終始みせてくれる。
- Sam Rockwell(サム・ロックウェル)
- 生年月日 1968年11月5日
- 出身地 アメリカ合衆国 カリフォルニア州
- 主な映画出演作品
- Jojo Rabbit(ジョジョ・ラビット・2019) / クレンツェンドルフ大尉 役
- Richard Jewell(リチャード・ジュエル・2019) / 弁護士 ワトソン・ブライアント 役
- Three Billboards Outside Ebbing, Missouri(スリー・ビルボード・2019) / ジェイソン・ディクソン 役 / ゴールデングローブ賞助演男優賞受賞 ・全米映画俳優組合賞助演男優賞受賞・第90回アカデミー賞助演男優賞受賞
■サム・ロックウェルはこちらの映画でもいい人です
映画『ジョジョ・ラビット』のまとめ
第二次世界大戦時の少年の目線で語られる愛と平和と成長物語。
戦争を題材にすると悲惨さや、悲壮感が前に出やすくなるが、映画から伝わってくるメッセージはそうではありませんでした。
『どんなに苦しいてきでも、笑顔と夢を持ち続けて生きろ』そういうテーマをこの映画は伝えてようとしているのだと思います。
このテーマを象徴しているシーンがこの次のシーンです。
タバコを咥え、武器を構え、派手な衣装で走り回るクレンツェンドルフ大尉。
敢えて目立つ衣装で戦場に飛び込んでいく。
ある人が言っていました。
『大人はいざとなったとき、自分の命か子どもの命か迫られた時、子どもの命を優先しろ』と。
『順番で言えば、大人が先に死ぬ。未来ある子どもを優先しない大人はだめだ』と。
『子どもをみんなで守り、育てよう。戦争は悲惨だ』というメッセージをこの映画はとてもカッコよく、スマートに伝えてくれています。
以上、「映画『ジョジョ・ラビット』感想・レビュー(大人たちの愛が溢れる親子で観たい作品)」でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
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