クリント・イーストウッド監督作品、映画『リチャード・ジュエル』が2020年1月14日に国内公開されています。
『アメリカン・スナイパー』『ハドソン川の奇跡』『15時17分、パリ行き』『運び屋』と、これまでも事実を元に作品を描いてきたクリント・イーストウッド監督。
映画『リチャード・ジュエル』は1996年のアトランタオリンピックのイベント会場で、爆弾を発見して多くの人々を救った英雄でありながら容疑者にされてしまった実在の警備員リチャード・ジュエルを描いた作品。
今作『リチャード・ジュエル』は記念すべき40作品目であり、今年の5月でクリント・イーストウッド監督は90歳を迎えます。
映画『リチャード・ジュエル』予告編
YouTube 『ワーナー ブラザース』 公式チャンネルより
映画『リチャード・ジュエル』本予告 2020年1月17日(金)全国ロードショー
1996年アトランタ爆破事件の実話。その日、全国民が敵になった。 爆破事件の容疑者にされた男〈リチャード・ジュエル〉。 彼の味方になったのは、世界いち無謀な弁護士だった。今、全国民を相手に反撃がはじまる。 「この物語は、今、我々の周りで起きていることとすごく似ているんだ。」クリント・イーストウッド(監督)
映画『リチャード・ジュエル』あらすじ
引用元:映画『リチャード・ジュエル』オフィシャルサイト 大ヒット上映中より
[実話]
爆破事件の容疑者にされた男〈リチャード・ジュエル〉。 彼の味方になったのは、世界いち無謀な弁護士だった
今、全国民を相手に反撃がはじまる。1996年、警備員のリチャード・ジュエルは米アトランタのセンテニアル公 園で不審なリュックを発見。
その中身は、無数の釘が仕込まれたパイプ 爆弾だった。事件を未然に防ぎ一時は英雄視された彼だが、現地の新聞社とテレビ 局がリチャードを容疑者であるかのように書き立て、実名報道したことで 状況は一変。
さらに、FBIの徹底的な捜査、メディアによる連日の過熱報道により、リチャードの人格は全国民の目前でおとしめられていった。そこへ異を唱えるため弁護士のワトソンが立ち上がる。
無実を信じ続けるワトソンだが、そこへ立ちはだかるのは、FBIとマスコミ、そしておよそ3 億人の人口をかかえるアメリカ全国民だったー。監督は、2020年で90歳を迎える巨匠クリント・イーストウッド。
『アメリカ ン・スナイパー』を超える緊迫感と共に、”知られざる真相“への興味と 感心を絶えず刺激し続けながら、心優しい男が、なぜ全国民の敵となってしまったのか?を追うサスペンスフルドラマとして描き出す。
SNSが人々の生活に根付き、姿なき誹謗中傷が蔓延する現代社会。誰もが「被害者」や「加害者」になりえる今の世の中へ、クリント・イーストウッドが警鐘を鳴らす。
映画『リチャード・ジュエル』基本情報
邦題 | リチャード・ジュエル |
原題 | RICHARD JEWELL |
キャスト | 警備員 リチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー) 弁護士 ワトソン・ブライアント(サム・ロックウェル) 母親 ボビ・ジュエル(キャシー・ベイツ) FBI捜査官 トム・ショウ(ジョン・ハム) 新聞記者 キャシー・スクラッグス(オリビア・ワイルド) |
監督 | クリント・イーストウッド |
製作 | クリント・イーストウッド ティム・ムーア ジェシカ・マイヤー ケビン・ミッシャー レオナルド・ディカプリオ ジェニファー・デイビソン ジョナ・ヒル |
脚本 | ビリー・レイ |
原案 | マリー・ブレナー |
撮影 | イブ・ベランジェ |
編集 | ジュエル・コックス |
衣装 | デボラ・ホッパー |
音楽 | アルトゥロ・サンドバル |
公開 | 2019年 |
上映時間 | 131分 |
著作権 | (C)2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. |
映画『リチャード・ジュエル』感想・レビュー
映画『リチャード・ジュエル』では、作品を見る限りでは欲の皮が張ったマスコミが暴走し、マスコミにFBIも利用されて無実の人間リチャード・ジュエルが容疑者として実名報道されてしまう。
多くの命を救った英雄が第1容疑者として実名報道されたことで、リチャード・ジュエルは人生で最悪の3ヶ月間を生活したことになる。
FBI、マスコミ、そしてアメリカの世論から、リチャードとその母親は人間の権利と尊厳を奪われていく。
名誉は不名誉に代わり、多くのバッシング、嫌がらせ、FBIの捜査により全ての家財道具を奪われ、あらゆる人権がなくなっていく。
本当に恐ろしい映画だったし、あってはいけない事件だった。
救いだったのはリチャード・ジュエルの無実を信じてくれた、母親と弁護士。
最後にはもちろん、嫌疑が晴れるわけだけれど、『反撃を始めるか?』の弁護士ワトソン(サム・ロックウェル)のセリフはとてもカッコ良かったです。
ワトソンのそのセリフを皮切りに、物語は急展開を見せていきました。
映画『リチャード・ジュエル』キャスト
警備員 リチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)
母親と2人ぐらしの警備員。
正義を何よりも重んじており、『人の命を守りたい』という信念が彼を動かしている。
- Paul Walter Hauser(ポール・ウォルター・ハウザー)
- 生年月日 1986年10月15日
- 出身地 アメリカ合衆国ミシガン州
- 主な映画出演作品
- Richard Jewell(リチャード・ジュエル・2019) /主演 リチャード・ジュエル 役
- I, Tonya(アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル ・2017) / ショーン・エッカート 役
弁護士 ワトソン・ブライアント(サム・ロックウェル)
弁護士ワトソン。
色眼鏡を持たず、誰にも平等に接する温厚な紳士。
しかし、一度依頼人が権利を奪われれば人が変わったように全力で守ってくれる。
リチャード・ジュエルの友達ということではあるが、映画の中での2人の関係は兄弟のようでもある。
もちろん、ワトソンが兄で弟のリチャードを全力で守る役。
- Sam Rockwell(サム・ロックウェル)
- 生年月日 1968年11月5日
- 出身地 アメリカ合衆国 カリフォルニア州
- 主な映画出演作品
- Jojo Rabbit(ジョジョ・ラビット・2019) / クレンツェンドルフ大尉 役
- Richard Jewell(リチャード・ジュエル・2019) / 弁護士 ワトソン・ブライアント 役
- Three Billboards Outside Ebbing, Missouri(スリー・ビルボード・2019) / ジェイソン・ディクソン 役 / ゴールデングローブ賞助演男優賞受賞 ・全米映画俳優組合賞助演男優賞受賞・第90回アカデミー賞助演男優賞受賞
■サム・ロックウェルがかっこいいもう1つの映画『ジョジョ・ラビット』
母親 ボビ・ジュエル(キャシー・ベイツ)
息子のリチャード、そして、愛犬と暮らしている。
温厚なお母さん。
たくさんの人命を救った息子を誇りに思っていたが立場が一転、息子が爆弾犯と呼ばれて困惑する。
連日、FBIやメディアに追い回されて、情緒不安定になっていく。
- Kathy Bates(キャシー・ベイツ)
- 生年月日 1948年6月28日
- 出身地 アメリカ合衆国テネシー州
- 主な映画出演作品
- Richard Jewell(リチャード・ジュエル・2019) / ボビー・ジュエル 役 / 第92回アカデミー賞 助演女優賞ノミネート
- The Day the Earth Stood Still(地球が静止する日・2008)/ レジーナ・ジャクソン 役
- Misery(ミザリー・1990) / アニー・ウィルクス / アカデミー主演女優賞 受賞・ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ドラマ部門) 受賞
FBI捜査官 トム・ショウ(ジョン・ハム)
犯罪捜査において犯罪の性質や特徴から行動科学的に分析するプロファイリングをおこない、リチャード・ジュエルが爆弾犯だと信じて疑わないFBI捜査官。
プロファイリングを優先し、リチャード・ジュエルを犯人にしたてようとする。
- Jon Hamm(ジョン・ハム)
- 生年月日 1971年3月10日
- 出身地 アメリカ合衆国ミズーリ州
- 主な映画出演作品
- Richard Jewell(リチャード・ジュエル・2019) / トム・ショー 役
- The Day the Earth Stood Still(地球が静止する日・2008)/ マイケル・グレイニア博士 役
新聞記者 キャシー・スクラッグス(オリビア・ワイルド)
リチャード・ジュエルがFBIの第一容疑者であることを一番最初に報道する新聞記者。
実力もあり野心家のところがあり、いつも1面記事を飾っていることを自慢している。
- Olivia Wilde(オリビア・ワイルド)
- 生年月日 1984年3月10日
- 出身地 アメリカ合衆国 ニューヨーク州
- 主な映画出演作品
- Richard Jewell(リチャード・ジュエル・2019) / キャシー・スクラッグス 役
- Her(her/世界でひとつの彼女・2013) / アメリア 役
- Tron: Legacy(トロン: レガシー・2010) / クオラ 役
映画『リチャード・ジュエル』まとめ
FBIとメディアリンチの問題点を赤裸々にする映画だと思っていたが、実はそれだけではなかった。
この映画で描かれた出来事を中立の立場で7つに整理
- FBI(捜査官)は職務に忠実であり、彼らの行動に非は基本ない。
- メディアも職務に忠実であり、彼らに非は基本ない。
- 初動捜査の曖昧な情報のまま容疑者情報を漏らしたFBIはダメ。
- 事件捜査の容疑者情報を過大に報道したメディアもダメ。
- 裏も取らずに報道した新聞と、それに乗っかった他のメディアもダメ。
- 爆弾の第一発見者のリチャード・ジュエルはいい人だが素行は最悪。
- 疑われやすい素行をしているジュエルは自業自得でもある。
SNS情報を見て、わかったつもりになって正義感を振りかざし、他人を貶めることは間違いです。
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