映画『パターソン』感想・レビュー(普遍的な愛と幸せを語る/アダム・ドライバー主演)

映画『パターソン』 ラブストーリー
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映画『パターソン(原題:Paterson)』
第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品
監督・脚本 ジム・ジャームッシュ
主演:アダム・ドライバー

主役のパターソンを演じるアダム・ドライバーは、スター・ウォーズEP7,8,9でダークサイドに落ちたカイロ・レン(ベン・ソロ)を見事に演じ有名になりました。
パターソンの妻役のローラを演じるゴルシフテ・ファラハニは、最近Netflixの史上最高の視聴世帯数を獲得した「タイラー・レイク( 公開
2020年4月24日 世界同時配信)」に出演し、強い女性キャラを演じました。

アダム・ドライバーもゴルシフテ・ファラハニも演技派の名俳優たち。

そして、2人の飼い犬マーヴィンを演じるネリーは第69回カンヌ国際映画祭でパルム・ドック賞を受賞。

実力派俳優と名犬が演じる日常系の静かなドラマです。

映像も美しい、表現する詩人たちの詩が生み出す情景も美しい。

そして、優しさと勇気を与えてくれる心温まる映画です。

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映画『パターソン』予告編

引用元:YouTube:映画配給会社ロングライド 公式チャンネル『パターソン』honnyokoku 8/26(土)公開より

【Story】
ニュージャージー州パターソンに住むバス運転手のパターソン(アダム・ドライバー)。
彼の1日は朝、隣に眠る妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)にキスをして始まる。
いつものように仕事に向かい、乗務をこなす中で、心に芽生える詩を秘密のノートに書きとめていく。
帰宅して妻と夕食を取り、愛犬マーヴィンと夜の散歩。バーへ立ち寄り、1杯だけ飲んで帰宅しローラの隣で眠りにつく。
そんな一見変わりのない毎日。しかしー。
パターソンの日々を、ユニークな人々との交流と、思いがけない出会いと共に描く、ユーモアと優しさに溢れた7日間の物語。

映画『パターソン』基本情報

  • 原題:Paterson
  • 邦題:パターソン
  • 監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
  • 美術:マーク・フリードバーグ
  • 衣装 :キャサリン・ジョージ
  • 音響:ロバート・ハイン
  • 撮影:フレデリック・エルムズ
  • プロデューサー:
    • ジョシュア・アストラカン
    • カーター・ローガン
  • エグゼクティブ・プロデューサー
    • ダニエル・バウアー
    • ロナルド・ボズマン
      ジャン・ラバディ
    • オリヴァー・シモン
  • 上映時間 1時間57分
  • 著作権 (C) 2016 Inkjet Inc. All Rights Reserved.

映画『パターソン』感想・レビュー

ニュージャージー州パターソン市の街並みの映像が美しい。

アダム・ドライバーをはじめとした俳優たちの優しい演技。
そして、犬のネリーがいい味を出している。

作品はとても心温まる優しい気持ちになり、そして、最後に勇気を与えてくれる映画でした。

個人的にサスペンス、ホラー、アクション、SF映画が特に好きですが、映画『パターソン』のような人物の日常にフォーカスした映画も好きです。

この『パターソン』を観てすぐ思い出したのが、ジョン・キャロル・リンチ監督、名脇役 ハリー・ディーン・スタントンの遺作であり、最後の主演作となった『ラッキー(2017)』でした。

『パターソン』と『ラッキー』は似た匂いがする作品です。

2作品とも『本当の幸せとは意外とすぐそばにあるのかもしれない』ということを教えてくれます。

心の端にもし、少しスキマ風が吹いているときに観ると勇気をたくさんもらえるでしょう。

とても心温まる作品です。

上映時間は1時間57分と日常系映画としては長めですが、飽きをかんじさせません。
少しのんびりしたい時に観てもいいかもしれませんね。

映画『パターソン』の愉快な登場人物たち

パターソン(アダム・ドライバー)

映画『パターソン』より アダム・ドライバーが演じる、パターソン

映画『パターソン』より
アダム・ドライバーが演じる、パターソン
(C) 2016 Inkjet Inc. All Rights Reserved.

市営バスの運転手パターソン。
物静かで不満も言わず、いつもマイペースに過ごしている。
彼女のローラを愛し、仕事には忠実で、犬の散歩も毎日欠かさず、バーにも毎晩通う。
また、詩を書くことも読むこともこよなく愛する詩人でもある。

  • Adam Driver
  • 生年月日 1983年11月19日
  • 出生地 アメリカ合衆国カリフォルニア州
  • 主な映画出演作品
    • Star Wars: The Rise Of Skywalker(EP9 スカイウォーカーの夜明け・2019) / カイロ・レン 役
    • Marriage Story(マリッジ・ストーリー・2019) / チャーリー・バーバー
    • BlacKkKlansman(ブラック・クランズマン・2018) / フィリップ・“フリップ”・ジマーマン刑事 役 / アカデミー助演男優賞ノミネート・ゴールデングローブ賞 助演男優賞ノミネート・英国アカデミー賞 助演男優賞ノミネート
    • Star Wars: The Last Jedi(EP8 最後のジェダイ・2017)/ カイロ・レン 役
    • Paterson(パターソン・2016) / 主演 パターソン 役 / ロサンゼルス映画批評家協会賞主演男優賞受賞
    • Star Wars:The Force Awakens(EP7 フォースの覚醒・2015) / カイロ・レン 役
    • Hungry Hearts(ハングリー・ハーツ・2014) / ジュード 役 / ヴェネツィア国際映画祭男優賞受賞

ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)

映画『パターソン』より ゴルシフテ・ファラハニが演じる、ローラ

映画『パターソン』より
ゴルシフテ・ファラハニが演じる、ローラ
(C) 2016 Inkjet Inc. All Rights Reserved.

パターソンの妻ローラ。
彼女もパターソンに負けじとマイペース。
ただし、パターソンが“静”のマイペースだとすれば、ローラは“動”のマイペース。
芸術肌で毎日アクティブに暮らしている。

  • Golshifteh Farahani(ゴルシフテ・ファラハニ)
  • 生年月日 1983年7月10日
  • 出身地 イラン・テヘラン
  • 主な映画出演作品
    • Extraction(タイラー・レイク -命の奪還-・2020) / ニク・カーン 役
    • Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales(パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊・2017) / ハイファ・メニ 役
    • Paterson(パターソン・2016) /ローラ 役
    • Poulet Aux Prunes(チキンとプラム 〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜・2011) / イレーネ 役

▼ゴルシフテ・ファラハニの出演映画『タイラー・レイク -命の奪還-』『パターソン』の紹介記事

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ドク(バリー・シャバカ・ヘンリー)

映画『パターソン』より バリー・シャバカ・ヘンリーが演じる、ドク

映画『パターソン』より
バリー・シャバカ・ヘンリーが演じる、ドク
(C) 2016 Inkjet Inc. All Rights Reserved.

パターソンが通うバーのバーテンダーのドク。
バーとお客とチェスをこよなく愛している。

  • Barry Shabaka Henley(バリー・シャバカ・ヘンリー)
  • 生年月日 1954年9月15日
  • 出身地 アメリカ合衆国 ルイジアナ州
  • 主な映画出演作品
    • Lucky(ラッキー・2017) / ジョー 役
    • Paterson(パターソン・2016)/ ドク 役
    • Miami Vice(マイアミ・バイス・2006) / マーティン・キャステロ 役

ネリー(マーヴィン)

映画『パターソン』より ネリーが演じる、マーヴィン

映画『パターソン』より
ネリーが演じる、マーヴィン
(C) 2016 Inkjet Inc. All Rights Reserved.

イングリッシュ・ブルドッグの雌犬マーヴィン。
パターソンと毎晩散歩に出かけて、彼がバーに入っている間は大人しく待っている賢い犬。

【ネリーについて】

  • ブロードウェイのアニマルトレーナーと生後10ヶ月で出会う
  • 映画『パターソン』の撮影中にネリーに癌があることが発見
  • 映画『パターソン』はネリーの体調に合わせてスケジュールを調整し撮影される
  • 第69回カンヌ国際映画祭でパルム・ドック賞を受賞するが、残念なことにネリーは受賞前に他界

最も素晴らしい演技をした演者の1人だったと私は思います。

映画『パターソン』まとめ

バス運転手パターソン(アダム・ドライバー)の月曜の朝から始まって、1週間後の月曜の朝で映画は終わります。

パターソンは聞き上手であり、他人を思いやり、正義感が強い彼の日常が観るものの心を癒してくれます。

仕事と妻と犬とバー、そういったパターソンの日常をただただ描いています。

でも、同じ1日は1つとしてやってこない。

この映画はとにかく美しい。

美しい映像と詩で綴られる物語であり、何気なく繰り返される日常でもその中には光り輝く何かが必ずあることを教えてくれます。
パターソンの目には毎日が光り輝いて見えていた。
それはパターソンが詩人だからなのか?

パターソンは『詩』を通じて日常の光を見つけていましたが、妻のローラも日常から光を見つけだし毎日生き生きしていました。
彼女は詩人ではありません。
それでもパターソンのように毎日イキイキしていたのはパターソンと同じように好奇心や感受性が強かったからでしょう。

誰もが心の中の好奇心や感受性を高めれば、そこに普段は見えない日常の中の光が見えてくる。
そういう美しさを映画で表現しています。

詩を綴るための真っ白なページには新しい無限の可能性を感じます。

苦しみや悲しみの前で落ち込むよりも、その無限の可能性に目を向けたくなる、最後には勇気をくれる映画です。

以上、「映画『パターソン』感想・レビュー(普遍的な愛と幸せを語る/アダム・ドライバー主演)」でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

コメント

  1. […] ミヤカワ映画ブログ映画『パターソン』感想・レビュー(普遍的な愛と幸せを語り、美しい無限の可能性…https://miyakawa.me/2020/05/08/8485/映画『パターソン(原題:Paterson)』第69回カンヌ国 […]

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