映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』感想・レビュー（終わり、そして、始まり）

映画『るろうに剣心 最終章』の第2部『The Beginning』が2021年6月4日より公開されています。

劇場版『るろうに剣心』の9年の歴史が華々しく綴じられ、伝説となる映画が日本映画史に誕生しています。

これまでのシリーズ構成は今回の最終章を含めて以下の通りです。

1〜4 番のるろうに剣心シリーズでは、緋村剣心（佐藤健）の剣客浪漫譚を存分に描いたアクション映画でした。
特に『るろうに剣心 最終章 The Final』はその名に相応しく、最高の剣客浪漫譚のグランドフィナーレとなりました。

映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning（2021年6月4日公開）』はるろうに剣心シリーズの本当の終わりであり、そして、始まりの物語です。

緋村剣心が「人斬り抜刀斎」と呼ばれるにに至った経緯をもう一度丁寧に描き、新時代を迎えた人斬り抜刀斎がどのような経緯で「不殺の誓い」を立てたのかシリーズ最大の謎が明かされます。

映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』予告編＆ストーリー

引用元：ワーナー ブラザース 公式 YouTube チャンネルより

ストーリー

動乱の幕末。緋村剣心は、倒幕派・長州藩のリーダー桂小五郎のもと暗殺者として暗躍。
血も涙もない最強の人斬り・緋村抜刀斎（ひむらばっとうさい）と恐れられていた。

ある夜、緋村は助けた若い女・雪代巴（ゆきしろともえ）に人斬りの現場を見られ、口封じのため側に置くことに。

その後、幕府の追手から逃れるため巴とともに農村へと身を隠すが、そこで、人を斬ることの正義に迷い、本当の幸せを見出していく。

しかしある日突然、巴は姿を消してしまうのだった…。

なぜ、剣心は2度と人を斬らないと誓ったのか？そして、なぜ、妻を斬殺しなければならなかったのか？＜十字傷＞に秘められた真実が、今、明かされる――。

映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』基本情報

• 原作：和月伸宏「るろうに剣心－明治剣客浪漫譚－」（集英社ジャンプ コミックス刊）
• 監督／脚本：大友啓史
• 音楽：佐藤直紀　主題歌：ONE OK ROCK “Broken Heart of Gold”
• 製作：映画「るろうに剣心　最終章 The Beginning」製作委員会
• 制作プロダクション／配給：ワーナー・ブラザース映画
• キャスト
  • 佐藤 健
  • 有村架純
  • 高橋一生
  • 村上虹郎
  • 安藤政信
  • 北村一輝
  • 江口洋介
• © 和月伸宏／ 集英社 ©2020 映画「るろうに剣心　最終章 The Beginning」製作委員会

映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』感想・レビュー

劇場でるろうに剣心シリーズの本当の最後の映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』の本編が終わり、「るろうに剣心」のタイトルが表示された時、感じたことは「ありがとう」という感動だった。

何に対しての「ありがとう」だったのかと言えば、2012年から続いた劇場作品実写版の「るろうに剣心」を儚くも美しく終わらせてくれたことでした。
まさに有終の美を飾った作品だと思います。

幕末の動乱期に大人の都合で人斬りになった緋村剣心の苦悩がひしひしとスクリーンから伝わってきました。
緋村抜刀斎は何十人と人を切り続けても「新しい新時代と人々の幸せのため」という大義を信じ、純粋で素直な（私はそう感じた）まっすぐな目をしていた。

そんな純粋な剣心だからこそ、新時代になり人助けの流浪人になったのだろうと思います。

人斬り抜刀斎（緋村剣心）

緋村剣心を演じつづけてきた佐藤健が、緋村剣心の過去、人斬り抜刀斎と呼ばれた時代を演じている。

今年32歳の佐藤健だが、演技と演出で若者が持つ特有の揺らぎや弱さ、迷いなどがひしひしと伝わってきました。

戦い方も逆刃刀を振り回す打撃の戦いから、真剣を用いた人斬り抜刀斎としての払い切る戦いにアクションが変わります。
日本刀本来の戦い方ができるようになったことで、人斬り抜刀斎の戦い方の幅が広がったことが感じられると思います。
佐藤健が人斬り抜刀斎を演じるのは10年振りなので、そこも本作の見どころです。

特に新選組一番隊組 沖田総司（村上虹郎）と人斬り抜刀斎の一騎打ちのシーンはカメラ・ノーカットの長回しで鬼気迫るシーンでした。

幕末ロマンス

これまでの4作「るろうに剣心」シリーズは剣客浪漫譚として緋村剣心の完全無双による正義を楽しむ物語ですが、この作品『るろうに剣心 最終章 The Beginning』は全く異なる路線でした。

本作『るろうに剣心 最終章 The Beginning』では抜刀斎が雪代 巴と出会い、どのようにして「不殺の誓い」を立て、のちの「るろうに剣心」に至ったのか、こちらのストーリーがメインです。

抜刀斎と雪代巴のあまり言葉で語らない静かな関係性でありながら、お互いに心では認め合っていることが伝わる演技は非常に貴重だと思いました。

映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』は2人の関係を軸とした真っ当な幕末ロマンスであり、映画館で観るに値する映像作りだったでしょう。

アクションを求めるだけの観客には物足りなさがあったかもしれませんが、この『The Beginning』は緋村剣心の原点であり、全ての物語の原点であるため映画化する上で決して避けては通れなかったでしょう。

人斬りとしての贖罪に苦しむ緋村剣心、仇を愛してしまった贖罪に涙する雪代巴の儚くて美しい幕末ロマンスをぜひ、多くの人に楽しんでほしいと感じた作品でした。

映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』キャストで振り返る

佐藤 健（緋村剣心（抜刀斎） 役）

飛天御剣流の修行の身でありながら、幕末の動乱期に新時代を切り開き、幸せな世を築く大義のために、人斬り稼業を引き受けた緋村剣心。
人斬り抜刀斎として恐れられている。

• 佐藤 健
• 生年月日　 1989年3月21日
• 出身地　埼玉県
• 主な映画出演作品
  • るろうに剣心シリーズ / 緋村剣心 役
    • るろうに剣心（2012年8月25日公開）
    • るろうに剣心 京都大火編（2014年8月1日公開）
    • るろうに剣心 伝説の最期編（2014年9月13日公開）
    • るろうに剣心 最終章 The Final（2021年4月23日公開）
    • るろうに剣心 最終章 The Beginning（2021年6月4日公開）
  • 億男（2018年） / 主演 大倉一男 役（高橋一生とのW主演）

有村 架純（雪代 巴 役）

夫になるはずだった幼馴染を人斬り抜刀斎に殺され、抜刀斎を仇として憎む若く美しい女性。
抜刀斎に近づき抜刀斎の内偵に努めるが、長い月日を重ねお互いに関わり合う間にいつしか2人の間には情が生まれ、その情はいつしか愛情に変わる。
しかし、幕末の乱世が2人の幸せを許さない。

• 有村 架純
• 生年月日　1993年2月13日
• 出身地　兵庫県
• 主な映画出演作品
  • ろうに剣心 最終章 The Beginning（2021年6月4日公開） / 雪代 巴 役
  • 花束みたいな恋をした / 主演 八谷絹 役
  • コーヒーが冷めないうちに -4回泣けます- / 主演 時田数 役

江口 洋介（斎藤 一 役）

新撰組三番隊組長の斎藤一。
人斬り抜刀斎との初顔合わせのシーンが描かれる。

• 江口 洋介
• 生年月日　1967年12月31日
• 出身地　東京都
• 主な映画出演作品
  • るろうに剣心シリーズ（ワーナー・ブラザース映画） / 斎藤一 役
    • るろうに剣心（2012年8月25日公開）
    • るろうに剣心 京都大火編（2014年8月1日公開）
    • るろうに剣心 伝説の最期編（2014年9月13日公開）
    • るろうに剣心 最終章 The Final（2021年4月23日公開）
    • るろうに剣心 最終章 The Beginning（2021年6月4日公開）
  • コンフィデンスマンJPシリーズ / 赤星栄介 役
    • コンフィデンスマンJP -ロマンス編-（2019年5月17日公開）
    • コンフィデンスマンJP -プリンセス編-（2020年7月23日公開）

高橋 一生（桂小五郎 役）

長州藩出身の武士で幕末の攘夷志士の桂小五郎。
緋村剣心に新時代を切り開く大義のために暗殺者になるように説得する。

• 高橋 一生
• 生年月日　1980年12月9日
• 出身地　東京都
• 主な映画出演作品
  • るろうに剣心 最終章 The Beginning（2021年6月4日公開）/ 桂小五郎 役
  • スパイの妻〈劇場版〉（2020年） / 福原優作 役
  • ロマンスドール（2020年） / 主演 北村哲雄 役
  • 引っ越し大名！（2019年） / 鷹村源右衛門 役
  • 億男（2018年） / 主演・古河九十九 役（佐藤健とのW主演）

映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』終わりに

本当に終わりました。
るろうに剣心実写劇場版シリーズが。
綺麗な終わり方だったと思います、本当に終わったんだなって寂しくも感じました。

終わったけれど、始まりのストーリーでもある映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』は切なくて儚い終わり方でしたが、緋村剣心の正直さと純粋さと力強さを伝える良い仕上がりでした。

シリーズを通して、緋村剣心は常に優しさと強さを兼ね備えたスーパーヒーローでした。

そのヒーロー誕生の原点には雪代巴という妻が深く関わっていたことがよく分かりました。
このことを理解した上で、『The Final』のエンディングを改めみると心にグッとくるものがもっと大きく広がった気がしました。

『The Final』を観た後に『The Beginning』を観た人が多いと思いますが、ぜひ、もう一度『The Final』を観てほしいと思いました。

本当にずっと長い間楽しませてくれて、ありがとうございました。

以上、「映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』感想・レビュー（終わり、そして、始まり）」でした。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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