映画「ブレードランナー(1982)」感想・レビューと原作の比較【10/26更新】

ブレードランナー 映画
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ブレードランナーを先日見る機会がありました。
ブレードランナーは1982年公開の映画なので35年以上前の映画です。
実は見るのが今回が初めてでした。

凄くよくできていていい映画だと思いました。

SF小説が原作で舞台は2020年前後(当時から見て近未来)の21世紀が舞台です。

人類の代わりに危険な仕事を行うため製造されたレプリカント(人造人間)が意思と感情を持つ時代。罪を犯した(逃亡・殺人)レプリカントをブレードランナー(役名:リック・デッカード、俳優:ハリソン・フォード)という特殊捜査官が追いかける物語です。

初期から作り直されているブレードランナー

試写会後から何度か撮影や再編集が加わり、表現やエンディングが変化しているそうです。

私が見たのは「ブレードランナー ファイナル・カット版」なので、2007年に世に出た最終版のようです。続編の「ブレードランナー 2049」はブレードランナーから35年後という設定で2017年に公開され、今年の3月にディスクも販売されます。

ブレードランナーの原作にあたる「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」

ブレードランナーには原作にあたる小説があります。

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」というタイトルの本です。

実はブレードランナーを今回見る以前に原作を過去に私読んでるんですよ。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

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日本で原作が発表されたのが1969年なので第2次ベビーブーム、第1次オイルショックがくる数年前になります(映画化される13年前)。

逃亡するアンドロイドを賞金稼ぎのリック・デッカード(主人公)が追い詰めて破壊していいくという設定は同じですが、それ以外はほとんど別のお話です。

レプリカントやブレードランナーという言葉すら出てきていません。

SF小説らしく設定される未来の生活様式や地球や火星といった惑星の描写が出てきます。地球はというと核戦争のため大気が汚染されており、屋外では専用の鉛製の履物を身に付けたりしなくては生活できないような環境になっています。
その為多くの人類は火星に移住しているという設定があります。

映画でのブレードランナー

リック・デッカードは犯罪を犯したレプリカント(人造人間)を捕まえて廃棄する特殊捜査官(ブレードランナー)として警察に協力しています。

リック・デッカードはスペースシャトルを奪い乗組員の人間を全員殺害して逃げている4体のレプリカントを追うことになります。
本作中では製造されてから期間が経ったレプリカントは人間と同じ感情を持つといわれています。

作品、全体を通じて感じるのはレプリカントに対し、レプリカントたらんとするため特殊性(例えば、怪力や殺人能力など)を持たされていますが、死への恐怖、仲間を破壊されたことへの悲しみや怒り、戸惑いなどはまさに人間のそれと変わりません。
彼らレプリカントを見ていると人間とさほど変わらないため、彼らの苦悩が凄くリアルに見えてきますし、人間ってそもそも何だろう?と考えさせられます。

また、レプリカントの破壊(抹殺)を依頼する警察側の関係者(2人出てきます)が出てきます。ブレードランナーに仕事を依頼する所長とその部下です。部下はブレードランナーであるリック・デッカードを監視しており、すべての情報を掌握しているように見受けられます。

エドワード・ジェームズ・オルモス

映画「ブレードランナー」より
エドワード・ジェームズ・オルモス演じる市警のガフ。折り紙を折る癖がある。私には死神に見えました。

特にその部下は僕の中でもお気に入りのわき役ですね。感情をあまり出さないわりには画面の中に出てきたときの存在感が死神のような感じがして好きなんです。
もちろん、レプリカントを破壊するのはブレードランナーですが、何を破壊するのか、何か情報を告げにくる姿が死神に見えてカッコイイいんです。
また、その部下が映画の終わり際に主人公リック・デッカードに語り掛けるある一言に深い意味があるように見えていつもドキドキします。あの一言はリック・デッカードへの思いやりなのか、優しさなの、哀れみなのか。映画の終わりリック・デッカードのどこにも行きつけない出口のない感情への問いかけなのだとすれば、哀れみからの一言だったのかもしれません(僕の主観ですが)。
古い映画だから見たことがある人は多いかもしれませんが、僕の感想理解してくれますでしょうか。

ブレードランナーの見どころ

ショーン・ヤング

映画「ブレードランナー」より
ショーン・ヤングが演じるレイチェル

リック・デッカードのブレードランナーとしての仕事人の勘の鋭さ。

逃亡するレプリカント(4体)たちの狂気とその狂気の背景にある人間臭さ。

ある女性レプリカント(上記写真、レイチェル)と時間を共に過ごすことで生じる未知の感情で揺れ動くリック・デッカード。

レプリカントたちと関わりあうことでブレードランナーとして、あるいは人間としての自分の価値に悩むリック・デッカードの苦悩などが見どころだと思います。

出てくる街並みなどを見ると、押井守監督がこの映画の影響を非常に受けていることが分かります。押井守監督作品の代表作の中にある「 STAND ALONE COMPLEX」「イノセンス」に出てくる荒廃した街並み(市場などの)がそのまま実写になったような様子は見ごたえもあります。

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※1000円程度の安いディスクだと日本語吹き替え版がありません。字幕のみの視聴になります。

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ブレードランナーのハリソン・フォード

ハリソン・フォード

映画「ブレードランナー」より
ハリソン・フォード演じるリック・デッカード

ハリソン・フォードというとやはり「STAR WARS」のハン・ソロ役や、「インディー・ジョーンズ」のインディー役、「逃亡者」のリチャード・キンブル役が僕の中では印象的です。

インディー・ジョーンズも逃亡者も後年の作品なのでブレードランナーの役とはイメージはだいぶ違いますが。

でも、STAR WARS のハン・ソロ役は公開年の差が10年未満のため、リック・デッカードに一番印象が近かったと思います(EP4,5の公開後にブレードランナーが公開されています)。

特に目を細めて皮肉った笑い方をする表情はそっくりでした。ただし、STAR WARSとブレードランナーでは性格は違うんですよね。軟派なハン・ソローと硬派なリック・デッカードを比較するのも面白いかもしれません。

「ブレードランナー」と「ブレードランナー2049」

ブレードランナーの30年後の世界を描いた「ブレードランナー2049」が35年ぶりに昨年公開されました(もちろん、見れてません)。

リック・デッカード(ハリソン・フォード)が35年の時を経て同じ役として出てきます。

ブレードランナー2049のディスクが3月に発売される予定なのでこれは絶対買いだと思っています。


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