9月に2本ホラー映画が出るというのでまずは、今月公開されるうちの1本「死霊館シリーズ」のスピンオフ「死霊館のシスター」に備えて、「死霊館(2013)」「死霊館 エンフィールド事件(2016)」「アナベル 死霊館の人形(2014)」「アナベル 死霊人形の誕生(2017)」をまとめて観てみました。
死霊館の映画シリーズはホラー映画界でも新しく、しかも、メジャー級作品。
ファンも多いです。
私はこのシリーズが気に入りました。
納得するまで情報を整理してまとめてみました。
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悪魔祓いと映画の関係
悪魔祓いの映画は世の中に数多く出てきています。
悪魔祓いの映画で一番メジャーで古い作品には「エクソシスト(1973)」があります。
また、「死霊館(2013)」「死霊館 エンフィールド事件(2016)」「アナベル 死霊館の人形(2014)」「アナベル 死霊人形の誕生(2017)」「死霊館のシスター(2018)」全てで悪魔が出てきています。
多くの映画で悪魔が出てきて「悪魔祓い」が行われますが、これら全てに共通していることがあります。
キリスト教のカトリック教会のエクソシスト(悪魔祓いする人)が出てくるという点です。
映画「死霊館」においては、カトリック教会(バチカン)に能力が認められた神父だけがエクソシストを名乗れるのです。
映画「エクソシスト」でも悪魔祓いするために神父が呼ばれます。
一般的に神父は司祭とも呼ばれ、ミサや洗礼などを執り行い、聖職者の任が与えられています。
キリスト教にはカトリック教会以外に、プロテスタント(カトリック教会から分離したキリスト教諸教派)がありますが、こちらは神父とはいわず、牧師といいます。
牧師は神父と違い、聖職者ではなく教職者と呼ばれ、信仰を広めることを求められています。
教派によってはプロテスタントにも悪魔祓いはあるようですが、映画化された話を聞いたことがありません。
カトリック教会では「エクソシスト養成講座」を公式に行っており、規模が大きくリアリティーがあり、映画化しやすいようです。
カトリック教会 | プロテスタント |
---|---|
神父(聖職者)、司祭ともいう ミサや洗礼などの儀式を執り行う |
牧師(教職者) 信仰を広げたり、信仰を指導する立場の人 |
尼僧、修道女、シスターとも呼ばれます | シスターはいません |
エクソシスト(バチカンから認められた神父)が悪魔祓いを行う 映画化される悪魔祓いはほぼ神父 |
教派によって千差万別のため悪魔祓いについては曖昧 |
なお、カトリック教会の総本山はバチカン市国(国土は世界最小で、イタリアはローマ内)にあります。
そして、カトリック教会の組織の頂点に立たれるのがローマ教皇ということになっています。
映画「死霊館シリーズ」「アナベルシリーズ」におけるエド&ロレイン・ウォーレン夫妻とは
まず、基本的な情報のおさらいです。
「死霊館(2013)」「死霊館 エンフィールド事件(2016)」は20世紀後半にアメリカで有名になった超常現象研究家のエド&ロレイン・ウォーレン夫妻が実際に調査してきた事件を映像化した作品です。
この夫妻は実在した人間で、事件も実際に起きています。
真偽のほどは私は判断し兼ねますが、、、。
「死霊館」「死霊館 エンフィールド事件」ではエド・ウォーレンをパトリック・ウィルソンが演じ、ロレイン・ウォーレンをヴェラ・ファーミガが演じています。
また、「アナベル 死霊館の人形」「アナベル 死霊人形の誕生」は「死霊館」のスピンオフ映画ですが、題材となる「アナベル人形」が絡む事件は実在しています(後述)。
エド&ロレイン・ウォーレン夫妻について
エドは悪魔学者、作家、講師などを生業としています。
映画では、カトリック教会が唯一公認した非聖職者の悪魔研究家、という設定になっています。
カトリック信者であっても助祭や祓魔師(ふつまし)ではなさそうです。
なお、実際のエドは2006年に死去されています。
奥様のロレインはClairvoyance 能力(透視的、千里眼的なもの)を持つと公言されており、映画の作中でも同様のスキルの演出をされています。
- 夫 Edward Warren Miney 1926年9月7日 – 2006年8月23日 悪魔学者、作家、講師
- 夫人 Lorraine Rita Warren 1927年1月31日 – 2019年4月18日 Clairvoyance 能力を持ち、ご主人をサポート
パトリック・ウィルソンが出演している大ヒットDCコミック原作の映画「アクアマン」
エド&ロレイン・ウォーレン夫妻の主な調査事件
実際のエド&ロレイン・ウォーレン夫妻の当時の事件記録の一部をまとめてみました。
- アナベル
エド&ロレイン・ウォーレン夫妻によると、学生看護師は 1968 年に Raggedy Ann の人形を入手。
人形が奇妙な行動をするので、学生看護師が霊媒師に相談したところ、「Annabelle Higgins」という死んだ女の子の精神が人形に宿っていると告げます。
学生看護師とルームメイトは、死んだ女の子の精神が入っている人形を受け入れて共に暮らそうとしましたが、結局、人形の悪意のある行動に耐えかねて、「悪魔が宿っている」とウォーレン夫妻に相談しています。これらの学生看護師のエピソードは「死霊館」の冒頭で描かれます。
【関連映画 「死霊館」「アナベル 死霊館の人形」「アナベル 死霊人形の誕生」】 - アミティービル
1974 年 12 月ニューヨーク州サフォーク郡にあるアミティービル村で起きた大量殺人事件はアメリカでも大きく報道されました。
この事件ではロナルド・デフェオ・ジュニアが両親、2 人の兄弟、2 人の姉妹を殺害しました。
その 1 年後の、1975 年 12 月に夫婦のジョージとキャシー・ルッツが事故物件の家を購入します。
様々な超常現象に悩まされて28日後に退去していると、エド&ロレイン・ウォーレン夫妻が主張しています。事故物件を安く購入する描写や、設計図にない隠された部屋があるという特徴は映画「死霊館」の物件のアイディアに活かされているようです。
【数多くのホラー映画が製作されています。エンフィールド事件でも名前が出てきます。】 - エンフィールドポルターガイスト
1977年8月、ペギー・ホジソン(母子家庭の母親)は4人いる子どものうち2人の家具(たぶん、ベッド)が動き、壁からノックする音が聞こえると隣人宅から警察に電話しています(町の名前がエンフィールド)。
当時の記録を見ると、映画通りに少女が宙に浮いたり、ホジソン家の女の子ジャネットが大人の男性の声で喋る様子などもあったそうです。
ホジソン家のインタビューの様子は作中でも描かれますが、映画終了後に当時の実際の録音テープが公開されています。
【関連映画 死霊館 エンフィールド事件】 - ペロン・ファミリー
1971年にウォーレン夫妻は、ペロン家の故郷でアイルランドのハリスビルに、19世紀初頭に住んでいた魔女の幽霊が取り憑いていると言っています。
魔女の名前は バラスシーバー(Bathsheba)。土地を呪って、そこに住んだ人が何人も死んだとウローレン夫妻は言っています。
【関連映画 死霊館】
その他にもいくつかの調査記録が残されています。
映画「死霊館シリーズ」「アナベルシリーズ」の監督や製作、キャストなどの基本情報
死霊館のシスター | アナベル 死霊人形の誕生 | アナベル 死霊館の人形 | 死霊館 | 死霊館 エンフィールド事件 | |
---|---|---|---|---|---|
原題 | The Nun | Annabelle: Creation | Annabelle | The Conjuring | The Conjuring2 |
時代設定 | 1952年以前 | 1957年 | 1967年 | 1971年 | 1977年 |
公開 | 2018年 | 2017年 | 2014年 | 2013年 | 2016年 |
監督 | コリン・ハーディ | デヴィッド・F・サンドバーグ | ジョン・R・レオネッティ | ジェームズ・ワン | ジェームズ・ワン |
脚本 | ゲイリー・ドーベルマン | ゲイリー・ドーベルマン | ギャリー・ダウベルマン サンライズ・ダンゴ |
チャド・ヘイズ ケイリー・W・ヘイズ |
チャド・ヘイズ ケイリー・W・ヘイズ ジェームズ・ワン デヴィッド・レスリー・ジョンソン |
製作 | ピーター・サフラン ジェームズ・ワン |
ピーター・サフラン ジェームズ・ワン |
ピーター・サフラン ロブ・コーワン |
トニー・デローザ=グランド ピーター・サフラン ロブ・コーワン |
ピーター・サフラン ロブ・コーワン |
製作総指揮 | リチャード・ブレナー ウォルター・ハマダ デイヴ・ノイスタッター ゲイリー・ドーベルマン |
リチャード・ブレナー ウォルター・ハマダ デイヴ・ノイスタッター ハンス・リッター |
リチャード・ブレナー ウォルター・ハマダ デイヴ・ノイスタッター ハンス・リッター |
ウォルター・ハマダ デイヴ・ノイスタッター |
ウォルター・ハマダ デイヴ・ノイスタッター |
出演 | タイッサ・ファーミガ デミアン・ビチル ジョナ・ブロケ ボニー・アーロンズ |
ステファニー・シグマン タリタ・ベイトマン ルル・ウィルソン フィリパ・クルサード |
アナベル・ウォーリス ウォード・ホートン アルフレ・ウッダード |
ヴェラ・ファーミガ パトリック・ウィルソン |
ヴェラ・ファーミガ パトリック・ウィルソン |
音楽 | アベル・コジェニオウスキ | ベンジャミン・ウォルフィッシュ | ジョセフ・ビシャラ | ジョセフ・ビシャラ | ジョセフ・ビシャラ |
公開順は時系列とは別で、下記のように「死霊館シリーズ」と「アナベルシリーズ」で交互に公開されています。
【公開順】
- 2013年 死霊館
- 2014年 アナベル 死霊館の人形
- 2016年 死霊館 エンフィールド事件
- 2017年 アナベル 死霊人形の誕生
- 2018年 死霊館のシスター(日本 9月21日公開)
21日に公開される「死霊館のシスター」は、原題では新しいタイトルがつきました。
「死霊館のシスター」の原題「The Nun」は日本語で「シスター」という意味になります。
上表は時代設定順に左から並べましたが、もし、まだこれらのシリーズを観られたことがない方は、「死霊館 エンフィールド事件」だけは必ず観てから、「死霊館のシスター」をご覧ください。
「死霊館のシスター」は「死霊館 エンフィールド事件」に出てくる悪魔 ヴァラクのスピンオフ作品です。
なお、「アナベル 死霊館の人形」「アナベル 死霊人形の誕生」は「死霊館」のスピンオフ作品です。
時間に余裕があり、全作品を楽しみたいときは自由な順番に楽しまれてください。
「死霊館(2013)」「死霊館 エンフィールド事件(2016)」のジェームズ・ワン監督作品のDCコミック原作、大ヒット映画「アクアマン」の紹介記事
新作「死霊館のシスター」のシスター役タイッサ・ファーミガは、ウォーレン夫人役ヴェラ・ファーミガと姉妹
今回、「死霊館のシスター」でシスター役を演じるタイッサ・ファーミガ。
なんと、「死霊館シリーズ」で透視的能力を持ち、夫エド・ウォーレンと活躍するロレイン・ウォーレンを演じるヴェラ・ファーミガの年の離れた妹だったのです。
姉妹で同一シリーズの映画に参加するとは運命のいたずらを感じますね。
タイッサ・ファーミガの出演作品は残念ながら、私はまだ観たことがないため今作が初めての視聴になると思います。
2011年に映画デビュー、2013年以降も数々の作品に参加しており、これからが楽しみな女優さんでもあります。
- 英語表記: Taissa Farmiga
- 誕生日: 1994年8月17日
- 出身: アメリカ/ニュージャージー州
なお、タイッサは7人兄弟の末っ子にあたり、ヴェラは7人兄弟の2番目で二人の年の差は21歳になります。
死霊館シリーズ、アナベル事件簿まとめ
公開済みの映画情報をまとめてみました。
アナベル 死霊人形の誕生 | アナベル 死霊館の人形 | 死霊館 | 死霊館 エンフィールド事件 | |
---|---|---|---|---|
時代設定 |
|
1967年 |
1971年が中心 | 1977年 |
事のほったん | 孤児院のシスターと子どもたちの引っ越した先が呪われた家だった | 旦那が持ってきたレアな人形 | 殺人事件のあった家を購入し引っ越した | 住んでいる家の家財道具が前の住人の物だった |
襲われる人たち |
|
|
ペロン家族 | ホジソン家族 |
主な幽霊・悪魔 | 「 アナベル人形」が見つかった経緯 | 「 アナベル人形」を通じて、悪魔から魂を狙われる |
|
|
悪魔が人間に憑依するまでの 3 段階の流れ
悪魔が人間に憑依するまでの 3 段階
- 出没(Infestation)
囁いたり、音を立てたりして存在を知らせる - 攻撃(Oppression)
ここで悪魔は標的を定める
精神的に脆い人を攻撃して弱らせて、意思の力を奪う - 憑依(Possession)
攻撃により意思の力が弱まったら最終段階の憑依にうつる
悪魔に取り憑かれた人間の5つの特徴
- 本人が知らない言語を話す
- 本人が知り得ない情報、例えば、遠くで起きている事件や事象を知っている
- 本人が持たない怪力を発揮する
- 神父や自分の敵になる相手に気づかれないように、遠ざけようとたくみな嘘をつく
- 人を襲うようになる
「死霊館のシスター」は「死霊館 エンフィールド事件」のスピンオフ
「死霊館のシスター」の予告編に出てくる、不気味なシスター(Nun)をご覧になりましたか?
あのシスターは「死霊館 エンフィールド事件」に出てきた悪魔です。
悪魔の名前はヴァラク。
ウォーレン夫妻の夢に出てきてかつ、現実世界でもホジソン家を苦しめます。
今回の新作「死霊館のシスター」の公式ホームページと予告編にも悪魔の名前がでてきます。
「死霊館のシスター」の時代設定を考察する
映画が公開されればわかる話ですが、まだ公開前なので今わかる状況から考察してみます。
映画の宣伝では『「死霊館」「アナベル」シリーズの元凶現る。』とうたっていることから、時代設定において、「アナベル 死霊人形の誕生」以前ということになります。
アナベル人形を利用した悪魔(名前不明)が人形職人のサミュエルとその妻エスターに関わりはじめる時期は正確には不明ですが、2人の子どもビーが亡くなってからになります。
作品内の時代設定で言えば、「アナベル 死霊人形の誕生」の中でビーが亡くなるのが、1945年です。
この点から考えると悪魔ヴァラクが出現したのは少なくとも1945年以降か、それ以前ということになります。
公開されればわかる話ではあるんですが、気になります。
アメリカでは9月7日から公開されているので英語レビューを探せばわかるかもしれませんが、後2日の楽しみに取っておきます。
最後に
「死霊館」シリーズは全世界興行収入1,350億円超えの大ヒット作品です。
『死霊館のシスター』は、「死霊館」「アナベル」の恐怖はここから始まった―、という触れ込みなのでヴァラク以外の悪魔も出てくるのでしょうか?
ストーリーは次の通りです
この恐怖、祈っても無駄。
1952年のルーマニアの修道院でひとりのシスターが自らの命を絶つ。
不可解な点の多い自殺に教会はバーク神父と見習いシスターのアイリーンを修道院へと派遣する。
二人はこの事件を追うにつれ、修道院に隠された秘密とともにいまだかつてない恐怖“悪魔のシスター・ヴァラク”と対峙することになる。
果たして、この修道院に隠された想像を超える秘密とは?そして悪魔のシスターの目的とは一体何なのか!?観客は遂に、『死霊館』『アナベル』シリーズの恐怖の真相へと迫ることになる。
死霊館のシスター予告編
大人しく9月21日公開を待とうと思います。
以上、『「死霊館」「アナベル」シリーズ 10個の事実!「死霊館のシスター」前にこれだけ読んでおけば安心』でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
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