こんにちは映画ファン宮川(@miyakawa2449)です。
当初、映画「search/サーチ」は北陸での上映は予定されていなかったのですが、12月7日から地元金沢の「ユナイテッド・シネマ金沢」でも上映が開始されました。
初日の2回目の上映時間に行きましたが、話題作のお陰か、平日の昼間にも関わらず映画館は普段以上に埋まっていました。
「100%パソコン画面の映像だけで展開する」と聞いていたので、心配もしていましたが、映画「search/サーチ」を観たという Twitter のフォロワーさんたちがこぞって「いいよ!」「話題作だよ」というので信じて観てきました。
元々は短編映画用の脚本を長編映画用に作り直した、監督アニーシュ・チャガンティ(脚本兼任)と、脚本家セブ・オハニオンの才能には目に見張るものがあります。
映画「search/サーチ」予告
映画「search/サーチ」あらすじ
一人娘のマーゴット(女子高生)がある日突然行方不明となる。
家出なのか、事件に巻き込まれたのか?生死さえ不明なまま時間だけが過ぎてゆく。
警察に相談し、娘の身近な友達を探し始める父デービット。
母親が3年前に病気で他界してから、娘との関係がギクシャクしていたデービットは、娘のことを何も知らなかったことに気づかされる。
娘が残していったノートパソコンにログインし、娘のSNSにログインし、交友関係を洗い出していく。
しかし、SNS上の交友関係はうわべだけで、娘に関する有効な手がかりは見つからなかった。
何かを見落としているのかもしれないと思ったデービットは、地元警察のヴィック捜査官と綿密に情報交換しつつ犯人らしき人間を追い詰めていく。
娘ははたして生きて帰ってくるのか。
原題 | Searching |
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監督 | Aneesh Chaganty(アニーシュ・チャガンティ) |
脚本 | Aneesh Chaganty(アニーシュ・チャガンティ) Sev Ohanian(セブ・オハニオン) |
製作 | Timur Bekmambetov(ティムール・ベクマンベトフ) Sev Ohanian(セブ・オハニオン) Adam Sidman(アダム・シドマン) Natalie QAasabian(ナタリー・カサビアン) |
キャスト | John Cho(ジョン・チョー) Debra Messing(デブラ・メッシング) Michelle La(ミシェル・ラー) Joseph Lee(ジョセフ・リー) |
音楽 | Torrin Borrowdale(トリン・ボローデール) |
公開年 | 2018年 |
本編上映時間 | 104分 |
映画「Search」の感想
観た人の評判は上々だったですが、本編全てパソコン画面だけで構成されると聞いていたので、半信半疑のまま観にいってきました。
新しい手法でしたが、面白かったですよ。
常に Windowsまたは Mac のデスクトップが写っています。
家族イベントシーンは記念動画を撮影している様子で表現しているし、父が娘にメッセージを送るときはメッセンジャーやFaceTime(テレビ電話)の様子が写っていて、ちゃんと物語が進行していました。
犯人を追い詰めて、娘を見つけるところまで全てがデスクトップ画面です。
映画パンフレットによれば
監督のアニーシュ・チャガンティさんが、元々 Google Glass(メガネ型モバイル端末)のカメラを使った短編映画製作経験があり、公開初日に YouTube で100万回再生されたという実績があったそうです。
今回はウェブカメラ風の撮影が目立つので小型カメラを使った撮影が得意な監督のようです。
そして、元々持っていた短編映画のアイディアを長編用に膨らませたとも書いてありました。
行方不明になった娘を探すために「父親が娘のノートパソコンに侵入を試みる」という6分の短編映画のアイディアです。
全編パソコン画面という斬新な画面レイアウトなので、話のネタに1回は観ておいてもいい作品だと思います。
また、ミステリーサスペンスとしても作りはしっかりしているので、サスペンスとしても楽しめます。
犯人の目的と、結末を想像しながら観ていても、最後の結末は想像出来ませんでした。
このまま娘は死んだまま終わるのか!ああ、スッキリしない終わり方だ、残念だ!と、思った後に大どんでん返しは観ていて楽しめました。
映画パンフレットより引用
当時、チャガンティはニューヨークのグーグル社で、ショートフォーム・コンテンツを制作していた。
彼の作った短編映画“Seeds”は、映像制作ツールととしてのグーグルグラスの活用法を見出す小プログラム The Creative Collective のために、全編グーグルグラスで撮影された。
この作品が話題となり、グーグルに招かれたのだ。
この“スクリーン(最新の双方向的な意味を持つ言葉としてのスクリーン)ベース” のコンテンツ制作では、技術・運用面でのワークフロー・スキルが必要とされた。
そこで得たスキルを、チャガンティとオハニオンは本作『search/サーチ』に適用したのである。
キャスト・スタッフで振り返る映画「Search」
デビッド・キム
行方不明のマーゴット・キムの父親。
ソフトウェアエンジニアの仕事をしている。
捜査を進めていくに連れて、毎日顔を合わせていても娘の考えや、友人関係など、娘について何も知らなかったことに気づく。
マーゴットの事件が公開捜査になりニュースになると、同情の声や、応援の声などが聞こえてくるが、事件が長引くに連れて、保護者としての責任追求(バッシング)などにも悩まされていく。
- John Cho(ジョン・チョー)
- 生年月日 1972年6月15日
- 出身 韓国・ソウル
マーゴット・キム
作中でなんの前触れもなく、行方不明になった女子高生。
失踪前夜に友人宅で勉強会に参加しており、その後の足取りがまったく不明のままになる。
SNSにたくさんのフレンドが連なっているが、1人1人当たって連絡しても、彼女の友達と言ってくれる学生はほとんどいなかった。
そして、なんの手がかりも出てこない。誰も他人に関心がないことがわかる。
しかし、公開捜査になり学校にテレビがやってくれば、誰もが悲劇のヒロインマーゴットの「親友」としてテレビに写り「事件解決を、無事にマーゴットが帰ってくることを祈ります」と調子のいいことをいう。
- Michelle La(ミシェル・ラー)
- 生年月日 1988年12月18日
- 出身 アメリカ・カリフォルニア州生まれ。
ヴィック捜査官
マーゴット失踪事件の担当捜査官。
自分も年頃の息子がおり、親身になって事件を捜査してくれる。
様々な事件解決実績もあり信頼できる捜査官。
デビッドも親身になってくれるヴィック捜査官に「あなたに担当捜査官になってくれてよかった」と気持ちを伝える間柄になる。
- Debra Messing(デブラ・メッシング)
- 生年月日 1968年8月15日
- 出身地 アメリカ合衆国ニューヨーク州生まれ
アニーシュ・チャガンティ監督
今回が長編映画初挑戦のインド系アメリア人、アニーシュ・チャガンティ監督(27歳)
4年ほど前に Google Glass だけで撮影して製作した3分程度の短編映画「Seeds」がYouTube公開24時間以内で100万回以上再生された実績も持つ。
スティーブン・スピルバーグが「ジョーズ(1975)」を製作して有名になったのが、27〜28歳当時だったと思います。
ほぼ同じ年齢ですね。
これからアニーシュ・チャガンティ監督の活躍にも注目が必要になると思います。
映画「Search」の見どころ
見どころはいくつかありますが、次の通りです。
- 冒頭の娘マーゴットの成長と、母親パムが病気で亡くなるまで描かれる、家族のイベントシーン。
全体の中の数%と短い時間ですが、このシーンで誰も体験したことの無い「パソコン画面」特有の魅せ方を教えてくれます。ここだけでも見ている人の心を揺さぶってくれますよ。 - 父親デビッド・キムが娘のパソコンにログインし、各SNSのパスワード再発行からログインに至るプロセス。
娘とはいえ、他人のパソコンにログインするところは背徳感がくすぐられます。
行方不明の娘を探す手がかりを見つけるために、どんどん各SNSのパスワードを再発行していきました。
パソコンさえログインしてしまえば、実にあっさりとSNSを乗っ取ることもできるんですよね。
「スマホを落としただけなのに」という映画が公開中ですが、ハードウェアにかけるパスワードもしっかりしたものにしないといけませんね。 - SNS上の娘の友達に1人ずつ電話連絡するシーン。
SNSだけで繋がっているフレンドがいかに細い繋がりか、見せつけられるシーンです。 - 娘の車が発見されるところ。
娘は見つからなかったのですが、行き詰っていた捜査がここからまた動きはじめます。 - 父親が身近な男を疑い、ウェブカメラを使って追い詰めるシーン。
複数のウェブカメラを気づかれずに設置し、録画までしてしまうデビッドの手際の良さに脱帽です。 - もちろん、後半の真犯人逮捕に至るまでのプロセス。
えっ!まさかこの人が捜査を撹乱していた!さりげない昔話でフラグが立っていたとは!驚かされました。
最後に
今日紹介した映画「Search」は、インディペンデント映画(自主制作映画)を評価する「サンダンス映画祭2018」で観客賞を受賞している作品です。(毎年アメリカ合衆国ユタ州で開かれている)。
短編映画だけを作ってきた監督が、今回初で長編映画を作っています。面白かった映画ですし、興味がある人は1度くらいはいておいてもいいと思います。
正直、話題性がなければわざわざお金を出して映画館で見るか?と言われれば疑問が出てくる作品ではあります。
しかし、若い監督が製作した挑戦的な作品なので応援したいと思います。
まだ、27歳と若い監督さんですから、これからが楽しみです。
以上、『映画「search/サーチ」感想・レビュー(観客賞を受賞した100%パソコン画面映画)』でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
映画ファン宮川(@miyakawa2449)でした。
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