邦画ホラー「来る」はおすすめ!新機軸のホラーエンターテインメント

映画「来る」 ホラー
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こんにちは映画ファン宮川(@miyakawa2449)です。

邦画ホラー映画「来る」観てきました。

感想は後ほど詳しく述べますが、一言でいえば「怖い」より、「面白い」が勝る映画でした。

面白いというのは「笑える」面白さではなくて、ストーリー展開がしっかりしていてホラー映画として成立しつつも、化け物退散が楽しめるのです。

映画「来る」はまさに、暴れる悪霊を霊験あらたかな霊媒師 比嘉(ひが)姉妹(特に姉の琴子)が、化け物を鎮めて大団円する和製ホラーエンターテインメント映画でした。

また、中島哲也監督作品「告白(2010)」「渇き。(2014)」のように人間の外面と内面を丸裸にしてしまう手法は健在でした。
この映画を面白くしている要素はやはり、「人間」なんだと思います。

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映画「来る」予告

映画「来る」あらすじ

映画「来る」パンフレットより引用:

ある日、オカルトライター・野崎のもとに相談者、田原が訪れる。

最近身のまわりで怪異が起きているという。

田原は、妻の香奈と幼い一人娘の知紗に危害が及ぶことを恐れていた。

野崎は霊媒師の真琴と共に調査を始めるが、田原家に憑いている「あれ」は想像をはるかに超えて強力なものだった。

真琴の姉で日本最強の霊媒師・琴子の呼びかけで各地から霊媒師が集まり、大規模な「祓いの儀式」を始めようとするが・・・

監督 中島哲也
製作 市川南
脚本 中島哲也
岩井秀人
門間宣裕
原作 澤村伊智 「ぼぎわんが、来る」
出演 岡田准一
黒木華
小松菜奈
松たか子
妻夫木聡
公開年 2018年12月
上映時間 135分
製作 (c)2018「来る」製作委員会
制作プロダクション 東宝映画、ギークサイト
配給 東宝

映画「来る」感想

「怖い」より「楽しい!」「面白い」がくる「ホラーエンターテインメント」のような作品でした。

「怖さ」「不気味さ」を感じさせてくれるのが、ホラー作品の特徴です。

例えば、「リング」や「呪怨」といった和製ホラー映画は「呪いの連鎖」が途切れず、呪いによって人が死に続けていくホラー映画です。
共通しているのは、『呪い』が解けない、正体が分からない『不気味さ」ということ。
その「リング」や「呪怨」は、『呪い』と『不気味さ』だけで上映中ずっと引っ張られていきます。
そのため見終わった後の後味もずっと『不気味さ』が残っていて、『怖かった』という感想になるのだと思います。

映画「来る」は、原作「ぼぎわんが、来る(比嘉姉妹シリーズ)」を元にしており、化け物を鎮めることができる霊媒師姉妹が活躍します。
映画の最後はちゃんとお祓いして化け物を鎮めてくれます。

なので、後味は悪くないので怖い映画が苦手な人も安心して観て帰れる映画ではないでしょうか(責任は持ちませんが)。

映画「来る」は、仮面ライダーや、孫悟空や、アイアンマンが敵を倒して大団円するようなラストが待っています。

こんなホラー映画、見たことありませんでした。

なので、ひょっとするとこの映画「来る」はホラー映画では無いのかもしれません!?

映画「来る」をキャトで振り返る

田原秀樹(妻夫木聡)

映画「来る」より 妻夫木聡が演じる、田原秀樹

映画「来る」パンフレットより
妻夫木聡が演じる、田原秀樹
(c)2018「来る」製作委員会

世渡り上手な会社員で、いつも人が集まるところに顔を出して目立っている。
家族のことが大好きで、家族を1番に考えている。
娘の知紗が産まれる前からイクメン(子育てに率先して参加するパパ)目指して勉強する。
ある日から彼の周りで奇怪な事件が起き始める。
同僚や自分の家族にまで被害が出始めて奔走する秀樹は友人の民俗学者を通じて、霊媒師に相談することになる。

秀樹パパのキャラクターが原作以上に濃く描かれており、脚本も担当した中島哲也監督の手腕が光っていました。
人間の内面を描いた、映画「告白」と「渇き」を監督した中島哲也氏だからこそだと思います。

  • 俳優 妻夫木聡(つまぶきさとし)
  • 生年月日 1980年12月13日
  • 出身地 福岡県
  • 主な映画出演作品
    • 妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII(2018)/平田庄太 役
    • 家族はつらいよ2(2017)/平田庄太 役
    • 怒り(2016年)/藤田優馬 役
    • 渇き。(2014)/浅井 役

田原香奈(黒木華)

映画「来る」パンフレットより 黒木華が演じる、田原香奈

映画「来る」パンフレットより
黒木華が演じる、田原香奈
(c)2018「来る」製作委員会

秀樹の妻であり、知紗の母親。
大人しめの性格で、声が大きく目立つ秀樹と一緒にいると香奈の印象は暗めにうつってしまう。

黒木華の芝居は今作の中で、誰よりも神がかっていました。
ネタバレになるので詳しく言えないのが辛い。

  • 俳優 黒木華(くろきはる)
  • 生年月日 1990年3月14日
  • 出身地 大阪府
  • 主な出演映画作品
    • ビブリア古書堂の事件手帖(2018)/主演・篠川栞子 役
    • 日日是好日(2018)/主演・典子 役
    • 散り椿(2018)/坂下里美 役

野崎(岡田准一)

映画「来る」パンフレットより 岡田准一が演じる、野崎

映画「来る」パンフレットより
岡田准一が演じる、野崎
(c)2018「来る」製作委員会

オカルト雑誌のライター。
秀樹の周りで奇怪な事件が起き始めたため、霊媒師の真琴を紹介してくれる。
真琴の彼氏であり、真琴を大事に思っている。

岡田准一さんさすがですね、彼の芝居は一流ですね。
ぱっと見、岡田准一さんに見えないところもすごい。俳優の顔が先に出ず、「野崎」としての存在感がありました。
かっこよかったです。

  • 俳優 岡田准一(おかだじゅんいち)
  • 生年月日 1980年11月18日
  • 出身地 大阪府
  • 主な映画出演作品
    • ザ・ファブル(2019年公開予定)/佐藤アキラ
    • 散り椿(2018)/主演 瓜生新兵衛 役
    • 海賊とよばれた男(2016)/主演 国岡鐡造 役

比嘉真琴(小松菜奈)

映画「来る」パンフレットより 小松菜奈が演じる、比嘉真琴

映画「来る」パンフレットより
小松菜奈が演じる、比嘉真琴
(c)2018「来る」製作委員会

霊媒師の仕事もしている女性で、ピンクに染まった頭が特徴的。
秀樹に大切なアドバイスをする。
子供好きの女性で知紗ちゃんが大好き。

中島哲也監督作品「渇き」で猟奇的に壊れた美少女女子高生を演じた小松菜奈。
今回は全く違うタイプの役を演じ切りました。

  • 俳優 小松菜奈(こまつなな)
  • 生年月日 1996年2月16日
  • 出身地 東京都
  • 主な映画出演作品
    • さよならくちびる(2019年初夏公開予定)/主演 レオ 役
    • 恋は雨上がりのように(2018)/主演 橘あきら 役
    • 渇き。(2014)/藤島加奈子 役

比嘉琴子(松たか子)

映画「来る」パンフレットより 松たか子が演じる、比嘉琴子

映画「来る」パンフレットより
松たか子が演じる、比嘉琴子
(c)2018「来る」製作委員会

日本最強の霊媒師、比嘉琴子。
沖縄出身の霊媒師ユタ(シャーマン)であり、母方の祖母もユタだった。

松たか子さんですが、まじ、かっこいいです。
お祓いするときもかっこいいが、終始かっこいい。
歩き方、立ち姿、飲食の姿までかっこいい。
まじ、この映画見て欲しい。
映画「告白」でも思いましたが、登場するだけで画面に張りがでます。

  • 俳優 松たか子(まつたかこ)
  • 生年月日 1977年6月10日
  • 出身地 東京都
  • 主な映画出演作品
    • Last Letter (2019年公開予定、東宝)/主演 岸辺野裕里 役
    • 泣き虫しょったんの奇跡(2018)/鹿島澤佳子 役
    • 告白(2010)/ 主演 森口悠子 役

映画「来る」の原作「ぼぎわんが、来る」について

澤村伊智著 「ぼぎわんが、来る」が原作になっています。
この本、映画が終わってから読みました。
Kindle で読みましたがページ数はそんなに無いので3〜4時間ぐらいで軽く読める本でした。

映画と同じような3部構成になっています。
小説では「ぼぎわん」というバケモノ(怪しいもののけ)を巡ってお話が展開していきます。
実は映画版「来る」と小説「ぼぎわんが、来る」は同じ登場人物を使って脚本を作られた作品ではありますが、話の進行や被害者に若干の違いが出てきます。
微妙に違うところもあれば、大胆に描かれるところなどもあり、原作ファンの方はその辺りを覚悟して見にいくと楽しめると思います。

映画版「来る」はホラーエンターテインメントでしたが、原作「ぼぎわんが、来る」は純粋なホラー小説でした。

まとめ『「ぼぎわんが、来る」と「百鬼夜行シリーズ」』

原作小説「ぼぎわんが、来る」は小説の中に化け物が登場してきて、人間の心の闇に焦点を合わせた作品です。
私がこれまで読んできた小説の中に「ぼぎわんが、来る」に似た小説に京極夏彦著「百鬼夜行シリーズ」があります。

小説「ぼぎわんが、来る」は霊媒師 比嘉琴子が化け物退治をしますが、京極夏彦著の小説「百鬼夜行シリーズ」は陰陽師 中禅寺秋彦が事件に呪われた登場人物の「憑き物落とし」を行うお話です。

小説「ぼぎわんが、来る」と違って、「百鬼夜行シリーズ」は複数の死人が出ても犯人はあくまで人間。
事件を起こす犯人は心の隙間(闇)に呪われて事件を起こしているため、事件を解決する際に中禅寺秋彦は百鬼夜行絵巻に出て来る妖怪を、事件解決の糸口として引き合いにだします。
殺人を起こした人間と、事件の闇に当てられた当事者たちを、陰陽師として「憑き物落とし」をする中禅寺秋彦はまさに比嘉姉妹シリーズの琴子と雰囲気は同じです。
なお、中禅寺秋彦は古本屋「京極堂」の店主であり、「武蔵晴明神社」の宮司にして陰陽師です。

「百鬼夜行シリーズ」にバケモノは出てきませんが、殺人をおかした人間の心理、事件の真相、そして、妖怪に取り憑かれたように事件に呪われ彼岸の彼方に行きかけている関係者を、中禅寺秋彦が神秘的な儀式と祝詞を通じて、謎と呪いを解き明かしていく推理小説です。

この「憑き物落とし」の見せ場が「百鬼夜行シリーズ」では非常に盛り上がります。
「ぼぎわんが、来る」の原作での化け物退治のシーンはもちろんですが、映画版「来る」はまさに比嘉琴子(松たか子)の最大の見せ場として盛り上がっていました。

ぜひ、この映画を年内に見終えて、今年の厄を落として2019年を迎えていただきたいと思います。

以上、『邦画ホラー「来る」はおすすめ!新機軸のホラーエンターテインメント』でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

映画ファン宮川(@miyakawa2449)でした。

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京極夏彦先生の本は「ブロック本」という言葉もあるぐらい、1000ページ超える本も珍しくなく、民俗学に明るく古来から伝承されている「もののけ」たちを非常に詳しく描いてもくれています。
実写映像作品が3つ「姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)」「魍魎の匣(もうりょうのはこ)」と、アニメ版の「魍魎の匣」があります。
個人的にはアニメ版の「魍魎の匣」をお勧めします。

おまけ!

京極夏彦さんの本が大好きなので追加

コメント

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