こんにちは映画ファン宮川(@miyakawa2449)です。
11月1日から全国ロードショーが始まった「ビブリア古書堂の事件手帖」早速観てきました。
「ビブリア古書堂の事件手帖」は小説(1〜4卷)のファンなので映画化を知った時から楽しみにしていました。
原作ファンはもちろん、太宰治、夏目漱石など文学ファンも楽しめる映画です。
5年前にあったドラマとはまた違い、映画ならではの演出がされており、大変面白かったですよ。
原作の魅力はそのままに、映画ならではの「ビブリア古書堂の事件手帖」の新しい魅力が満載の良作でした。
早速、ご紹介します。
映画「ビブリア古書堂の事件手帖」予告
引用元:映画『ビブリア古書堂の事件手帖』11月1日全国ロードショー|作品情報
50年前の秘密が解き明かされる時、悲しくも切ない恋が、真実の愛へと変わる
鎌倉の片隅にひそやかに佇む古書店「ビブリア古書堂」。
店主の篠川栞子(黒木華)は極度の人見知りだが、ひとたび本を手にすると、その可憐な唇からとめどなく知識が溢れだす。さらに彼女は優れた洞察力と推理力で、五浦大輔(野村周平)が持ちこんだ夏目漱石の「それから」に記されたサインの真偽を解き明かし、彼の祖母・絹子が50年前に〝秘密の恋〟をしていたと指摘する。
これが縁となり古書堂で働き始めた大輔は、日に日に栞子に惹かれていく。
だが、過去の出来事から本が読めなくなった大輔は、同業者の稲垣が本を介して栞子と心を通わせるのを複雑な想いで見守るしかなかった。
そんな中、謎の人物が栞子が大切に保管する太宰治の「晩年」を奪おうとしていた。
その正体を探り始めた二人は、「それから」に秘められた絹子の恋の行方と、「晩年」に隠された秘密がつながっていることに気付く。しかもその先には、大輔の人生を変える〝ある真実〟が待ち受けていた──。
監督 | 三島有紀子 |
---|---|
脚本 | 渡部亮平 松井香奈 |
原作 | 三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」 |
製作 | 小川真司(企画プロデュース) 服部美穂 千綿英久 |
出演 | 黒木華 野村周平 成田凌 夏帆 東出昌大 |
音楽 | 安川午朗 |
主題歌 | サザンオールスターズ「北鎌倉の思い出」 |
配給 | 20世紀フォックス映画 KADOKAWA |
キャストから振り返る「ビブリア古書堂の事件手帖」
主人公 篠川栞子(しのかわ しおりこ)/黒木華(くろきはる)
ビブリア古書堂の若くて儚げな美人店主、篠川栞子。
本をこよなく愛している。
人見知りで口下手だが、本のことを喋り出すととまらない。
古書について鋭い観察眼を持ち、古書を通じて関わった人間たちの秘密を導き出して、いくつもの出来事を解決してゆく。
その昔テレビドラマ化されたこともありましたが、そのときとは主役が変わりました。
当時は剛力彩芽さん。
今回は黒木華さんが原作通りのイメージで熱演されていました。
篠川栞子さんに夏目漱石の「それから」を朗読してもらえる五浦大輔(野村周平)が羨ましく仕方ありません。
劇中、篠川栞子として黒木華さんが夏目漱石の「それから」を朗読するシーンは口元にクローズアップするのですが、すごくセクシーでした。
- 生年月日 1990年3月14日
- 出身 大阪
- 主な映画出演作品
- 日日是好日(2018)
- 母と暮せば(2015)/第39回日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞
- 小さいおうち(2014)/第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞(日本人女優では史上4人目)/第38回日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞
- 舟を編む(2013)/第37回日本アカデミー賞 新人俳優賞
五浦大輔/野村周平
祖母が残した本をビブリア古書堂に持ち込んだことがきっかけで篠川栞子と知り合い、ビブリア古書堂で働くことになる。
幼児期のトラウマで活字だけの本が読めない。
原作通り不器用でまっすぐなタイプです。
- 生年月日 1993年11月14日
- 出身地 神戸市
- 主な出演作品
- サクラダリセット(2017)
- 帝一の國(2017)
- ちはやふる(2016-2018)
稲垣/成田凌(なりた りょう)
漫画の古書専門のネット販売を行なっている稲垣。
彼自身は漫画だけでなく、小説も大好き。
“本好き”という共通点から篠川栞子に近いてくる。
五浦大輔はそんな稲垣に気が気でない様子。
- 生年月日 1993年11月22日
- 出身地 埼玉県
- 職業 モデル
五浦絹子/夏帆(かほ)
五浦絹子は五浦大輔のなくなった祖母で、食堂屋の若女将。
50年前の1964年のエピソードを演じます。
人妻でありながら、絹子の若き日の「秘密の恋」を淡く切なく演じてくれます。
叶わぬ恋に揺れる、夏帆さんの演技から目が離せません。
- 生年月日 1991年6月30日
- 出身地 東京都
- 主な映画出演作品
- 海街diary(2015)/第39回日本アカデミー賞 優秀助演女優賞
- 箱入り息子の恋(2013)/ヒロイン
- 天然コケッコー(2007)/第31回日本アカデミー賞 新人俳優賞など
田中嘉雄/東出昌大(ひがしで まさひろ)
50年前の鎌倉で、太宰治に憧れ小説家を目指す青年。
ある出来事がきっかけで絹子と知り合い、本を通じて絹子と交流を深めていきます。
愛してしまった女性がたまたま人の妻だった。
物静かだが絹子さんへの狂おしいほどの愛情を感じました。
夏帆さんもそうでしたが、東出昌大の演技も際立っていました。
- 生年月日 1988年2月1日
- 出身地 埼玉県
- 主な映画出演作品
- デスノート Light up the NEW world(2016)
- 聖の青春(2016)
- アオハライド(2014)
映画「ビブリア古書堂の事件手帖」感想
原作をリスペクトしたシナリオ
原作はあくまで原作であり、この映画は映画用に脚本を練り直した映画版「ビブリア古書堂の事件手帖」でした。
映画に出てくる本に関する1つ1つのエピソードなどは、原作をベースにしていますが、綺麗に美しく新しいシナリオでまとめられています。
原作映画にありがちな「詰め込みすぎ」な作品ではありません。
2人の脚本家が原作を丁寧に汲み取り、映画用にシナリオを1から作り込んでいるように感じました
原作の「ビブリア古書堂の事件手帖」らしさも無くなっていません。
篠川栞子、五浦大輔も原作通りのキャラクターを忠実に演じてくれていて安心して映画が観れました。
それでは何が、映画版「ビブリア古書堂の事件手帖」たらんとさせているのか!
それは篠川栞子が古書探偵として推理した、50年前の出来事が映像化されている点です。
過去のエピソードを詳細に描くという手法は映画版らしい新しい挑戦だったと思いますし、成功していたと思います。
現代パートでは篠川栞子が太宰治の「晩年」を中心とした事件に巻き込まれ、50年前の過去パートでは夏目漱石「それから」に至るまでのエピソードを描き、現代のある核心に繋がっていく。
原作にはなかった、過去パートがこの映画をよりよい作品に昇華させています。
特に現代と過去の出来事と人物が交錯する作りは、映画ならではの贅沢な演出だったと思います。
これは原作をリスペクトしていないと作れない脚本だと思いました。
過去パートでは、原作では描かれない、50年前の決して他人に知られてはいけない淡い大人の恋愛ドラマになっており一番の見どころだと思います。
夏目漱石「それから」、太宰治「晩年」「人間失格」「グッド・バイ」、田川紀久雄「人造人間」など様々な著書が本編には出てきます。
出てくる本の全てに事件があるわけではありませんが、本好きには嬉しい演出ですね。
芥川龍之介や宮沢賢治の本なども出てきていました。
演技が最高な映画はとても魅せられます
古書ミステリーは「本」を扱った物語なのでお話としては落ち着いていて、静かな映画です。
古書と人を通じた関係性の物語を紐解く篠川栞子。
普段は物静かな女性ですが、本に隠された事実を紐解くとき雄弁になります。
黒木華の演技は折り紙つきにつき、演じている篠川栞子については「透明感を感じる儚げな美しさ」を感じ、観ていても惚れ惚れするものでした。
映画の篠川栞子について感じた「透明感を感じる儚げな美しさ」は、小説版のビブリア古書堂の事件手帖を読んで私が思ったモノと同じでした。
古書を通じて推理するシーンなどは当然、篠川栞子の見せ場になりますが、見せ場はそれだけではありませんでした。
篠川栞子が朗読するシーンは特に彼女の美しさが際立っていたと思います。
そう、この映画では本の朗読シーンが幾度となく出てきます。
それは篠川栞子だけではなく、他の登場人物が自分の感情を本を通じて伝えていく。
そんな重要なシーンです。
ここは意識して映画を観ていた方が楽しめると思います。
映画において見逃せないのが(どのシーンも重要だが)、50年前の五浦絹子(夏帆)と田中嘉雄(東出昌大)のエピソードです。
そもそも原作「ビブリア古書堂の事件手帖」ではないシナリオ部分です。
原作の雰囲気を壊さず、50年前のエピソードが描かれます。
五浦絹子を演じる夏帆、田中嘉雄を演じる東出昌大この2人の演技がこの映画をさらに盛り上げてくれます。
夏目漱石の「それから」に始まり、太宰治の「晩年」の2冊の本を中心として織りなす人間模様。
決して許されない恋に翻弄された祖母の秘密が紐解かれます。
主演女優賞はもちろん、黒木華に上げたいですが、助演女優賞は夏帆、助演男優賞は東出昌大に上げたいと思うぐらい見事な芝居でした。
黒木華、夏帆、東出昌大だけでなく、野村周平・成田凌さんたちも見事な演技でした。
ただ、黒木華、夏帆、東出昌大さんたちの芝居が突出していたので、驚いたということを言いたくててこういう書き方になりました。
公開中にもう1回観に行っていいくらい素敵な作品でした。
最後に
大きいスクリーンでみる、篠川栞子がとにかく透明感に溢れていて、そして、儚げな美人でした。
古書ミステリーとして、本を通した推理は何度か描かれますが、謎解きが主体ではありません。
強いて言えば、50年前の出来事を中心としたヒューマンドラマであり、そこに恋愛要素が絡んできているお話です。
どちらかと言えば大人の恋愛ミステリーと言った方がしっくりくるかもしれません。
かつてテレビ放送でも描かれていた事件がほとんどではありますが、映画用に脚本は新しく描かれていますし、映画ならではの演出が目白押しです。
テレビシリーズ見た人も楽しめます。
そもそもテレビシリーズの「ビブリア古書堂の事件手帖」があったのは 2013年1月で5年以上前ですし、当時の主演は剛力彩芽さんですから、全く別物と思ってもいいと思います。
この映画おすすめです。
ところで、黒木華さん、現在「日日是好日(主演)」「散り椿」「億男」に出てましたよね。
すごい売れっ子ですが、お体に無理せず頑張っていただきたいです。
以上、『映画「ビブリア古書堂の事件手帖」感想・レビュー(黒木華さんの篠川栞子最高です)』でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
宮川(@miyakawa2449)でした。
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原作「ビブリア古書堂の事件手帖」
ビブリア古書堂の事件手帖の小説は最新刊8巻まで出ているようです。
私は4巻まで電子書籍で持っているので、買うなら5巻からになります。
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