映画「スノー・ロワイヤル」は2014年の「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車(日本劇場未公開・DVD販売あり)」のリメイク作品。
当時、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門でお披露目されました。
監督はハンス・ペテル・モランド。
ノルウェー・スウェーデン・デンマーク3国の合作映画で主演がステラン・スカルスガルドが務めていました。
今回はアメリカ版としてハリウッドでリメイクされ、監督は同じくハンス・ペテル・モランド、主演はリーアム・ニーソンが務めます。
舞台をノルウェイからアメリカに置き換えた作品で細部に到るまで設定がほぼ同じです。
「スノー・ロワイヤル」を楽しみにしているなら、オリジナル版は次の機会に見送ってください。
私は「スノー・ロワイヤル」を観てから「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」を観ました。
ステラン・スカルスガルドが好きなので十分楽しめました。
「スノー・ロワイヤル」との細かい違いを比較して見るのも面白かったです。
それでは「スノー・ロワイヤル(主演:リーアム・ニーソン)」の映画を紹介します。
映画「スノー・ロワイヤル」予告編
KADOKAWA映画公式YouTubeチャンネルより
リーアム、全員除雪!!映画『スノー・ロワイヤル』予告編
映画「スノー・ロワイヤル」ストーリー・あらすじ
雪の町キーホーで模範市民賞を受賞するほどの除雪作業員ネルズ・コックスマン。
ある日、一人息子が地元の麻薬組織に殺されてしまう。
マフィアの存在に気付いたネルズは復讐を開始。
彼は闇のキャリアで身に付けた特殊なスキルではなく、除雪作業で身に付けた土地勘と体力と犯罪小説で続んだ知識で一人また一人と敵を追い詰めていく。しかし、敵対する麻薬組織の仕業と勘違いした彼らはその組織を襲撃。
相手もその報復に出る。静かな田舎町で起きた久々の事件に、地元警察はテンション上がりっぱなし。
ネルズの戦いは、全てを巻き込みながら全く思いもよらない方向へと進んでいくのだった…。
原題 | Cold Pursuit |
監督 | Hans Petter Moland(ハンス・ペテル・モランド)
ハンス・ペテル・モランド監督は2014年「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車(主演:ステラン・スカルスガルド)」を公開している。日本では劇場未公開ですが、DVDは発売されている。 |
脚本 | Frank Baldwin(フランク・ボールドウィン) |
原作 | Hans Petter Moland(ハンス・ペテル・モランド) 『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』 |
製作 | Finn Gjerdrum(フィン・イェンドルム) Stein B. Kvae(スタイン・B・クワエ) Michael Shamberg(マイケル・シャンバーグ) Ameet Shukla(アミート・シュクラ) |
製作総指揮 | Michael Dreyer(マイケル・ドライヤー) Shana Eddy-Grouf(シャナ・エディ=グラフ) Ron Halpern(ロン・ハルパーン) Paul Schwartzman(ポール・シュワルツマン) |
出演者 | Liam Neeson(リーアム・ニーソン)/Nels Coxman(ネルズ・コックスマン) Laura Dern(ローラ・ダーン)/Grace Coxman(グレイス・コックスマン Emmy Rossum(エミー・ロッサム)/Kim Dash(キム・ダッシュ) Tom Bateman(トム・ベイトマン)/Trevor ‘Viking’ Calcote(バイキング) Julia Jones(ジュリア・ジョーンズ)/Aya(アヤ) Tom Jackson(トム・ジャクソン)/White Bull(ホワイトブル) |
製作会社 | Summit Entertainment StudioCanal |
配給 | 米国 Summit Entertainment 日本 KADOKAWA |
公開 | 米国 2019年2月8日 日本 2019年6月7日 |
上映時間 | 118分 |
コピーライト | © 2019 STUDIOCANAL SAS ALLRIGHTS RESERVED |
映画「スノー・ロワイヤル」感想・レビュー
予告編を信じるな!
映画の感想の前に公開されている予告編について。
予告編はテンポいい音楽を使って、アクションコメディー期待を煽る演出がなされていますが、本編は全く違います。
本編はブラックユーモアたっぷりで、シリアスに話が静かに展開していきます。
シリアスな展開だけど、ところどころにクスッと笑わせる演出がぶち込まれています。
例えば、映画の公式ウェブサイトによれば、「犯罪小説で殺しを学んだ模範市民賞の除雪作業員」「健康オタクな麻薬王」「学校でいじめられる麻薬王の息子」「見た目はマッチョでも乙女なマフィア幹部」「ド田舎での殺人事件に『事件キター!』とテンション上がる警官」などなど、他にもたくさんクセモノキャラクターたちがブラックユーモアを引き立ててくれます。
復讐が復讐の連鎖をうむ
復讐映画を演じさせたら今勢いがあるリーアム・ニーソン。
リーアム・ニーソンが演じるネルズ(模範市民賞を受賞した除雪作業員)が殺された息子の復讐のために殺した男が麻薬組織のバイヤーだったことから、死の連鎖が始まります。
ネルズが麻薬のバイヤーを殺したことで、健康オタクで気分屋の麻薬王バイキングがバイヤーを殺され何をどう勘違いしたのか、仕返しとして別の麻薬組織のネイティブ・アメリカンの構成員を殺害。
突然、構成員を殺されたネイティブ・アメリカンはバイキングたちへの仕返しを考える。
「模範市民賞の除雪作業員ネルズ・コックスマン」「麻薬王バイキングのマフィア」「ネイティブ・アメリカンマフィア」の三つ巴バトルと地元警察が絡む大事件に発展。
次から次へと人が死ぬ、死の連鎖に頭が追いつかなくなります。
復讐映画というと印象としては暗い映画になりがちですが、そこはブラックユーモアな映画。
魅力的なキャラクターたちがいるお陰でクスクス笑いをこらえながら、個性的なマフィアたちに愛着がわく映画に仕上がっています。
最後まで生き残るのは誰なのか?
いっときも目が離せません。
映画「スノー・ロワイヤル」をキャラクターから振り返る
Nels Coxman(ネルズ・コックスマン)
模範市民賞の除雪作業員のネルズ・コックスマン。
最愛の息子をマフィアに殺され復讐鬼になる男。
彼が始めた復讐は新しい誤解と新しい復讐を生み出していき、彼の知らないところでマフィアの抗争が始まる。
- Liam Neeson(リーアム・ニーソン)
- 生年月日 1952年6月7日
- 出生地 北アイルランド・アントリム州
- 国籍 イギリス・アメリカ合衆国
- 主な映画出演作品
- Men in Black: International(メン・イン・ブラック:インターナショナル・2019)/ エージェント・ハイT 役
- Taken 3(96時間/レクイエム・2014)/主役 ブライアン・ミルズ 役
- Taken 2(96時間/リベンジ・2012)/主役 ブライアン・ミルズ 役
- The A-Team(特攻野郎Aチーム THE MOVIE・2010)/主役 “ハンニバル”ジョン・スミス大佐 役
- Taken(96時間・2008)/主役 ブライアン・ミルズ 役
- Batman Begins(バットマン ビギンズ・2005)/ ヘンリー・デュカード(ラーズ・アル・グール) 役
- Star Wars Episode II: Attack of the Clones(スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 ・2002)/ クワイ=ガン・ジン 役
- Star Wars Episode I: The Phantom Menace(スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス・1999)/ 主役 クワイ=ガン・ジン 役
■リーアム・ニーソンが出演している「メン・イン・ブラック:インターナショナル」
Grace Coxman(グレイス・コックスマン)
ネルズの妻。
息子を失った悲しみを夫に理解してもらいたいが、理解し合えないすれ違いが彼女を苦しめる。
- Laura Dern(ローラ・ダーン)
- 生年月日 1967年2月10日
- 出生地 アメリカ合衆国 ロサンゼルス
- 主な映画出演作品
- Star Wars: The Last Jedi(スター・ウォーズ/最後のジェダイ・2017)/ レジスタンス ホルド提督 役
- The Master(ザ・マスター・2012)/ ヘレン・サリヴァン 役
- Jurassic Park III(ジュラシック・パークIII・2001)/ エリー・サトラー博士 役
- Jurassic Park(ジュラシック・パーク・1993)/ エリー・サトラー博士 役
■ローラ・ダーンが出演している映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』の紹介記事
Kim Dash(キム・ダッシュ)
年中雪で覆われており、スキー場が観光資源の田舎町の警官。
大きい事件もなく飽き飽きしていたところで殺人が起きて「事件キター!」とやる気を出す事件大好き巡査。
- Emmy Rossum(エミー・ロッサム)
- 生年月日 1986年9月12日
- 出生地 アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市
- 主な映画出演作品
- Dragonball: Evolution (2009)/ ブルマ 役
- The Phantom of the Opera(オペラ座の怪人・2004)/ クリスティーヌ・ダーエ 役
- The Day After Tomorrow(デイ・アフター・トゥモロー・2004)/ ローラ・チャップマン 役
Trevor ‘Viking’ Calcote(バイキング)
麻薬王のバイキング。
父が作った麻薬組織を継いだ2代目で実力が伴わない残念な男。
全員が自分の言うことを聞かないと落ち着かず騒ぎ出す。
麻薬王なのに健康オタクでオーガニックな食事しか口にしない。
- Tom Bateman(トム・ベイトマン)
- 生年月日 1989年3月15日
- 出身地 イギリス
- 主な映画出演作品
- Murder on the Orient Express(オリエント急行殺人事件・2017)/ブーク 役
White Bull(ホワイトブル)
ネイティブアメリカンの麻薬王。
ファミリー思いのホワイトブル。
ファミリーの1人をバイキングに殺されて、仕返しを企てる。
- Tom Jackson(トム・ジャクソン)
- 生年月日 1948年10月27日
- 出身地 カナダ
まとめ:人生は思い通りにいかない、愛と喪失の物語
コックスマンは息子を殺した犯人にたどり着くために、手当たり次第に麻薬組織のチンピラどもを殺していくが、死んだ息子は生き返らない。
コックスマンが始めた復讐劇が新しい復讐の連鎖を生み出して、次から次へと人が死んでいく。
しかし、映画の中盤に差し掛かると死の描写も単純になっていく。
復讐と殺戮の映画だと思ってみていてはいけない。
それぞれに魅力的で個性的なマフィアな構成員たちが出てくる。
子供の面倒をよく見てくれる人の良さそうなマフィア、雪遊びが大好きなマフィア、空飛ぶために生まれてきたと言うマフィア、同性愛のマフィアなど観ている人がおそらく彼らに愛着がわくようにこの映画は作られているに違いない。
しかし、この映画の登場人物たちは次から次へと死んでいく。
中にはもちろん、死んでスッキリする奴らもたくさんいるが、もしあなたのお気に入りの構成員がスクリーンの中で死んでいったらどうなるだろうか?
そして、そのキャラクターたちにもパートーナーがいたとしたら。残されたパートーナーの立場でこの映画を観続けることとなる。
この映画はそういった「愛と喪失の物語」を語る作品なのだ。
ただのブラックユーモアの復讐劇ではない大人のドラマ。
以上、『映画「スノー・ロワイヤル」リーアム・ニーソン主演:復讐劇の裏に、愛と喪失の物語が隠されている』でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
映画ライター宮川(@miyakawa2449)でした。
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おまけ:映画「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車」
- Stellan Skarsgård(ステラン・スカルスガルド)
- 生年月日 1951年6月13日
- 出生地 スウェーデン
- 主な映画出演作品
- Mamma Mia! Here We Go Again(マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー・2018)/ビル 役
- The Avengers: Age of Ultron(アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン・2015)/エリック・セルヴィグ教授 役
- Thor: The Dark World(マイティ・ソー/ダーク・ワールド・2013)/エリック・セルヴィグ教授 役
- The Girl with the Dragon Tattoo(ドラゴン・タトゥーの女・2011)/マルティン・ヴァンゲル 役
- Angels & Demons(天使と悪魔・2009)/ リヒター隊長 役
- Pirates of the Caribbean: Dead Man’s Chest(パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト・2006)/ビル・ターナー 役(ブーツストラップ)
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