映画『007シリーズ』はイギリスの作家イアン・フレミング(1908年 – 1964年)のスパイ小説を原作としています。
イアン・フレミングは英海軍情報部に勤務した経験を元に007シリーズを執筆していたという話は有名である(イギリスも参戦した第二次世界大戦中は諜報員として活動し、「ゴールデンアイ作戦」などの指揮を執った。)。
007シリーズは50年以上の歴史がありますが、全ての作品がつながっているわけではありません。
007シリーズは1962年の第1作目から24作品製作されており、最新作であり第25作目の『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ(原題:No Time to Die)の公開を今年4月に控えています(公開日 4/3 英国、4/8 米国、4/10 日本)。
最新作の『007ノー・タイム・トゥ・ダイ』を観るためには、数多くの007シリーズを観る必要もありません。
そこで最新作の007シリーズを観るにあたりどこから見ればいいのかまとめてみました。
最新007シリーズ6代目ジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)
最新作の『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』は6代目ジェームズ・ボンド=ダニエル・クレイグが出演する5作目であり、2006年からスタートしたダニエル・クレイグが演じたジェームズ・ボンドシリーズの完結編になります。
- 21作目 007 カジノ・ロワイヤル / Casino Royale (2006)
- 22作目 007 慰めの報酬 / Quantum of Solace(2008)
- 23作目 007 スカイフォール / Skyfall(2012)
- 24作目 007 スペクター / Spectre(2015)
- 25作目 007 ノー・タイム・トゥ・ダイ / No Time to Die(2020)
もし、007シリーズが長すぎて観る機会がこれまでなかった方には『007 カジノ・ロワイヤル』から観ることをおすすめします。
もっとも現代に近い社会情勢に基いているので、素直に観ることができると思います。
しかも、『カジノ・ロワイヤル』は原作者イアン・フレミングが書いた007長編小説の第1作目であり、ジェームズ・ボンドが00(ダブルオー・殺しのライセンス)を取得するシーンから描かれる記念的作品です。
過去にコメディー映画化されたものを除けば、原作通りに映画化された『カジノ・ロワイヤル』はダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドが初めてです。
『007 カジノ・ロワイヤル』と『007 慰めの報酬』は前後編の作りになっています。
『007 スカイフォール』はジェームズ・ボンドの上司Mにまつわる物語で1話完結モノです。
『007 スペクター』はジェームズ・ボンドの過去が起因する物語ですが、『カジノ・ロワイヤル』から『スカイフォール』まで含めたこれまでの作品が実は1つの犯罪組織が操っていたという伏線が登場します。
そして、その犯罪組織からの流れが今回の最新作『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』へと繋がります。
007シリーズ、歴代ジェームズ・ボンド一覧
ジェームズ・ボンド | No. | 公開年 | タイトル | 監督 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
6代目 ダニエル・クレイグ |
第25作目 | 2020 | 007 ノー・タイム・トゥ・ダイ No Time to Die |
キャリー・フクナガ | |
ダニエル・クレイグ | 第24作目 | 2015 | 007 スペクター Spectre(2015) |
サム・メンデス | 40年以上振りに犯罪組織スペクターとブロフェルドが登場する |
ダニエル・クレイグ | 第23作目 | 2012 | 007 スカイフォール Skyfall |
サム・メンデス | 50周年作品。 1995年の『ゴールデンアイ』からMを務めてきたジュディ・デンチが本作でMを引退。 |
ダニエル・クレイグ | 第22作目 | 2008 | 007 慰めの報酬 Quantum of Solace |
マーク・フォースター | 007シリーズ初の続編。 『カジノ・ロワイヤル』のラストシーンから映画が始まる。 |
ダニエル・クレイグ | 第21作目 | 2006 | 007 カジノ・ロワイヤル Casino Royale |
マーティン・キャンベル | イアン・フレミングの小説007シリーズ長編第1作目。 この作品の映像化は何度かあったが、原作に忠実な映画化はこれが初めて。 ボンドが『007』を襲名するシーンから描かれる。 貴重な作品。 |
5代目 ピアース・ブロスナン |
第20作目 | 2002 | 007 ダイ・アナザー・デイ Die Another Day |
リー・タマホリ | 40周年作品 |
ピアース・ブロスナン | 第19作目 | 1999 | 007 ワールド・イズ・ノット・イナフ The World Is Not Enough |
マイケル・アプテッド | 初代Qを演じてきたデスモンド・リュウェリンの遺作となった作品。 17作の007に出演していた。 |
ピアース・ブロスナン | 第18作目 | 1997 | 007 トゥモロー・ネバー・ダイ Tomorrow Never Dies |
ロジャー・スポティスウッド | |
ピアース・ブロスナン | 第17作目 | 1995 | 007 ゴールデンアイ GoldenEye |
マーティン・キャンベル | 1990年代に入って冷戦が終結。 007シリーズの初期からのプロデューサーであるアルバート・R・ブロッコリが前作で降板し、ほぼ全てが新しくなった007。 前作『消されたライセンス』の3倍のチケットが売れ、1995年の映画の世界興行成績で第3位。 |
4代目 ティモシー・ダルトン |
第16作目 | 1989 | 007 消されたライセンス Licence To Kill |
ジョン・グレン | 第1作からの脚本を手がけてきたリチャード・メイボーム、メイン・タイトルをデザインしてきたモーリス・ビンダーがともに他界。 次回作以降のビジュアル、画質も全てが新しくなる。 ボンドの所属も実在のMI6となり分岐点となる作品。 |
ティモシー・ダルトン | 第15作目 | 1987 | 007 リビング・デイライツ The Living Daylights |
ジョン・グレン | シリーズ誕生25周年であり、15作目。 |
3代目 ロジャー・ムーア |
第14作目 | 1985 | 007 美しき獲物たち A View To A Kill |
ジョン・グレン | ムーアボンド最後の作品 |
ロジャー・ムーア | 第13作目 | 1983 | 007 オクトパシー Octopussy |
ジョン・グレン | 配給元だったユナイテッド・アーティスツが経営破綻し、MGMが手掛けたシリーズ最初の作品 |
ロジャー・ムーア | 第12作目 | 1981 | 007 ユア・アイズ・オンリー For Your Eyes Only |
ジョン・グレン | 空中スタントから、カーチェイス、スキーアクション、銃撃戦などスリリングなシーンが満載。 SF色の強かった前作から、007映画の原点へ軌道修正された。 |
ロジャー・ムーア | 第11作目 | 1979 | 007 ムーンレイカー Moonraker |
ルイス・ギルバート | 『スター・ウォーズ(EP4・1977)』大ヒットの影響で、ボンドも宇宙にいくことになった作品 |
ロジャー・ムーア | 第10作目 | 1977 | 007 私を愛したスパイ The Spy Who Loved Me |
ルイス・ギルバート | シリーズ開始15周年であり、10作目という記念的作品 |
ロジャー・ムーア | 第9作目 | 1974 | 007 黄金銃を持つ男 The Man with the Golden |
ガイ・ハミルトン | |
ロジャー・ムーア | 第8作目 | 1973 | 007 死ぬのは奴らだ Live and Let Die |
ガイ・ハミルトン | ショーン・コネリーより3歳年上のロジャー・ムーアがボンド襲名 |
初代(復帰) ショーン・コネリー |
第7作目 | 1971 | 007 ダイヤモンドは永遠に Diamonds Are Forever |
ガイ・ハミルトン | コメディー路線に走り出した作品。 犯罪組織スペクターが2015年まで出なくなったきっかけも作られた。 |
2代目 ジョージ・レーゼンビー |
第6作目 | 1969 | 女王陛下の007 On Her Majesty’s Secret Service |
ピーター・ハント | 劇中でメインのボンドガールが死亡する最初の作品 |
初代 ショーン・コネリー |
第5作目 | 1967 | 007は二度死ぬ You Only Live Twice |
ルイス・ギルバート | 日本人俳優出演・日本でのロケあり |
ショーン・コネリー | 第4作目 | 1965 | 007 サンダーボール作戦 Thunderball |
テレンス・ヤング | |
ショーン・コネリー | 第3作目 | 1964 | 007 ゴールドフィンガー Goldfinger |
ガイ・ハミルトン | 本格的ボンドカーとしてアストンマーティン・DB5が登場。 Qの役割なども確立された作品 |
ショーン・コネリー | 第2作目 | 1963 | 007 ロシアより愛をこめて From Russia with Love |
テレンス・ヤング | |
ショーン・コネリー | 第1作目 | 1962 | 007 ドクター・ノオ Dr. No |
テレンス・ヤング | 映画シリーズ記念すべき第1作目 |
歴代ジェームズ・ボンド初代から先代の5代目まで写真で紹介
初代ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)
ショーン・コネリーの出演した007シリーズ一覧
- 1作目 007 ドクター・ノオ / Dr. No(1962)
- 2作目 007 ロシアより愛をこめて / From Russia with Love(1963)
- 3作目 007 ゴールドフィンガー / Goldfinger(1964)
- 4作目 007 サンダーボール作戦 / Thunderball(1965)
- 5作目 007は二度死ぬ / You Only Live Twice(1967)
- 7作目 007 ダイヤモンドは永遠に / Diamonds Are Forever(一時復帰 1971)
2代目ジェームズ・ボンド(ジョージ・レーゼンビー)
ジョージ・レーゼンビーが出演した作品は1作品のみ
- 6作目 女王陛下の007(On Her Majesty’s Secret Service(1969)
3代目ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)
ロジャー・ムーアの出演した007シリーズ一覧
- 8作目 007 死ぬのは奴らだ / Live and Let Die(1973)
- 9作目 007 黄金銃を持つ男 / The Man with the Golden(1973)
- 10作目 007 私を愛したスパイ / The Spy Who Loved Me(1977)
- 11作目 007 ムーンレイカー / Moonraker(1979)
- 12作目 007 ユア・アイズ・オンリー / For Your Eyes Only(1981)
- 13作目 007 オクトパシー / Octopussy(1983)
- 14作目 007 美しき獲物たち / A View To A Kill(1985)
4代目ジェームズ・ボンド(ティモシー・ダルトン)
ティモシー・ダルトンが出演した007一覧
- 15作目 007 リビング・デイライツ / The Living Daylights(1987)
- 16作目 007 消されたライセンス / Licence To Kill(1989)
5代目ジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)
ピアース・ブロスナンが出演した007一覧
- 17作目 007 ゴールデンアイ / GoldenEye(1995)
- 18作目 007 トゥモロー・ネバー・ダイ / Tomorrow Never Dies(1997)
- 19作目 007 ワールド・イズ・ノット・イナフ / The World Is Not Enough(1999)
- 20作目 007 ダイ・アナザー・デイ / Die Another Day(2002)
007シリーズのまとめ
記念すべき第1作目はショーン・コネリーがジェームズ・ボンドを演じた、1962年の『007 ドクター・ノオ
/ Dr. No』でした。
間も無く60周年を迎える007シリーズです。
シリーズ映画というと、数が多過ぎると見たことがない人はなかなか手が出せないものです。
007シリーズは新作含めて25作品とたくさん公開されています。
007は本来1話完結型の映画なのでどの作品から観ても楽しめます。
最新作『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』を楽しむ場合は、前作の『007 スペクター』だけでも観ておいた方がいいと思いますが、4月公開まで時間がありますので『007 カジノ・ロワイヤル』から4作品を観ておいてもいいかもしれませんね。
以上、「最新作の『007ノー・タイム・トゥ・ダイ』を楽しむためのポイント(007シリーズ一覧と歴代ジェームズ・ボンド作品一覧)」でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント