映画『007 慰めの報酬』は、前作『007 カジノ・ロワイヤル』からの続編です。
永遠の愛を誓ったヴェスパーがジェームズ・ボンドを助けるために自殺をした前作。
ヴェスパーが残していた手がかりを頼りに、ボンドが犯罪組織の暗殺者ミスター・ホワイトを拘束するところで1作目『007 カジノ・ロワイヤル』は終幕となり、2作目『007 慰めの報酬』の冒頭に繋がります。
映画『007 慰めの報酬』あらすじ
「ミスター・ホワイト」を拘束したジェームズ・ボンドは尋問をしていたが、内部の裏切りにより「ミスター・ホワイト」を逃してしまう。
裏切り者が所持していた『紙幣』から、ル・シッフル(前作、カジノ・ロワイヤルのビラン)との繋がりが見つかる。
同じ種類の『紙幣』を持つ男がハイチへ入国するという情報を手に入れたボンドは、ハイチに飛ぶ。
そこでボンドは世界各国の政府要人が集まるパーティーで、犯罪組織と繋がりがあると見られる要人の顔写真を入手することになるが、その中には英国政府首相に近い人物の名前が。
Mより帰国を命じられるボンドはMの命令を無視する。
犯罪組織と契約をかわそうとするCIA、英国政府など裏社会と表世界の繋がりが見え隠れする007シリーズ
映画『007 慰めの報酬』基本情報
邦題 | 007 慰めの報酬 |
原題 | 007 Quantum of Solace |
監督 | マーク・フォースター |
脚本 | ジョシュア・ゼトゥマー ポール・ハギス ニール・パーヴィス ロバート・ウェイド |
原作 | イアン・フレミング |
製作 | マイケル・G・ウィルソン バーバラ・ブロッコリ |
製作総指揮 | カラム・マクドゥーガル アンソニー・ウェイ |
出演者 | ダニエル・クレイグ オルガ・キュリレンコ マチュー・アマルリック ジャンカルロ・ジャンニーニ ジェマ・アータートン アナトール・トーブマン イェスパー・クリステンセン デヴィッド・ハーバー ロリー・キニア ティム・ピゴット=スミス ホアキン・コシオ ジェフリー・ライト ジュディ・デンチ |
音楽 | デヴィッド・アーノルド |
主題歌 | 「アナザー・ウェイ・トゥ・ダイ」 アリシア・キーズ ジャック・ホワイト |
製作会社 | イーオン・プロダクションズ ダンジャック ユナイテッド・アーティスツ コロンビア映画 |
公開 | 2008年 |
上映時間 | 106分 |
著作権 | Quantum of Solace © 2008 Danjaq, LLC, United Artists Corporation and Columbia Pictures Industries, Inc. All right reserved. |
映画『007 慰めの報酬』の主な登場人物
ジェームズ・ボンド/007(ダニエル・クレイグ)
生涯の愛を誓ったヴェスパーの死から立ち直ったと言い切るジェームズ・ボンド。
しかし、ボンドの見えない心は復讐を誓っていた。
ミスター・ホワイトを拘束したボンドは追っ手を激しいカーチェイスで振り切り、Mのもとにホワイトを引き渡し尋問する。
ホワイトを唯一の手掛かりとしてその背後にある組織を探っていた。
しかし、裏切りに合いホワイトを取り逃がしてしまう。
裏切り者とル・シッフルとの接点から1つの細い線で犯罪組織への繋がりを見つけるボンドたち。
- Daniel Craig(ダニエル・クレイグ)
- 生年月日 1968年3月2日
- 出身地 イングランド・チェシャー州チェスター
- 主な映画出演作品
- No time to Die(007 ノー・タイム・トゥ・ダイ・2020) / 主演 ジェームズ・ボンド 役 /007 / 007シリーズ第25作
- Spectre(007 スペクター・2015)/ 主演 ジェームズ・ボンド 役 /007
- Skyfall(007 スカイフォール・2012)/ 主演 ジェームズ・ボンド 役 /007
- The Girl with the Dragon Tattoo(ドラゴン・タトゥーの女・2011)/ 主演 ミカエル・ブルムクヴィスト 役 / ハリウッド版
- 007 Quantum of Solace(007 慰めの報酬・2008) / 主演 ジェームズ・ボンド 役 /007
- 007 Casino Royale(007 カジノ・ロワイヤル・2006) / 主演 ジェームズ・ボンド 役 /007(6代目0071作目作品)
カミーユ (オルガ・キュリレンコ)
本作のボンドガール。
ジェームズ・ボンドと出会ったときから犯罪組織から命を狙われていた。
カミーユはカミーユでメドラーノ将軍に家族をなぶり殺しにされた復讐のためにある犯罪組織に男に接触していた。
- Olga Kurylenko(オルガ・キュリレンコ)
- 生年月日 1979年11月14日
- 出生地 ウクライナ・ソビエト社会主義共和国 ザポリージャ州・ベルジャーンシク
- 国籍 ウクライナ及び、フランス
- 主な映画出演作品
- The Death of Stalin(スターリンの葬送狂騒曲・2017) / マリヤ・ユーディナ 役
- The November Man(スパイ・レジェンド・2014) / アリス・フルニエ 役
- 007 Quantum of Solace(007 慰めの報酬・2008) / カミーユ 役(ボンドガール)
M(ジュディ・デンチ)
MI6の長官であり、ジェームズ・ボンドの上司。
ボンドを信じて捜査を任せるが、ボンドは次から次へと手がかりとなる男たちを殺害していく。
ボンドがコントロールできなくなり、MI6、CIA、そして、犯罪組織3つから命が狙われることになったとき、Mはボンドに警告する。
- Judi Dench(ジュディ・デンチ)
- 生年月日 1934年12月9日
- 出身地 イングランド ヨーク
- 主な映画出演作品
- Skyfall(007 スカイフォール・2012)/ M 役 (6代目ジェームズ・ボンドシリーズ)
- 007 Quantum of Solace(007 慰めの報酬・2008) / M 役 (6代目ジェームズ・ボンドシリーズ)
- 007 Casino Royale(007 カジノ・ロワイヤル・2006) / M 役 (6代目ジェームズ・ボンドシリーズ)
- Die Another Day(007 ダイ・アナザー・デイ・2002) / M 役 (5代目ジェームズ・ボンドシリーズ)
- The World Is Not Enough(007 ワールド・イズ・ノット・イナフ・1999)/ M 役 (5代目ジェームズ・ボンドシリーズ)
- Shakespeare in Love(恋におちたシェイクスピア・1999) / エリザベス1世 役 / アカデミー助演女優賞受賞・英国アカデミー賞 助演女優賞受賞・ゴールデングローブ賞 助演女優賞ノミネート その他
ルネ・マティス(ジャンカルロ・ジャンニーニ)
ジェームズ・ボンドの所為で拷問を受けたMI6元職員。
前作『007 カジノ・ロワイヤル』でボンドの捜査を手伝っていた。
ボンドはボリビアに潜入するたにマティスの力を仮に訪れる。
- Giancarlo Giannini(ジャンカルロ・ジャンニーニ)
- 生年月日 1942年8月1日
- 出身地 イタリア/リグーリア州/ラ・スペツィア
- 主な映画出演作品
- 007 Quantum of Solace(007 慰めの報酬・2008) / レネ・マティス 役
- 007 Casino Royale(007 カジノ・ロワイヤル・2006) / レネ・マティス 役
- Man on Fire(マイ・ボディガード・2004) / ミゲル・マンサーノ 役
- Hannibal(ハンニバル・2001) / リナルド・パッツィ刑事 役
ミスター・ホワイト
ジェームズ・ボンドが生涯の愛を誓ったヴェスパーを操っていた犯罪組織の暗殺者。
ボンドに拘束されるが、MI6内部の内通者のお陰で逃亡を成功させる。
MI6はミスター・ホワイトの線を辿って犯罪組織をあぶり出す作戦だったが、作戦が無に帰ってしまった。
- Jesper Christensen(イェスパー・クリステンセン)
- 生年月日 1948年5月16日
- 出身地 コペンハーゲン
- 主な映画出演作品
- Spectre(007 スペクター・2015)/ミスター・ホワイト 役
- 007 Quantum of Solace(007 慰めの報酬・2008) /ミスター・ホワイト 役
- Casino Royale(007 カジノ・ロワイヤル・2006) /ミスター・ホワイト 役
メドラーノ将軍(ホアキン・コシオ)
元ボリビア軍事政権トップのメドラーノ将軍。
クーデターを起こすための資金をドミニク・グリーンから受ける。
- Joaquín Cosío(ホアキン・コシオ)
- 生年 1962年
- 出身地 メキシコ ナヤリット州テピク
- 主な映画出演作品
- 007 Quantum of Solace(007 慰めの報酬・2008) / メドラーノ将軍 役
ドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)
グリーン・プラネットのCEO(最高経営責任者)。
公益事業の会社を経営している。
表向きには慈善的な活動をしており、環境保全のために土地を買収したりしている。
メドラーノ将軍に資金を提供する見返りは不毛な砂漠の土地。
- Mathieu Amalric(マチュー・アマルリック)
- 生年月日 1965年10月25日
- 出身地 フランス
- 主な映画出演作品
- At Eternity’s Gate(永遠の門 ゴッホの見た未来・2018) / ポール・ガシェ医師 役
- 007 Quantum of Solace(007 慰めの報酬・2008) / ドミニク・グリーン 役
フィリックス・ライター(ジェフリー・ライト)
CIAの諜報員でジェームズ・ボンドの友人。
- Jeffrey Wright(ジェフリー・ライト)
- 生年月日 1965年12月7日
- 出身地 アメリカ合衆国 ワシントンD.C.
- 主な映画出演作品
- No time to Die(007 ノー・タイム・トゥ・ダイ・2020) / CIA フィリックス・ライター 役
- 007 Quantum of Solace(007 慰めの報酬・2008) / CIA フィリックス・ライター 役
- 007 Casino Royale(007 カジノ・ロワイヤル・2006) / CIA フィリックス・ライター 役
映画『007 慰めの報酬』まとめ
今回の『007 慰めの報酬』は前作『007 カジノ・ロワイヤル』から人間関係を引き継いでいますが、独立した話としても楽しめる作りになっていました。
今回の映画のテーマはまさに『復讐』でした。
ジェームズ・ボンドはMの命を狙ったという大義名分を振りかざして、犯罪組織を追い詰めていきました。
そして、最後には永遠の愛を誓ったヴェスパーの仇を見つけ出し捕まえることに成功する。
一方で今回のボンドガールであるカミーユも家族の仇を討つことになります。
犯罪組織の人間とはいえ、いく先々で感情に任せて殺して回っていたジェームズ・ボンドでしたが、カミーユの姿と自分を重ね合わせて、ボンドは成長します。
そして、復讐に燃えるボンドの姿を咎めつつも、支えるM(エム)とボンドの信頼関係の見せ方が味があって素敵な作品に仕上がっていました。
映画『007 慰めの報酬』の解説
『007 慰めの報酬』の解説記事です。
そのため『007 慰めの報酬』のコアに迫ります。
作中のネタに関する紹介も含まれます。
ネタバレしても問題ない人が観てください。
ネタバレごめんっていう方はここから先へすすまないようにしてください。
映画『007 慰めの報酬』
ジェームズ・ボンドが追う犯罪組織には、ドミニク・グリーンが絡んでいた。
ドミニク・グリーンはグリーン・プラネットのCEO(最高経営責任者)であり、表向きには公益事業の会社を経営している。
しかし、裏では元ボリビア軍事政権トップであるメドラーノ将軍のクーデターに資金を回す。
さらにはボリビアの石油採掘権を牛耳り、世界の要人(政府要人も含む)を巻き込み石油資源を牛耳ろうとしていた。
クーデター成功に向けてアメリカの介入を防ぐためにCIAを介入させる用意周到さも備えていた。
ドミニク・グリーンがつながっている要人の中には英国首相付き特命大使G・ヘインズも含まれていた。
ジェームズ・ボンドがドミニク・グリーンを追い詰めれば追い詰めるほど、CIA、MI6からの締め付けが厳しくなり、最後にはドミニク・グリーン、CIA、MI6の3つの組織から命を狙われる羽目になった。
国益という言葉の前には悪と手を組むことも厭わないCIAの上官や、英国政府高官が印象的だった。
ボンドの復讐
元はヴェスパーの死から始まったミスター・ホワイトの追撃。
蓋を開ければ世界要人を巻き込んだ犯罪組織の匂いが。
ドミニク・グリーンですら、組織の一員にすぎなかった。
彼はMの命が狙われたことで、ドミニク・グリーンも追っていたわけだけれど、最後にはヴェスパーを裏切らせた男と突き止めて逮捕という形で仇を取ることに成功した。
以上、「映画『007 慰めの報酬』007最新シリーズの2作目解説」でした。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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