映画「Diner ダイナー」感想・レビュー(新感覚のサイコスリラー/藤原竜也・玉城ティナ出演)

映画「Diner ダイナー」感想・レビュー(新感覚のサイコスリラー/藤原竜也・玉城ティナ出演)

俳優の藤原竜也主演、写真家である蜷川実花が監督を務める映画「Diner ダイナー」が本日公開されました。

原作は平山夢明著書、「ダイナー(ポプラ文庫)」です。

原作者の平山さんのツィート3つが公開されています。
残りはリンク先を辿ってみてください。

今回、映画館の予告でなんども観せられて気になっていたので観てみました。

映画と原作は表現者が変わるので、どんな風に原作が料理されているのか監督の腕の見せ所ですね。

映画「Diner ダイナー」予告編

YouTube「ワーナー ブラザース 公式チャンネル」より
「映画『Diner ダイナー』本予告【HD】2019年7月5日(金)公開」

映画「Diner ダイナー」あらすじ・ストーリー

引用元 : 映画『Diner ダイナー』オフィシャルサイト

ようこそ、殺し屋専用のダイナー<食堂>へ
そこは、命がゴミのように扱われる、殺し屋専用のダイナー<食堂>。店主は、元殺し屋で天才シェフのボンベロ。

「俺は、ここの王だ。砂糖の一粒まで俺に従う。」
日給30万の怪しいアルバイトに手を出したオオバカナコは、ウェイトレスとして売られてしまう。次々と店にやってくる殺し屋たち。オーダーは極上の料理か、殺し合いか…店主、ウェイトレス、殺し屋たち。新たな殺し合いが今、始まる――!

食堂でのルール
一・シェフに従うか、死ぬか。
一・殺し屋以外、入店不可。
一・どんな殺し屋でも、平等に扱う。

客は全員殺し屋。
命が“グズ同然”のダイナー(食堂)で、殺し合いゲーム開演。

映画「Diner ダイナー」感想・レビュー

映画の冒頭の導入部分でガツンと頭を殴られた感じ

『映画の冒頭部分からすごい』が分かる。

原作を読んだ人はわかると思いますが、オオバカナコがいかにしてダイナーに行き着いたのか?
どんな人生を歩んできてのか?

この見せ方が非常に斬新でかっこよかった。

女性の蜷川実花監督だからこそできる表現方法と色使いだったと思います。

普通の映画だったら原作にほぼほぼ忠実に映像化するところを、原作内容の濃い部分だけを抽出し、演劇演出の映像表現でオオバカナコの子供時代から大人時代への半生を映像化する方法が取られていました。
この方法は非常に斬新でよかったと思う。

まさに想像の斜め上を行く表現方法ででした。

この冒頭シーンはこれから2時間近く観る映画作品「Diner ダイナー」の基本演出方法を観ている人たちに予習させることにも成功していたと思います。

冒頭で利用された演劇手法がときどき本編でも差し込まれてきます。

また、この映画の特徴のもう1つに「色とりどりな色彩」があります。
これは監督が写真家として得意としている彩(いろどり)豊かな表現方法を映像でも生かしているというところの特徴だと思います。
この点は予告編の映像からも観て取れます。

観る前は不安でした

原作小説が事前にあっての作品なので、映画を観るま前まで若干の不安がありました。
原作に立ち込めるあの殺害シーンの緊張感やドロドロしさをどう表現するのか?
例えば、原作「ダイナー」では残虐で生々しい殺害シーンの描写が特徴的ですが、映倫区分G(誰でも観れる)作品に仕上げている時点で殺害描写はどう扱われるのか分からなかったからです。

また、主人公の1人であるオオバカナコが原作では人生に疲れた30代女性ですが、演じるのは21歳の玉城ティナ(10代でも通じる可愛い女の子)さんです。
そんな玉城ティナにオオバカナコが持つ、人生に疲れて絶望しているような役が務まるのか、またはどう表現するのか?

不安ではありましたが、ちゃんと演出されており不安は杞憂(きゆう)に終わりました。

殺害シーンをブラックなユーモアで描く

例えば、殺害シーンなどについては具体的に描かれている描写がなくても「人が死んだ」ということは映像の前後の描写でわかります。

殺し方や殺しの道具などについても「きっかけとなる道具がそこにある」という描写があれば結果人が死んでいる表現が成立するので映画を楽しむ上ではまったく邪魔になりませんでした。

むしろ、「ダイナー」が持つ不思議な雰囲気というや魅力のお陰で作品を楽しむことができました。

映画「Diner ダイナー」には、少年ジャンプ「ワンピース」の登場人物たちのように派手な衣装で個性的な殺し屋たちがたくさん出てきます。
殺し屋同士が殺しあう様子は、実写版ワンピースをイメージさせるマンガチックさもありました。
人が死んでも残忍さよりも、ブラックなユーモアが際立っていたと思います。

人体を切り刻んだりするシーンが出てくる原作を、映倫区分G(全年齢対象)のシナリオに仕上げた脚本家「後藤ひろひと」さんの功績は大きいと思います。

オオバカナコに見えた玉城ティナ

映画「Diner ダイナー」より 玉城ティナが演じる、オオバカナコ
映画「Diner ダイナー」より
玉城ティナが演じる、オオバカナコ
©2019 「Diner ダイナー」製作委員会

作中でも宙づりにされたり、水だらけ、泥だらけにされ、殺し屋に体を触られたり、恐怖や苦痛に満ちた表情なども見せてくれて、原作のオオバカナコがそこにいました。
みっともなくても必死に生き続けようともがき、いろいろな殺し屋に命を狙われながらも生き続けるオオバカナコが愛おしい。
愛おしく感じさせる蜷川実花監督ワールドは1度観るとクセになります。

もう1回玉城ティナのオオバカナコに会いに劇場にいってもいいかもしれない。

  • 玉城ティナ
  • 生年月日 1997年10月8日
  • 出身 沖縄県
  • 職業 ファッションモデル、アイドル
  • 所属事務所  Dine and indy

藤原竜也演じるボンベロ

映画「Diner ダイナー」より 藤原竜也が演じる、ボンベロ
映画「Diner ダイナー」より
藤原竜也が演じる、ボンベロ
©2019 「Diner ダイナー」製作委員会

殺し屋たちとボンベロが戦うシーンなどは殺し屋藤原竜也のプロモーションビデオのような映像美でした。

シェフとして料理をするシーンなども立ち姿や、包丁さばきなど一番美しく見える角度で撮影されている。

蜷川実花監督がインタビューで「今まで一番かっこいい藤原竜也を撮る」と言っていたのが納得できる映像美でした。

もちろん、ボンベロ(原作キャラ)としての藤原竜也の芝居もよかったと思います。
オオバカナコと出会い、仕事を与えるが、結果以外には関心を示さない無関心の時期。
付き合いが長くなり、オオバカナコに情が生まれた瞬間など、ときどきでオオバカナコに接するときのボンベロの微妙な心理描写を演じていたと思います。

藤原竜也演じるボンベロと、玉城ティナ演じるオオバカナコの物語の最後も激しくて、切なくて、美しかったです。もう一度確かめたいかも。

  • 藤原竜也
  • 生年月日 1982年5月15日
  • 出身 埼玉県
  • 所属事務所 ホリプロ
  • 主な映画出演作品
    • 22年目の告白 -私が殺人犯です- / 曾根崎雅人(主演)
    • るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編(2014)/ 志々雄真実 役
    • デスノートthe Last name(後編・2006)/ 夜神月(主演)
    • デスノート(前編・2006)/ 夜神月(主演)

まとめ

アクション映画も初めてという蜷川実花監督は基本は写真家。

その蜷川実花監督がこの映画はカラフルな色彩で独特の世界観を表現しています。

まるで2時間のオオバカナコの悪夢を見せ続けられているような(良い意味で)作品でした。

殺されかけて、行き着いた先が殺し屋専用のダイナー。
そこの店主のボンベロも元殺し屋で逆らえば殺される、客も殺し屋で機嫌を損ねれば殺される。
生き残りたいために必死に頭使って生き延びようとするオオバカナコ。

これを悪夢と言わずしてなんといおう。

しかし、この悪夢はクセになる。

もう一度劇場で体験したくなる。

生き延びるために必死に抵抗してきたオオバカナコが生きる自由よりも死を選ぶシーンが最高にクールでかっこよかった。

ボンベロはいつでもどこでもかっこよく、無駄のない合理的な男。しかし、そんなボンベロが、非論理的な行動に走り、不器用にオオバカナコをかばうシーンがあるのだが、最高な見せ場だったと思う。
いつも「めんどくさい女」だと呟いていたのに。

「殺す」「邪魔だ」といつも言いながら、実はただのツンデレだったのか?
いや、短い時間ながらオオバカナコと過ごした2人の時間が彼に新しい感性を与えたのかもしれない。

バイオレンス(暴力)よりもサイコスリラー(心理的に不安をあおる)な作品ではあるが、原作者・平山夢明の狂気と、脚本家・後藤ひろひとのシナリオ、監督・蜷川実花の色彩ワールドが見事に融合した世界。
そして、藤原竜也、玉城ティナをはじめとした俳優陣が演じた個性的なキャラクターたち、夢か現か幻とも取れない不思議な世界へどうぞ足を踏み入れて観てください。
クセになりますよ。

以上、『映画「Diner ダイナー」感想・レビュー(新感覚のサイコスリラー/藤原竜也・玉城ティナ出演)』でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

映画評論家宮川(@miyakawa2449)でした。

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