映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」感想・レビュー(純粋な古典怪談ホラーは馬鹿にできない)

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」より ホラー
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こんにちは映画ライター宮川(@miyakawa2449)です。

世界興行収入累計1500億円を超える『死霊館』シリーズを世に贈り出したホラーの天才ジェームズ・ワンがディレクターを担当した、「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」が5月10日に死霊館ユニバースの作品として公開されました。

ジェームズ・ワンと言えば「アクアマン」の大ヒットも記憶に新しいですが、監督業を他人にゆずり製作に専念する手法を最近とっており、今回の「ラ・ヨローナ 泣く女」はマイケル・チャベス監督を指名しました。
なお、「死霊館」の次回作「The Conjuring3」もマイケル・チャベス監督の予定です。

シリーズを知り尽くしたジェームズ・ワンが関わっているので期待大で映画を観てきましたが、この作品はこれまでの「死霊館シリーズ」とは系統が違います。

これまでの作品には悪魔が必ず出てきましたが今回は「悪魔」ではなく、「怪談ホラー」がテーマになっています。

このことは公式が事前に宣伝している情報からもわかりますし、「ラ・ヨローナ」そのもののがラテン・アメリカではメジャーな怪談として言い伝えられています。

これまでと同じ流れを期待すると肩透かしをくらうかもしれませんいが、めちゃくちゃ怖いです。
日本の怪談のように精神的にどんどん追い詰められていくホラー映画でした。

それでは映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」を紹介します。

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映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」予告編

ワーナー ブラザース 公式チャンネルより、映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」の予告編 YouTube

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」のストーリー

引用元:映画『ラ・ヨローナ ~泣く女~』2019年5月10日(金)全国ロードショー

1970年代のロサンゼルス。不可解な死を遂げた子供の母親が、不吉な警告を発する。しかし、それを無視したソーシャルワーカーのアンナ(リンダ・カーデリーニ)と彼女の子供たちは、ほどなくしてある女の”泣き声”を聞いてしまう―。

その日を境に数々の恐ろしい現象に襲われることとなった家族は、教会に助けを求めるが、そこで語られたのは、呪われたすすり泣く女”ヨローナ”の存在だった―。

ヨローナはプールやバスタブ、トイレであろうが、水のある所に現れる。果たして家族は逃げ場のない恐怖から逃れることはできるのか―。

原題 The Curse of La Llorona
監督 Michael Chaves(マイケル・チャベス)
製作 James Wan(ジェームズ・ワン)
Gary Dauberman(ゲイリー・ドーベルマン)
Emile Gladstone(エミール・グラッドストーン)
出演者 Linda Cardellini(リンダ・カーデリーニ)
音楽 Joseph Bishara(ジョセフ・ビシャラ)
製作会社 New Line Cinema
配給 Warner Bros. Entertainment, Inc.
公開 アメリカ合衆国 2019年4月19日
日本 2019年5月10日
上映時間 93分
著作権 ©2019 Warner Bros. All Rights Reserved.

映画「死霊館シリーズ」「アナベルシリーズ」の監督や製作、キャストなどの基本情報

死霊館のシスター アナベル 死霊人形の誕生 アナベル 死霊館の人形 死霊館 死霊館 エンフィールド事件
原題 The Nun Annabelle: Creation Annabelle The Conjuring The Conjuring2
時代設定 1952年 1957年 1967年 1971年 1977年
公開 2018年 2017年 2014年 2013年 2016年
監督 コリン・ハーディ デヴィッド・F・サンドバーグ ジョン・R・レオネッティ ジェームズ・ワン ジェームズ・ワン
脚本 ゲイリー・ドーベルマン ゲイリー・ドーベルマン ギャリー・ダウベルマン
サンライズ・ダンゴ
チャド・ヘイズ
ケイリー・W・ヘイズ
チャド・ヘイズ
ケイリー・W・ヘイズ
ジェームズ・ワン
デヴィッド・レスリー・ジョンソン
製作 ピーター・サフラン
ジェームズ・ワン
ピーター・サフラン
ジェームズ・ワン
ピーター・サフラン
ロブ・コーワン
トニー・デローザ=グランド
ピーター・サフラン
ロブ・コーワン
ピーター・サフラン
ロブ・コーワン
製作総指揮 リチャード・ブレナー
ウォルター・ハマダ
デイヴ・ノイスタッター
ゲイリー・ドーベルマン
リチャード・ブレナー
ウォルター・ハマダ
デイヴ・ノイスタッター
ハンス・リッター
リチャード・ブレナー
ウォルター・ハマダ
デイヴ・ノイスタッター
ハンス・リッター
ウォルター・ハマダ
デイヴ・ノイスタッター
ウォルター・ハマダ
デイヴ・ノイスタッター
出演 タイッサ・ファーミガ
デミアン・ビチル
ジョナ・ブロケ
ボニー・アーロンズ
ステファニー・シグマン
タリタ・ベイトマン
ルル・ウィルソン
フィリパ・クルサード
アナベル・ウォーリス
ウォード・ホートン
アルフレ・ウッダード
ヴェラ・ファーミガ
パトリック・ウィルソン
ヴェラ・ファーミガ
パトリック・ウィルソン
音楽 アベル・コジェニオウスキ ベンジャミン・ウォルフィッシュ ジョセフ・ビシャラ ジョセフ・ビシャラ ジョセフ・ビシャラ

公開順は時系列とは別で、上記のように「死霊館シリーズ」と「アナベルシリーズ」で交互に公開されています。
今回の「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」は1973年の時代設定になっています。

死霊館・アナベルのまとめ

ジェームズ・ワンが製作した昨年公開の「死霊館のシスター」

そもそも「ヨローナ」とは?

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」より マリソル・ラミレスが演じる、ヨローナ

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」より
マリソル・ラミレスが演じる、ヨローナ
©2019 Warner Bros. All Rights Reserved.

引用元: 映画『ラ・ヨローナ ~泣く女~』- WHAT IS ラ・ヨローナ

ヨローナはメキシコ発祥の古くから語り継がれる怪談に登場する呪われた”泣く女”

かつて村一番の美人と謳われた女性が、あるスペイン人と恋に落ちた。
やがて二人は子供を授かり、幸せな毎日を過ごしていたのだが…。

ある日、男は妻を捨て、裕福なスペイン人女性のもとへ去ってしまう。

女はこの夫の裏切りに嫉妬に狂い、夫が愛するものを奪った。
最も愛するもの、我が子を溺死させたのだ。

我に返り後悔と苦しみの末、泣きながら自らも川に身を投げた女。それが、”ヨローナ”。

そして現在、ヨローナの涙は今も枯れることなく、我が子を探し彷徨っているー。
彼女の”泣き声”が聞こえたら、それは終わりの始まり。
彼女は、プールやバスタブ、トイレであろうが、あなたを追って水のある所に現れる。

夫への強い嫉妬から発作的に子ども2人を川で溺死させてしまい、自らもその川で自殺した女の呪いがヨローナである。
ヨローナの泣き声を聞いたものは呪われてしまい、子どもをさらわれてしまうという伝承がメキシコでは広く知られている。

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」は、ある家族がヨローナに呪われて襲われていく恐怖を追体験させてくれる作品です。

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」感想・レビュー

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」より

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」より
©2019 Warner Bros. All Rights Reserved.

この映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」ですが、古典的な怪談ホラーの王道を貫きつつ、ユーモアを盛り込んだ作りになっていました。

ヨローナはメキシコの怪談であり、子どもを奪いにくる悪霊です。

序盤から恐怖を植え付けつつ、徐々に恐怖のレベルをあげていきます。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という言葉がありますが、なんでもないシーンでも悲鳴をあげそうになることもなんどもありました。
恐怖シーンと一般的な場面の緩急のつけ方が絶妙で、ジェットコースターに乗っている感じでした。
ヨローナの風貌も怖いし、呪った家族を追い詰めていく様が実に恐怖体験でした。
観ていてとても興奮しましたし、感動もしたし、ものすごく怖い作品でした。
心を揺さぶるのがこのシリーズは実にうまいと思いました。

「恐怖心」で煽るのがホラー映画の王道ですが、その王道を地でいっている作品です。

死霊館シリーズとして銘打って(めいうって)公開された作品だけに過去の作品との関連性や超常現象に対する考え方は共通なものを感じました。

  • 時代設定は「アナベル 死霊館の人形」の1967年、「死霊館」の1971年の後になる1973年でした。
  • 「アナベル 死霊館の人形」に出演していたペレズ神父が同一人物として登場しています。
  • 悪魔や悪霊ばらいには大司教の許可が必要だが・・・・

「・・・・」の部分は過去作を観ている人はオチがわかると思いますが、初めて見る人の楽しみのためにちょっと伏せておきます。

黙って素直に身を委ねると恐怖を楽しめる映画です。

2回目の鑑賞のときにホラー映画初心者を連れて行きましたが、素直に楽しんでいましたよ。

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」をキャストで振り返る

アンナ(リンダ・カーデリーニ)

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」よりリンダ・カーデリーニが演じる、マリア

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」より
リンダ・カーデリーニが演じる、マリア
©2019 Warner Bros. All Rights Reserved.

警官の夫を亡くして、子ども2人を育てている。
普段は児童福祉施設で勤務しているが、あることがきっかけでヨローナの呪いを家族で受けることになった。

映画「グリーンブック」では主人公トニー・リップの奥さん役を、映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」及び「エンドゲーム」ではバートンの奥さん役を演じていました。
誰かの奥さんを演じる多かったリンダ・カーデリーニ。
今回は主演であり、誰かの奥さんではなく、子どもを守る母親役をたくましく演じ切りました。

最新作には「ハンター・キラー」「シンプル・フェイバー」にも出演しています。

  • Linda Cardellini(リンダ・カーデリーニ)
  • 生年月日 1975年6月25日(43歳)
  • 出生地 アメリカ合衆国カリフォルニア州レッドウッドシティ
  • 主な映画出演作品
    • Hunter Killer(ハンターキラー 潜航せよ・2018)/ジェーン・ノーキスト  役
    • A Simple Favor(シンプル・フェイバー・2018)/ダイアナ・ハイランド 役
    • Green Book(グリーンブック・2018)/ドロレス・バレロンガ  役
    • Avengers: Age of Ultron(アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン・2015)/ローラ・バートン 役(クリントの妻)
    • Scooby-Doo 2: Monsters Unleashed(スクービー・ドゥー2・2004)/ヴェルマ 役
    • Scooby-Doo(スクービー・ドゥー・2002)/ヴェルマ 役

クリスとサム

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」より左:ロマン・クリストゥが演じる、クリス(兄)右:ジェニー・リン・キンチェンが演じるサム(妹)

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」より
左:ロマン・クリストゥが演じる、クリス(兄)
右:ジェニー・リン・キンチェンが演じるサム(妹)
©2019 Warner Bros. All Rights Reserved.

クリス・・妹想いの優しいお兄ちゃん。

サム・・・お気に入りのお人形をいつも肌身離さず持ち歩いている。

ペレズ神父

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」よりトニー・アメンドーラが演じる、ペレズ神父

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」より
トニー・アメンドーラが演じる、ペレズ神父
©2019 Warner Bros. All Rights Reserved.

数年前におきたアナベル人形事件を契機に超常現象を信じるようになった神父。

「アナベル 死霊館の人形」でペレズ神父はアナベル人形に取り憑いた悪魔に襲われ、怪我を負っている。

  • Tony Amendola(トニー・アメンドーラ)
  • 生年月日 1944年8月24日
  • 出生地 アメリカ合衆国コネチカット州ニューヘイブン
  • 主な映画出演作品
    • Annabelle(アナベル 死霊館の人形・2014)/ ペレズ神父 役

ラファエル

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」よりレイモンド・クルツが演じる、ラファエル

映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」より
レイモンド・クルツが演じる、ラファエル
©2019 Warner Bros. All Rights Reserved.

呪術医(あるいは祈祷医)でありラテン系土着のシャーマン

  • Raymond Cruz(レイモンド・クルス)
  • 生年月日 1961年7月9日
  • 出生地 アメリカ合衆国ロサンゼルス

まとめ

古典的な怪談ホラー映画です。

旧作とは系統が違ったユニークな演出もあります。

シリーズものとして期待しすぎると、納得がいかなくて「つまらない」という感想を持ってしまうことがあると思います。
死霊館やアナベルは一度忘れて、先入観なしで劇場に足を運んだ方が恐怖を素直に楽しめる作品です。

一番最初は1人で映画館で観ていたのですが、クライマックスで今まで感じたことがないような感情を感じました。

今までに感じたことがない感情とは、恐怖と感動と安堵の3つの波が一度に押し寄せてきたことです。
とても複雑な感情だったので最初、涙が流れている自分に気づいても何に涙を流していたのか、わからないくらいでした。

純粋な古典怪談ホラーを久しぶりに観ました。

よかったら劇場で恐怖を感じてみませんか?

以上、『映画「ラ・ヨローナ〜泣く女〜」感想・レビュー(純粋な古典怪談ホラーは馬鹿にできない)』でした。

宮川(@miyakawa2449)でした。

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