映画「バイオレンスボイジャー」(脳を揺さぶるバイオレンス怪奇SFの気味の悪い新映像体験!ゲキメーション)

映画「バイオレンスボイジャー」(脳を揺さぶるバイオレンス怪奇SFの気味の悪い新映像体験!ゲキメーション)

金沢のシネモンド(香林坊東急スクエア.4F)で9月14日より、いよいよ映画「バイオレンスボイジャー」が公開されました。

「バイオレンスボイジャー」は世界の映画祭で話題になり国内外20以上の映画祭で公開され、世界でも高い評価を受けています。
この「バイオレンスボイジャー」の監督・脚本を務めたのは1986年生まれ京都出身の宇治茶監督(宇治市出身)です。

この映画の最大の特徴は「ゲキメーション」という手法であり、「ゲキメーション」をバイオレンスホラー映画に利用している点です。
「ゲキメーション」今では知る人がほとんどいない手法ですが、宇治茶監督はこの手法を好んで使っています。
前回の作品は「燃える仏像人間(2013)」ですが、「バイオレンスボイジャー」と同じようにかなり気持ち悪いホラー映画の形をしています。

✳︎ゲキメーションについては後述

ゲキメーションを最初に使ったアニメは、1976年に東京12チャンネルで放送された楳図かずお原作のTVアニメ「妖怪伝 猫目小僧」です。
しかし、その後ゲキメーション手法を活用し、メジャーとなった作品は宇治茶監督が登場するまで現れていませんでした。

映画「バイオレンスボイジャー」予告編

全世界、ガクブル!『バイオレンス・ボイジャー』5月24日(金)より<衝撃>のロードショー!

YouTube の KATSU-do 公式チャンネルより

映画「バイオレンスボイジャー」ストーリー・あらすじ

引用元: ストーリー — 映画『バイオレンス・ボイジャー』公式サイト

日本の山奥の村に住むアメリカ人少年のボビーは、数少ない友人のあっくんと飼い猫のデレクを連れて、村はずれの山に遊びに出かけた。

その道中、娯楽施設“バイオレンス・ボイジャー”と書かれた看板を発見した彼らは、その看板に惹かれて施設を目指すことに。

施設のアトラクションを堪能し、遊び疲れて休息していたところ、ボビーたちはボロボロの服を着た少女・時子と出会う。
彼女は数日前からここを出られずにいると言い、行動を共にすることに。

彼らはさらに、先客として迷い込んでいた村の子どもたちとも出会うが、謎の白いロボットによる襲撃を受け、子供たちたちは次々と捕獲されて行ってしまう。

時子の救出とバイオレンス・ボイジャーの謎を解き明かすため、ボビーは立ち上がるのだった…!

監督・脚本・作画・撮影・編集 宇治茶
製作 藤原寛
エグゼクティブプロデューサー 片岡秀介
プロデューサー 安斎レオ、上野公嗣
演出 勝賀瀬重憲
音楽監督 ジャン=ポール高橋
主題歌 ボビー
ナレーション 松本人志
出演 ボビー(悠木碧 ゆうきあおい)
ジョージ(田中直樹 ココリコ)
よし子/さやか(藤田咲)
あっくん/やっくん(高橋茂雄 サバンナ)
制作 よしもとクリエイティブ・エージェンシー
A-toys
製作 吉本興業
配給 よしもとクリエイティブ・エージェンシー
公開日 2019年5月24日より随時劇場公開
著作権 ©吉本興業 PG12

映画「バイオレンスボイジャー」レビュー

「バイオレンスボイジャー」のゲキメーションについて

劇画とアニメーションの融合。

予告編の映像を観ていただければ分かりやすいが、ベースは切り絵を使った立体紙芝居です。

切り絵を多重階層で並べて撮影されているシーンがすごい。
背景をバックにおき、手前で人物の切り絵を動かし、さらにその前の手前で草木が並んでいる。
この場合だと3階層だが、ときには4階層、5階層になっているところもあります。

カメラワークというか撮影する構図を考えて絵を描いているはずなので、宇治茶監督の技量というか、この場合は執念を感じる。

最近ではなんでも3DCGやVFXで表現する現代において、過去に利用されていた「ゲキメーション」技法をあえて、21世紀の今、利用したのは挑戦的ですごいと思う。

2013年にも「燃える仏像人間」という作品をリリースしているようですが、興味ある方はチェックしてはどうでしょうか。

引用元: イントロダクション — 映画『バイオレンス・ボイジャー』公式サイト

ゲキメーション(劇画+アニメーション)はセル画やCGを用いた通常のアニメとはまったく異なり、作画したキャラクターの絵を切り取って、ペープサート(紙人形劇)のように動かして撮影を行っていく。

観ている人間の脳ミソを揺さぶるバイオレンス怪奇SFの作品

ゲキメーションを利用した「バイオレンスボイジャー」と言う作品は、観ている人間の想像性を極限まで刺激します。

表現手法としては切り絵芝居。描ききれていない部分は観ている人間の想像力を刺激します。
よくある話の展開ではなく、よい意味で観客は期待を裏切られるため話が進むたびに宇治茶監督の世界に引き込まれていきます。

警戒しつつ観ていたら突然の展開。
気がつけば、次から次へと登場人物が順番に被害者になっていく。
しかも、どんどん死んでいくわけだけれど死に方が正直言ってグロい。
作品全体が切り絵なのだが、被害者が出る瞬間などは実写表現が絶妙な入り方をしておりグロさが倍増されています。

実写表現が突然差し込まれることで、観ている側は脳ミソを揺さぶられ一瞬「パニック」になるんですよ。
でも、決して難しい表現ではないため差し込まれた実写表現が被害者にダメージを生み出していることが理解できます。

観ている側は決して油断している訳ではないですが、いい意味で期待を裏切られ続けるので新しい映像体験だと私は思います。

これは宇治茶監督の計算し尽くされた表現手法の特徴の1つだと思います。

この作品は正直いって気持ち悪いシーンが多いです。
グロさに耐性がない人は正直言って観ない方がいい。
よくこんな残忍な展開を思いついたな、と思っています。

ホラー映画でもグロい系に入る作品ですが、グロいの好きな人にとっては入門編ぐらいなグロさかもしれません。

それでも表現が新しいので見る価値はあると思います。

切り絵がベースのため派手さはありませんが、脳ミソに直接グロさを訴えかけてきます。
怖い話を聞くと想像してしまって、夜1人でいられなくなるという話をよく聞きますが、まさに想像力を掻き立てる、それが「バイオレンスボイジャー」のゲキメーション。

宇治茶監督のバイオレンス怪奇SF作品だと思います。

映画「バイオレンスボイジャー」まとめ

万人受けを狙った作品ではないと思いますし、観る人を選ぶ作品だと思います。

「ゲキメーション」という表現手法は広くは知られていないですが、世界中の映画祭で多数の評価も受けているので観てみる価値は大いにあるでしょう。

バイオレンスやホラー映画が好きな人であれば、バイオレンスボイジャーよりも胸糞悪くなる(褒めている)表現がいろいろ観ていると思うのできっと楽しめる作品。

簡単にまとめれば挑戦的な作品であり、気味の悪く、後味が悪い作品(褒めています)です。

映画史の中にあってもいい作品の1つだと思います。

以上、『映画「バイオレンスボイジャー」(脳を揺さぶるバイオレンス怪奇SFの気味の悪い新映像体験!ゲキメーション)』でした。