映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』は、世界的ベストセラーとなったミステリー小説「ダ・ヴィンチ・コード」で有名になった、ミステリー作家ダン・ブラウンの出版秘話を題材にした犯罪映画(クライム映画)である。
ダン・ブラウンの世界的ベストセラー小説「ロバート・ラングドン」シリーズ4作目、「インフェルノ」出版時、書籍内容の違法流出防止のため翻訳家たちを秘密の地下室に隔離して翻訳を行わせたという前代未聞のエピソードを題材に描かれた映画が『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』である。
ミステリー映画として文句の付けようのない展開で楽しめました。
『ダ・ヴィンチ・コード』(The Da Vinci Code)は、2003年、アメリカ合衆国において出版されたダン・ブラウン著作の長編推理小説である。『天使と悪魔』に次ぐ「ロバート・ラングドン」シリーズの第2作。
レオナルド・ダヴィンチの作品であるウィトルウィウス的人体図、モナ・リザ、岩窟の聖母マリア、最後の晩餐の謎に始まり、多くの流説を結びつけた内容は世界的にヒットし、44言語に翻訳され7000万部の大ベストセラーとなった。筆者が(フィクションであるとされているにもかかわらず)事実に基づいていると述べた為、多くの研究者による論争が行われている(後述の#批判・論争を参照)。
映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』予告編映像
『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』2020年1月24日(金)公開/本予告
あなたは、この結末を「誤訳」する。 「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズ出版秘話から生まれた本格ミステリー
トム・ハンクス主演で映画化もされ、「ダ・ヴィンチ・コード」などが一大現象を巻き起こした人気小説「ロバート・ラングドン」シリーズ。その4作目「インフェルノ」出版時驚くべきミッションが遂行された。それは海賊行為と違法流出を恐れた出版元が、著者ダン・ブラウンの同意のもと、各国の翻訳家たちを秘密の地下室に隔離して翻訳を行ったのだ。イギリスでもっとも歴史あるタブロイド誌デイリーメールによって報じられることとなった、この前代未聞のエピソードを元に、デジタル時代ならではの仕掛けをちりばめた本格ミステリー映画が誕生した!
映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』のあらすじ
ドイツのブックフェア会場で、世界的ベストセラー「デダリュス」の完結編「死にたくなかった男」の出版権を獲得したと高らかに宣言する男アングストローム(ランベール・ウィルソン)。
出版社のオーナーであるアングストロームは多言語対応の翻訳作業を同時に開始し、全世界同時発売すると宣言する。
そのため選ばれた9人の翻訳家たちはフランスのある豪邸に集められる。
入り口で身体検査をされ、携帯電話もパソコンも没収された彼らは助手のローズマリー(サラ・ジロドー)の案内で屋敷の地下施設へ案内される。
屋敷の地下施設はシェルターになっており、電子ロックされて彼らは翻訳が終わるまでの期間でることができなくなった。
彼らは常に監視され監禁された状態で、翻訳作業をさせられることになる。
毎日20ページの原稿を渡され、翻訳を行うスケジュールが言いたわされる。
休みは週に1日。娯楽施設もあり、食事は一流のシェフの料理が食べられるが、外界との通信手段を遮断されており監禁生活には変わりなかった。
情報流出を防ぐために用意された『地下シェルター、電子ロック、有人監視、電子機器の没収、原稿を1日20枚だけ渡し終わったら回収』これらの手段は完璧だと思われた。
9人の翻訳家たちの仕事も慣れて、翻訳家たちの間柄もまとまりを見せた頃、事件が起きる。
アングストロームの携帯電話に一通の電子メールが届く。
「冒頭の10ページを流出させた。500万ユーロで損失は止められる。24時間以内に支払わないと、明日、次の100ページをネットで公開する」という脅迫メールが。
原稿にアクセスできる関係者は、原作者のオスカル・ブラックと、アングストロームだけ。
9人の翻訳家の中に犯人がいると確信したアングストロームは、次の100ページをくばらなければ流失は止まると考え、翻訳作業を中止する。
しかし、1回目の脅迫メールを無視したアングストロームの携帯電話には無残にも次の100ページが流出したという知らせのメールが届く。
犯人の次の要求は?犯人は誰なのか?犯人の目的は?
そして、外界と遮断されて、インターネットも利用できない、監禁・監視されている地下でどのようにして情報を流出させたのか?
映画のクライマックスには想像を超える結末が待っている。
映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』基本情報
- 出演者
- エリック・アングストローム:ランベール・ウィルソン(出版社のオーナー)
- カテリーナ・アニシノバ:オルガ・キュリレンコ(ロシア語の翻訳家。『デダリュス』のヒロインの容姿をしている。)
- ダリオ・ファレッリ:リッカルド・スカマルチョ(イタリア語の翻訳家。エリックに親しげに話しかけるが、無視される。)
- エレーヌ・トゥクセン:シセ・バベット・クヌッセン(デンマーク語の翻訳家。夫と幼い子どもが2人いる。)
- ハビエル・カサル:エドゥアルド・ノリエガ(スペイン語の翻訳家。左腕を怪我している。)
- アレックス・グッドマン: アレックス・ロウザー(英語の翻訳家。最年少であり、翻訳中居眠りしている。)
- イングリット・コルベル: アンナ・マリア・シュトルム(ドイツ語の翻訳家)
- チェン・ヤオ: フレデリック・チョウ(中国語の翻訳家)
- テルマ・アルヴェス: マリア・レイチ(ポルトガル語の翻訳家。短気で反抗的、首にピストルの刺青をしている。)
- コンスタンティノス・ケドリノス: マノリス・マブロマタキス(ギリシア語の翻訳家。見た目最年長の翻訳家で、金のための仕事と開き直っている。)
- ローズマリー・ウエクス: サラ・ジロドー(アングストロームの助手)
- ジョルジュ・フォンテーヌ: パトリック・ボーショー(書店経営者。アングストロームの文学の師。)
- スタッフ
- 監督:レジス・ロワンサル
- 脚本
- レジス・ロワンサル
- ダニエル・プレスリー
- ロマン・コンパン
- 撮影:ギヨーム・シフマン
- 音楽:三宅純
- プロダクションデザイン:シルヴィ・オリヴェ
- 衣装:エマニュエル・ユークノフスキー
- 編集:ロイック・ラレマン
- 製作国
- フランス
- ベルギー
- 言語:フランス語
- 上映時間:105分
映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』感想・レビュー
観終わった瞬間の感想は「面白い、また、観たい」でした。
「原稿を流出させた犯人探し」が目的だと思って映画を観ていたら、見事にミスリードされました。
映画のチラシや、公式のウェブサイトにも書かれていますが、『あなたは、この結末を「誤訳」する。』まさにこの通りでした。
旧来のミステリー映画であれば、映画の初めから終わりまで『犯人探し』という目的のもと映画が進行していきます。
観ている側もそのつもりでいたら、映画のストーリーには別の目的が隠されていました。
この映画はまさにクライム映画(犯罪映画)であるため、オーシャンズ11などの作品と同じようなミスリードを楽しませてくれます。
制作費が特別高いわけでも、世界的に有名な俳優が出ているわけでもありませんが、ミステリー映画としての完成度は非常に高い作品だと感じさせられました。
しかも、テーマがワクワクします。
世界的ベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」の人気小説「ロバート・ラングドン」シリーズ。
その4作目「インフェルノ」では翻訳のために集められた翻訳家11人が秘密の地下に閉じ込められて翻訳をしていたといいます。
実際にあった『地下に監禁される翻訳家たち』という題材を取り上て、ミステリー作品に仕上げらた形がとてもそそられてワクワクしました。
起承転結のまとめ方もよくできていいて、映画の冒頭のあるシーンと後半に再登場したあるシーンがシンクロした瞬間全てが理解できたと思わせてくれます。
ミステリーの物語や、ミスリードさせたトリックで2度、3度とワクワクさせられたとても良質な映画だと思いました。
監督・脚本:レジス・ロワンサル談(映画パンフレットより要約)
その4作目「インフェルノ」では作者ダン・ブラウンの同意をえた上で、記録的な速さで翻訳するために11人の翻訳家を秘密の地下室に隔離しました。
また、待望の新作を世界中で同時発売することで、著作権の侵害、違法出版(海賊版)を回避し、250万ドルの利益を生み出したとのことです。
以上、「映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』(ダ・ヴィンチ・コード出版秘話の犯罪映画)」でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今日はまとめはありません。
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