映画『インターステラー(原題:INERSTELLAR)』2014年に公開された、クリストファー・ノーラン監督が、父娘の信頼関係をSFを通じて描いた作品です。
INERSTELLARとは、星間あるいは惑星間を表し、この映画では惑星間移動を題材として扱っています。
壮大な映画『インターステラー』を製作するにあたり、クリストファー・ノーラン監督は全てに真実味を与えるために天文物理学の権威であるキップ・ソーン教授(カリフォルニア工科大学)を製作総指揮に迎える徹底ぶりです(キップ・ソーン教授に関するエピソードは後述します)。
2014年に映画『インターステラー』を公開した当時のクリストファー・ノーラン監督はといえば、クリスチャン・ベールを主演に据えたバットマンの3部作『バットマン ビギンズ(2005)、ダークナイト(2008)、ダークナイトライジング(2012)』と『インセプション(2010)』を大成功させた鬼才です。
その彼の次の監督作品がこの映画『インターステラー』でした。
莫大な宇宙天文学、重力理論、相対性理論をキップ・ソーン教授をはじめとし、様々な専門家の教えをこいながらも、ヒーロー映画とはまた違う映画を成功させたクリストファー・ノーラン監督ですが、行動力と実行力の高さに感服していしまいます。
鬼才クリストファー・ノーラン監督と、アカデミー賞受賞俳優の2人マシュー・マコノヒーとアン・ハサウェイが仕掛けたダブル主演映画『インターステラー 』を紹介します。
映画『インターステラー』予告編
YouTube:ワーナー ブラザース 公式チャンネル
「映画『インターステラー』予告1【HD】 2014年11月22日公開より」
映画『インターステラー』あらすじ
地球の寿命は尽きかけていた。
居住可能な新たな惑星を探すという人類の限界を超えたミッションに選ばれたのは、まだ幼い子供を持つ元エンジニアの男。
彼を待っていたのは、未だかつて誰も見たことがない、衝撃の宇宙。はたして彼は人類の存続をかけたミッションを成し遂げることが出来るのか?
鬼才クリストファー・ノーラン監督×アカデミー主演男優賞受賞マシュー・マコノヒー×アカデミー助演女優賞受賞アン・ハサウェイ
世界最強の監督とキャストが仕掛ける、衝撃の宇宙体験!
映画『インターステラー』基本情報
- 原題:INTERSTELLAR
- 監督:クリストファー・ノーラン
- 脚本
- クリストファー・ノーラン
- ジョナサン・ノーラン
- 製作
- クリストファー・ノーラン
- エマ・トーマス
- リンダ・オブスト
- 製作総指揮
- ジョーダン・ゴールドバーグ
- ジェイク・マイヤーズ
- キップ・ソーン(カリフォルニア工科大学:天文物理学、重力派、時空ワープの権威2017年ノーベル物理学賞受賞)
- トーマス・タル
- キャスト
- ジョセフ・クーパー(マシュー・マコノヒー)
- アメリア・ブランド(アン・ハサウェイ)
- 成人 マーフィー・クーパー(ジェシカ・チャステイン)
- 幼少期 マーフィー・クーパー(マッケンジー・フォイ)
- 老年期 マーフィー・クーパー(エレン・バースティン)
- ジョン・ブランド教授(マイケル・ケイン)
- 音楽 :ハンス・ジマー
- 公開 2014年
- 上映時間 169分
- 配給 Warner Bros. Entertainment Inc.
- 著作権 © 2014 Warner Bros. Entertainment, Inc. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.
映画『インターステラー』感想・レビュー
169分(2時間49分)という3時間弱の超大作の映画でしたが、緩急の付け方が見事であきることもなく最後まで一気に引き込まれる作品でした。
一言でいえばとても面白かった。
惑星間移動を果たし、未知の惑星調査結果を確認し、人類居住可能惑星を見つけるまでのプロセスや度重なるトラブルなど、どれもがすごくリアルであり、ワクワクする作りの映画でした。
そして、観ているときは気づかなかったさりげない伏線が後半に一気に怒涛のように動き出します。
父娘の強い愛情と信頼があったからこそ成功できた物語の映画でした。
映画『インターステラー』に組み込まれた科学、天文物理学、重力派、時空ワープの理論は本物であった
現在の天文物理学では、地球から近くにある水のある惑星でかつ、地球に似た環境を持つ惑星まで実際に500光年と言われています。
もちろん、最速の宇宙船を飛ばしたとしても到達することは現実的には不可能です。
惑星間移動するには空想科学で言われるワープ技術やワープを可能とするワームホールといった技術が必要になります。
なお、現在の天文物理学において『ワームホール』は存在を肯定も否定もできないと言われており、今回の映画では宇宙におけるワームホールを含むあらゆる現象をリアルに描くことに徹しています。
その方法は宇宙物理学の権威の手を借りることでした。
映画『インターステラー』の脚本・製作が優れている点は映画公開当時の宇宙物理学の権威に映画の製作総指揮権を委ねたことでした。
『インターステラー』の初回限定盤の特典ディスクの内容によれば、映画の製作スタッフたちは科学的な精密さを重んじており、製作総指揮の1人キップ・ソーン教授(カリフォルニア工科大学)に確認をしながら製作を始めていたと言われています。
キップ・ソーン教授は相対性理論や宇宙論において多大な業績を持つ方で、映画『インターステラー』が2014年に公開された3年後にはノーベル物理学賞も受賞された優秀な方です。
重力理論、ブラックホール、宇宙論の歴史と理論を一般向けに分かりやすくまとめた著書『ブラックホールと時空の歪み アインシュタインのとんでもない遺産』(原題:Black Holes and Time Warps: Einstein’s Outrageous Legacy)も出版されています。
まさにキップ・ソーン教授は天文物理学、重力波、時空ワープの権威と言われる方です。
物語に現実味を出すために何年も製作担当者・脚本担当者はもちろん、監督自身もキップ・ソーン教授と話し合い物語を創作しています。
よって、「インターステラー」はただの空想科学ではなく、リアルな科学に基づいた超一流のSF作品でもあるのです。
本作で映像化されるワームホールやブラックホールの映像表現はキップ・ソーン教授が作った数式を元に映像化しています。
この映像は圧巻です。
ぜひ、スクリーンで観たかった。
キップ・ソーン教授以外にも地球外生命体が存在する惑星探索を続けるNASAの職員などもこの映画製作に関わっています。
絵空事ではなく実際の科学を題材に壮大でロマンチックで人間味のあるサイエンスな探検映画を作り上げたクリストファー・ノーラン監督の妙技に舌を巻きます。
映画『インターステラー』をキャストで振り返る
ジョセフ・クーパー(マシュー・マコノヒー)
凄腕の元宇宙飛行士だが地球規模の食糧危機により現在は農夫をしていた。
あるとき娘のマーフと偶然にNASAの施設に訪れて、別の銀河に人類の新天地を求めるプロジェクト「ラザロ計画」の話を聞かされる。
- マシュー・マコノヒー(Matthew McConaughey)
- 生年月日 1969年11月4日
- 出生地 アメリカ合衆国 ・テキサス州
- 主な映画出演作品
- Interstellar(インターステラー・2014) / 主演 クーパー 役
- Dallas Buyers Club(ダラス・バイヤーズクラブ・2013) / 主演 ロン・ウッドルーフ 役 / 第86回アカデミー主演男優賞受賞・第71回ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ドラマ部門)受賞
- Contact(コンタクト・1997) / パーマー・ジョス 役
幼少期 マーフィー・クーパー/マーフ(マッケンジー・フォイ)
クーパーの娘。
利発で観察眼がするどく、思考は父親譲り。
自分の考えは曲げず、学校の先生に問題児扱いされる頑固さも父親譲りの様子。
- マッケンジー・フォイ(Mackenzie Foy)
- 生年月日 2000年11月10日
- 出生地 アメリカ合衆国・カリフォルニア州ロサンゼルス
- 主な映画出演作品
- The Nutcracker and the Four Realms(くるみ割り人形と秘密の王国・2018) / 主演 クララ 役
- Interstellar(インターステラー・2014) / 幼少期 マーフィー・クーパー 役
- The Conjuring(死霊館・2013) / シンディ・ペロン 役
▼マッケンジー・フォイが出演している映画について記事を書いています
ジョン・ブランド教授(マイケル・ケイン)
「ラザロ計画」を考案し、推進させるジョン・ブランド教授。
ラザロ計画と並行して、全人類をスペースコロニーに移住させるために計画を進めていた。
ただし、スペースコロニーに全人類に移住させるためにはある『重力方程式』を解明する必要がありその研究にも人生を捧げていた。
- マイケル・ケイン(Sir Michael Caine, CBE)
- 生年月日 1933年3月14日
- 出生地 イングランド・ロンドン
- 主な出演作品
- TENET(テネット・2020) / クロスビー 役
- Interstellar(インターステラー・2014) / ジョン・ブランド教授 役
- The Dark Knight Rises(ダークナイト ライジング・2012) / アルフレッド・ペニーワース 役
- Inception(インセプション・2010) / スティーブン・マイルズ教授 役
- The Dark Knight(ダークナイト・2008) / アルフレッド・ペニーワース 役
- Batman Begins(バットマン ビギンズ・2005) / アルフレッド・ペニーワース 役
▼マイケル・ケインが出演している映画について記事を書いています
アメリア・ブランド(アン・ハサウェイ)
ジョン・ブランド教授の娘であり、ラザロ計画に参加する科学者の1人。
- アン・ハサウェイ(Anne Hathaway)
- 生年月日 1982年11月12日
- 出生地 アメリカ合衆国 ニューヨーク州
- 主な映画出演作品
- Ocean’s Eight(オーシャンズ8・2018) / ダフネ・クルーガー 役
- Alice Through the Looking Glass(アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅・2016) / 白の女王 役
- The Intern(マイ・インターン・2015)/ ジュールズ・オースティン 役
- Interstellar(インターステラー・2014) / アメリア・ブランド 役
- Les Misérables(レ・ミゼラブル・2012) / ファンティーヌ 役 / 第85回アカデミー助演女優賞受賞・第66回英国アカデミー賞 助演女優賞受賞
▼アン・ハサウェイが出演している映画について記事を書いています
成人 マーフィー・クーパー/マーフ(ジェシカ・チャステイン)
マーフは大人になってジョン・ブランド教授の重力方程式の研究に参加することとなる。
- ジェシカ・チャステイン(Jessica Chastain)
- 生年月日 1977年3月24日
- 出生地 アメリカ合衆国 カリフォルニア州
- 主な映画出演作品
- It Chapter Two(IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。・2019) / ベバリー・マーシュ 役
- X-Men: Dark Phoenix(X-MEN: ダーク・フェニックス・2019) / ヴーク 役
- The Martian(オデッセイ・2015) / メリッサ・ルイス准将 役
- Interstellar(インターステラー・2014) / マーフィー・クーパー 役
- Zero Dark Thirty(ゼロ・ダーク・サーティ・2012) / マヤ 役 / 第85回アカデミー主演女優賞ノミネート・第66回英国アカデミー賞 主演女優賞ノミネート・ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ドラマ部門)受賞 その他多数受賞
▼ジェシカ・チャステインが出演している映画について記事を書いています
映画『インターステラー』まとめ
地球での食糧難に歯止めが掛からず、宇宙へ解決を求めた人類。
しかし、その宇宙への旅は苦難の連続でした。
惑星間移動することができるワームホールの旅、ワームホールに入ってから目的の惑星への移動と探査、思いがけないアクシデントの連続です。
この宇宙の旅での出来事を理解するためには「アルベルト・アインシュタイン」が解いた相対性理論が重要になるが、相対性理論をあまり意識しなくても問題なく物語が進んでいます。
決して難しい映画では無いし、中学生以上なら理解できる内容だと思います(個人の意見です)。
本来は難しいことも登場人物に語らせすぎ、わずかなセリフと、目の前で起きている事象を見せることで何が起きているのかが分かるように作られています。
映画の前で座り、事の成り行きを見守っていれば自然と理解できるように練られている脚本や映像描写こそ映画の醍醐味だと思います。
それだけ脚本・演出・撮影・音楽が各シーンを的確に表現しており、無駄なく、そつなく、ドラマチックに描かれているのだと思います。
膨大な情報量を抵抗なく観るものに受け入れさせているわけですから。
とはいえ、こればかりは好みの問題もあるかもしれません。
クリストファー・ノーラン監督作品の多くは情報量が多く、1回の視聴だけでは全てを理解することは難しいかもしれませんが、この『インターステラー』非常に分かりやすくできていたと思います。
以上、「映画『インターステラー』感想・レビュー(世界で最も正確な宇宙の神秘が見れる映画)」でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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